ダンジョン塔の地下迷宮~俺だけ入れる激レア階層を駆使して最強を目指す~

ふぃる汰@単行本発売中

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第2章 地下2階層

61話 黒い怪人さん

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「黒い怪人さん、あれから見かけないなあ……今、どの辺り攻略してるんだろ……」


 第11階層のタウンエリアの隅でひざを抱えるギフテッドライザーの竜童マリーさん。
どうやら彼女は、以前第15階層のボス部屋前で会ったときの『ヴェノムイーター』姿の俺と会うことをご所望らしい。


「(これ、あれだな……『俺があの怪人だよー』とか言って出てったらガッカリされちゃうかもしれないな……)」


 テーマパークのキャストの中身は知りたくないもんな……
いっそのこと、こっそり魔装変身して声かけてみようかな?


「あれっ? もしかして最年少ライザーの竜童マリーじゃね?」


「おっマジじゃん! ねーねー何やってんのー?」


「えっ……? あ、その……」


 遠目からうっすらと様子を伺っていると、竜童さんに気付いた二人組のライザーが彼女に話しかける。
っていうかあの二人も見たことあるな……前に第15階層のフロアボスに挑戦してた人達か。


「今日はもう上がりー? 良かったらユグドラセンターでオレらとお茶しない?」


「おっ良いじゃん! 奢っちゃうぜーオレら」


「い、いえ……わたしは……」


 これは……ちょっと良くない雰囲気かも。
タワー内に警備スタッフとかはいないし、この辺りは賑わってる場所からだいぶ離れているので他のライザーもいない。
だからといって俺が割って入ったら知らない男の人が3人になって怖がらせてしまうかもしれないし……


「よし、やっぱここは黒い怪人さんとして行くしかないか」


 ―― ――


「おまえら、ナンパはよくないぞ」


「はいはい、クラフターには用無いんで」


「ね? いいっしょマリーちゃーん。オレらと遊ぼうぜ」


「い、嫌……」


「おまえラ、ナンパは良くなイ。ユグドラタワーはライザー活動を頑張る所ダ」


「ああ? だからしつけーん、だよ……?」


「クラフターは、どっか行って……」


 …………。


「「うっうわああああああああああっ!?」」


 魔装ヴェノムイーター状態に変身した俺の姿に驚いた男性ライザーたちが叫び声をあげて後ずさる。
俺は竜童さんからナンパ男たちを剥がすため、人に見られないように魔装変身をして現場に駆け付けたのだ。


「あっ……黒い、怪人さん……!」


「また会ったナ」


 ナンパ男たちとは違い、クリーチャーのような姿の俺を見ても全く怖がらずにむしろキラキラとした目線を向けてくる竜童さん。
テーマパークで何故か子供たちから大人気のヴィランになったみたいな気持ちだ。


「な、な、な……なんだお前っ!?」


「なんでタウンエリアにモンスターがっ!?」


「いや、俺ハ……」


「「く……くっそおおおおおおおおおお!?」」


「きゃっ……!?」


「おっと、危ないナ」


 パニックになってしまったのか、ライザーカードのインベントリから武器を装備してめちゃくちゃに振り回してくるナンパ男たち。
竜童さんを背後に庇いながら、腕を上げて攻撃を受け止める。
っていうか、そんなことしたらタワーのシステムで……


『ライザーの違反行為を確認。強制転移します』


「「えっ?」」


 俺に攻撃を加えた瞬間にナンパ男たちのライザーカードから警告音が発せられ、俺が以前イノシーを小突いた時と同じような状態で二人は消滅した。
今ごろは訳も分からずユグドラタワーの入場エリア辺りに転移しているだろう。


「……ふう、何とかなっタ」


「あ、あの……」


「君、大丈夫カ?」


「は、はい……助けてくれて、ありがとうございます……」


 背後を振り返ると、そこにはまるで憧れのヒーローに会った少年のような表情をした竜童さんがいた。


「あの、黒い怪人さん……お名前、教えてくれますか……?」


「な、名前カ? 俺は、和……」


 ……いや、ここはそうじゃないか。


「俺の名前は、ヴェノムイーターダ」




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