詩「まどろみの」

有原野分

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まどろみの

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砂浜を歩く
ただ歩く
歩くだけで
すれ違う
人もおらず
足を動かす
そのときに
気付くことが
多々ある
気がする
足を上げて
降り下ろす
地面を踏んだ
足の裏の間隔
地面から離れた
足の裏の間隔
のように
間隔を観察する
その感覚は
痛みのない
麻酔のような

遥か昔の
遺跡のような
布団に抱えられ
その上から
明日の空気で
圧をかけられる

それは任意の目隠しだ
目の前に平坦な
墨で塗り殴った
空の蓋が見え
点と点
頭から顔に向かって
鼻の先を掠めて
吹き抜ける感覚
それは地球が回った
その時々の
その風だ
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