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第2章 地下2階層
58話 第15階層
しおりを挟むブンブンブンブン……
「キキッ!」
「よっ! はっ!」
バキッ!!!!
「キ、キキィ……ッ」
…………。
「よし……おっ魔石ゲット~」
第11階層でクラフターから『EXタイムポーション』を受け取った後、予定通り第14階層から攻略を開始して、現在は第15階層。
ここまでだいぶスムーズに攻略を進めることが出来ているけど第15階層のフロアボスは若干クセがあると聞いているので、しばらく通常モンスターを倒しつつ肩慣らしをすることに。
ちなみに第15階層に出現する通常モンスターは『バズゴブリン』という、ハエのような羽が生えたかなり小柄なゴブリンだった。
例えが良いのか悪いのか分からないけど、『汚いピクシード族』みたいな……強くはないけど、ブンブン飛び回ってかなり素早い。
まあ、ただ素早いだけなら俺にとってはむしろ倒しやすい相手なんだけど。
「ちっくしょー今日も勝てなかった……」
「あと少しで倒せそうだったんだけどなー。もう1回行ってみるか?」
「バカ言えよ、2回目は『ライフライン』無しだぜ。失敗したらマジで死んじまう」
「また明日挑戦かー」
「…………」
そろそろボスに挑もうかと思って第15階層のボス部屋に向かっていると、ちょうど二人組の男性ライザーがボス部屋前に強制転移してくる。
会話を聞いている感じ、2人でフロアボスに挑んで敗北したのだろう。
ユグドラタワーのフロアボスは第11階層から複数人でパーティーを組んで挑むことが可能になっていて、第11階層~20階層は2人、第21階層~30階層は3人、第31階層~40階層は4人まで、そして第41階層以降は5人までが参戦人数の上限となっている。
しかし複数人でボスに挑んだ場合のドロップはフロアキーだけになってしまい、ドロップされるフロアキーも参戦人数に関係なく1本だけ。
更に誰がフロアキーを入手できるかはランダムで、フロアキーを入手した人はクリア済みということで同じボスに挑めないシステムになっている。
仲の良い何人かで挑んでも最終的に誰かしらソロ討伐をする羽目になるので、結局は自分自身の実力を上げないとどうしようもないということだ。
「他のライザーとトラブルになりたくないし、俺はソロ討伐の方が良いかな」
二人組の男性ライザーが本日のボス討伐を諦めて立ち去るのを確認した俺は、相方無しでボス部屋の扉をくぐった。
―― ――
「キッキキキキ!」
「うわっなんだこいつ……!?」
【ゴブリンスパイダー】
・生息地:第15階層ボスエリア
・ドロップ:フロアキー、赤の魔石、緑の魔石、魔装
第15階層フロアボス、ゴブリンスパイダー。
見た目が蜘蛛というよりは、ゴブリン版スパ〇ダーマンといった感じだろうか。
手足が長く、手の内側から射出した粘着性のある糸を壁に飛ばしてぶら下がっている。
「キーッキッキッキ!」
「素早いうえに、挙動が読みにくいな……」
ここは第11~20階層の中間フロアということで、ゴブリンスパイダーはこのゴブリン系モンスターが出現する階層全体のある意味中ボス的な扱いになっているらしい。
今まで戦ってきた第11~14階層のフロアボスよりも一癖あると聞いていたが、まさかこんな感じとは……
「あの糸を切断できればだいぶやりやすくなるんだけど、俺の武器だと相性が悪いか……」
俺が愛用している『黒鉄甲の打突旋棍』はトンファー型の武器なので、打撃や突きでの攻撃力はあるのだが、刀のような切断力は持ち合わせていない。
流石に天井まで届くような跳躍力も今のままでは発揮できない。
うん、そうだな……今のままでは、ね。
「糸を切れる鋭い爪と、トリッキーな挙動に対応できる素早さ、そして爆発的な跳躍力……よし、やるか」
俺は右手の中指に輝く指輪を見つめ、トリッキーなモンスターにはトリッキーなバケモノをぶつけることを決めた。
「いくぞ……〝魔装変身〟ッ!!」
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