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♯2
1. 部屋までの距離
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「1階に引っ越そうかな」
突然、エレベーターの中で伊勢くんが言った。
「え、どうしてですか?防犯のこともあるので、1階はどうかと思います。どうしてもというなら、物件を探してきますが……」
「だって、長いだろ?15階まで」
「え?」
「早く抱きたいのに」
スルッと腰を抱き寄せられた。
「ちょっ、優くん!人に見られますって!」
「誰もいない」
「防犯カメラ、付いてます!」
僕が小声で抗議すると、不貞腐れたように手を離した。
「毎回毎回、駐車場からエレベータ―で上がって部屋に着くまで、時間がもったいないと思わないか?」
「そうですか?今日の移動時間の方が、よっぽど長かったですよ」
先ほどまで、TOMARIGIが3人揃って、バラエティ番組のロケだった。高速道路が事故渋滞で、予定が大幅に狂ってしまった。
「確かに長かったな。おかげでもう深夜だ」
「疲れているなら、今夜はゆっくり寝てください」
「嫌だね」
僕の唇を、細い人差し指でスッと撫でた。その色気のある目線に、ぞくっとする。
「久しぶりに2人きりになれるのに」
昨日まで、伊勢くんはイタリアに行っていた。同行したのは泊さんで、僕と会うのは1週間ぶりだった。
帰国した翌日に、バラエティー番組のロケだなんて。スケジュール管理をする僕が言うのもなんだけど。
ようやく15階にたどり着くと、足早に廊下を進む。脚の長さが違うから、僕なんて小走りだ。
バタンッと、玄関の扉が閉まる。
そしてーーーー、
「んっ、あっ……!」
壁にドンッと押し付けられて、そのまま深いキスがはじまった。
「……あ、あの、荷物とか、片付け……」
「後でいい」
低い声とともに、また唇がふさがれる。
疲れているはずなのに、そんな素振りは一切なくて、むしろ久しぶりの熱に火がついたみたいだ。
「ちょ、ちょっと待ってください!せめてシャワーを浴びましょう」
「それも、後でいい」
必死で抗議しても、ぐいぐい迫ってくる。
「1週間も離れてて、さみしくなかった?」
「そ、それは、すごく、さみしかったです」
スケジュール帳を開く度に、帰国の日を指折り数えた。
「蒼真とずっと一緒だったよな?変なことされてないか?」
「あるわけないです!」
「そうかな?俺は意外と蒼真は『こっち側』だと思うけどな」
少しだけ動きが止まる。その隙に、
「僕、やっぱりシャワー浴びたいです!」
バスルームへ避難した。
「あ、こら!」
深夜0時。今夜はおそらく、眠れない……。
突然、エレベーターの中で伊勢くんが言った。
「え、どうしてですか?防犯のこともあるので、1階はどうかと思います。どうしてもというなら、物件を探してきますが……」
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「え?」
「早く抱きたいのに」
スルッと腰を抱き寄せられた。
「ちょっ、優くん!人に見られますって!」
「誰もいない」
「防犯カメラ、付いてます!」
僕が小声で抗議すると、不貞腐れたように手を離した。
「毎回毎回、駐車場からエレベータ―で上がって部屋に着くまで、時間がもったいないと思わないか?」
「そうですか?今日の移動時間の方が、よっぽど長かったですよ」
先ほどまで、TOMARIGIが3人揃って、バラエティ番組のロケだった。高速道路が事故渋滞で、予定が大幅に狂ってしまった。
「確かに長かったな。おかげでもう深夜だ」
「疲れているなら、今夜はゆっくり寝てください」
「嫌だね」
僕の唇を、細い人差し指でスッと撫でた。その色気のある目線に、ぞくっとする。
「久しぶりに2人きりになれるのに」
昨日まで、伊勢くんはイタリアに行っていた。同行したのは泊さんで、僕と会うのは1週間ぶりだった。
帰国した翌日に、バラエティー番組のロケだなんて。スケジュール管理をする僕が言うのもなんだけど。
ようやく15階にたどり着くと、足早に廊下を進む。脚の長さが違うから、僕なんて小走りだ。
バタンッと、玄関の扉が閉まる。
そしてーーーー、
「んっ、あっ……!」
壁にドンッと押し付けられて、そのまま深いキスがはじまった。
「……あ、あの、荷物とか、片付け……」
「後でいい」
低い声とともに、また唇がふさがれる。
疲れているはずなのに、そんな素振りは一切なくて、むしろ久しぶりの熱に火がついたみたいだ。
「ちょ、ちょっと待ってください!せめてシャワーを浴びましょう」
「それも、後でいい」
必死で抗議しても、ぐいぐい迫ってくる。
「1週間も離れてて、さみしくなかった?」
「そ、それは、すごく、さみしかったです」
スケジュール帳を開く度に、帰国の日を指折り数えた。
「蒼真とずっと一緒だったよな?変なことされてないか?」
「あるわけないです!」
「そうかな?俺は意外と蒼真は『こっち側』だと思うけどな」
少しだけ動きが止まる。その隙に、
「僕、やっぱりシャワー浴びたいです!」
バスルームへ避難した。
「あ、こら!」
深夜0時。今夜はおそらく、眠れない……。
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