8 / 21
ゆるいイケメン。
ゆるい部活動。
しおりを挟むさて、入学して1週間が経ち、今日からは部活動の仮入部がスタートする。
朝の会前も、休み時間も、みんなどの部活動に行くかで話題は持ちきりだった。
この一週間も相変わらず飛鳥は黒澤さんの可愛さ観察に没頭しつつも学級委員としての仕事をまっとうしている。
ちなみに飛鳥は運動が苦手だ。
中学のときは吹奏楽部に入っていたが譜面が読めないという致命的なハンデによって、演奏会のときはエアトランペットで乗り切っていた。
高校では美術部に入ると言っていたが果たして絵の才能はいかに‥‥。
前の席のギャルちゃんとチャラ男の会話が聞こえてくる。
ギャルちゃんは意外と運動ができるらしく、まあたしかに健康的な見た目だけども、どうやら陸上部に入るそうだ。
チャラ男くんはというと、合唱部に入ると言っているではないか。
てっきり運動部に入ると思っていたが歌が好きなのだろうか。
ふと隣を見ると、思いっきり眉間にシワを寄せて俯く黒澤さんの姿。
もしかして、黒澤さん‥‥
「渡辺くん、わたし合唱部に入ろうと思っていたの」
予想的中である。
入学からの一週間、毎朝チャラ男くんの挨拶に塩対応をしている黒澤さん。
あまりの塩対応にチャラ男も挨拶以外では話しかけてはいないが、しかし、チャラ男のメンタルも鋼である。
ちゃんと毎朝挨拶をするのが日課になっているのだからすごい。
というわけなので黒澤さんはチャラ男と同じ部活に入るのが嫌なのである。
だがチャラ男は黒澤さんになにもしていないので別に悪くないのだ。
「俺は黒澤さんが歌ってるところ見たいけどな」
これも俺の本音である。
普段、お花の上を妖精が舞うような綺麗な声で喋る黒澤さんが歌を歌ったら、そこらじゅうに花が咲き乱れるほど美しい声を聴けるのではないだろうか。
目の前の黒澤さんは頬を赤くして、
「それなら、入部してみるわ」
と呟くのであった。
同じ部活に入ったことでチャラ男と黒澤さんも仲良くなってくれたらいいな、と願うばかりだ。
肝心な俺はというと、絶対にゆるい部活に入りたいと願っている。
そこで目についたのは写真部である。
写真であれば、スマホで撮影したものでも、デジカメでも、お高いカメラでも何でも良いらしく、年に数回開催されるコンテストへの応募が条件だそうだ。
写真は好きである。
本格的なカメラは持っていないためスマホで猫カフェの猫を撮影するくらいだが。
ふと見上げた空とか、気が向いたときに撮っていくのも良いかもしれない。
猫の写真を撮ったら黒澤さんに見せてあげよう。
それに、お花委員会に入ったのだから花の写真を撮るのも良いのではないだろうか。
そう心に決めて俺は放課後、写真部の部室へと足を運ぶのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる