ダンジョン塔の地下迷宮~俺だけ入れる激レア階層を駆使して最強を目指す~

ふぃる汰@単行本発売中

文字の大きさ
78 / 102
第3章 地下3階層

78話 ダッチー囮作戦

しおりを挟む


「さ、さあソラ! アリゲーマンを倒しにレッツゴーぴょん!」


「あ、ああ……」


 ユグドラタワーの地下3階層の攻略を開始した翌日。
俺はラビンヘッド族のダッチーと一緒に湿原エリアをうろついていた。


「な、なあダッチー。この首輪とリード付けるのはやめないか? なんかその……良くないと思う」


「こ、これが無いとアタイの回避が間に合わないかもしれないぴょん!」


 結局、俺一人で地下3階層のフロアをウロウロしていてもアリゲーマンと遭遇することが出来ず、このままでは埒が明かないということで、アリゲーマンの捕食対象であるラビンヘッド族を囮にしておびき出す作戦を試すことになった。


 そんでもって囮役のダッチーはというと、現在リードと首輪を装着して俺に手綱を握られ、少し離れた前方を歩いている。
この状態でアリゲーマンがダッチーに襲いかかってきたら俺がリードを引っ張ってダッチーを引き寄せ、食われるのを回避するのと入れ替わりに俺が飛び出してアリゲーマンを討伐する……という流れだ。
ちなみにこの首輪とリードはアリゲーマンの死骸などを素材にして作ったらしい。SDGsだね。


「いやでもなあ、なんというか……」


「は、背徳感ぴょん?」


「どっちかっていうと罪悪感だよ」


 見た目はそれなりに可愛らしいウサギのマスコットであるダッチーに首輪とリードを付けて歩かせているというのは、ちょっとよろしくない雰囲気を感じる。
まあ、この階層には俺しかライザーがいないからなんでも良いっちゃ良いのだけれど。


「ソ、ソラ! アリゲーマンが襲いかかってきたらちゃんと引っ張るぴょんよ! 噛ませて釣り上げる作戦ではないぴょんからね!」


「分かった分かった」


 足元の悪い湿った土草を踏みしめながらアリゲーマンが潜んでいそうな辺りを探して歩いていく。
ちなみに今の俺の状態は、両足を魔装化でヴェノムイーター状態にして、トンファー型の武器『黒鉄甲の打突旋棍』を腰に下げ、左手でダッチーに付けたリードを持っている。
やはりドロドロの湿地帯で機動力を確保するには足元を魔装化してしまうのが1番良いと考え、実際とても歩きやすい。


「あっ!」


「どうしたダッチー! アリゲーマンか!?」


「こ、この草は美味しいやつぴょん!」


「こんな時に道草食うなって!」


 湿原に生えていた雑草を毟りだす能天気なダッチー。しかしその時……


 ガサガサガサッ!!


「むしゃむしゃむしゃ……ぴょん?」


「ガービガビガビィイイイイイイイイイッ!!」


「ぴょおおおおおおおおおおおおおおおおんっ!?」


 茂みから飛び出してくるアリゲーマンと、それを見て草を口いっぱいに頬張りながら飛び上がるダッチー。
なんかもう、ギャグマンガである。


「危ないっ!」


「ソ、ソラ助けてぴょおおグエッ!?」


「あっ悪い……って汚いなおい!」


 事前の作戦通り首輪に付けられたリードを思い切り手繰ってアリゲーマンの元から引き離すと、首を絞められたダッチーが口から草をまき散らしながら俺の元へ飛び込んできた。


「おっおげえええええ……苦しいぴょん……」


「お前もう草食うな」


「ガ、ガビガビ……?」


「お前は今から倒す」


 結局この後、道草を食うダッチーからのアリゲーマン襲撃からの討伐という流れを何回か続け、首を引っ張られまくったダッチーがグロッキーになってしまったので、首輪から胴体用のハーネスに変更することになった。
作戦自体は結構うまくいって、それなりの数のアリゲーマンを倒すことが出来た。


「はあ、はあ……ソ、ソラ。やっぱり首輪に戻すぴょん。ハーネスで引っ張られても刺激が足りないぴょん」


「知らないよそんなの。吐き癖つく前にやめとけ」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し
ファンタジー
 主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。

異世界デバッガー ~不遇スキル【デバッガー】でバグ利用してたら、世界を救うことになった元SEの話~

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した元システムエンジニア、相馬譲(ユズル)。異世界転生で得たスキルは、世界の情報を読み取り「バグ」を見つけ出す【デバッガー】。攻撃力も防御力もない外れスキルと思われたが、その真価は世界の法則すら捻じ曲げるバグ利用にあった! モンスターの行動、魔法の法則、スキル限界――あらゆるシステムの穴を突き、元SEの知識で効率的に攻略していくユズル。不遇職と蔑まれながらも、規格外の力でダンジョンを蹂躙し、莫大な富と影響力を築き上げる。 頼れる騎士、天才魔道具技師、影を歩むダークエルフといった仲間と共に、やがてユズルは、この世界そのものが抱える致命的な「システムエラー」と、それを巡る陰謀に直面する。これは、不遇スキルで世界のバグに挑む、元SEの異世界成り上がり譚!

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。

名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する

鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。 突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。 しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。 魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。 英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...