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使い魔・ヒューの契約儀式
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雨降るくらい夜。白い自動車に、白いワンピースと黒の長髪といういでたちの女と、喪服のボブカットの死神はいた。
死霊・ヒューと、死神・東だ。
東は真っ暗な車の中で、捕まえたばかりの悪霊のヒューにキスをしていた。
ヒューは通りすがりの学生たちの色彩感覚を奪う悪霊で、何人もの若者をうつ病にしてきた。
「罰として僕に組み敷かれてもらうからな」
東は真っ白な葬式饅頭肌を紅潮させ、ヒューの着ていた白いワンピースの上から胸に手を伸ばした。
そっと触れる。冷たい。
「僕は生きた人間じゃなくて悪いけど……ヒュー、君を温めたいと思う」
「ワタシは冷たいままでもいいです。成仏もしたくないですし」
「じゃあ、どうしたい?」
「あの世で働きたいです」
東はニヤリと笑い、黒く艶のある丸い粒を銀で出来た小箱から取り出した。
「これを飲んで。僕の部下にしてあげるよ」
「これは……?」
「死神の黒い血の丸薬だよ。これを飲めば、君は僕のもの」
ぽとりとヒューの手のひらに一粒、黒い粒は落とされた。
東は温かいコーヒーを水筒から注ぎ、ヒューに手渡す。
「どうする?君が決めていい」
「飲む。でもコーヒーじゃなくて水がいい」
東はニヤリと笑い、ペットボトルに入った水をヒューに手渡した。
ヒューは丸薬をごくごくと水と飲み干し、ペットボトルから口を離した。
でろり。ヒューの皮膚がはがれ、真っ黒いうなぎのような肌が露出する。
「ヒュー、君はなんのモンスターかな?」
東が嬉しそうにどろどろのヒューを覗き込む。
東が頬に触れた瞬間、びりりと電撃が走った。
「――鯰(なまず)のモンスターか!かわいいね、僕は蚯蚓(みみず)」
東の全身の皮膚に切れ目が入り、その切れ目から蚯蚓のような触手を垂らした。
上半身を覆っていた白いシャツを脱ぐ。首、腹、胸、肩、背中……そこから蚯蚓のようなものが生えていた。
ヒューがじたばたと虹色の電撃を放ち、嫌がるが、東はお構いなしで抱き着き、絡みつく。
「おいしい、おいしい」
ヒューのただれた肌を触手たちが食べ、ヒューが嫌がる。
「このままだとドロドロだから、ホテルに行こうねえ~」
「殺してくれ!!!」
「君はもう死んでるよー。罪があふれて爛れちゃったねー。ちょっと浄化しようか。服脱いで」
東はタオルでヒューの全身を拭いてやり、なおも黒い液を噴出するヒューを横たわらせ、運転席に座り何かに火をつけた。
フランキンセンスのお香だ。
「!!! ぎゃああああああああ!!!」
「痛いねー、痛いねー。でも5分間くらいだけだからねー。もうちょっとしたら落ち着くと思うよー」
東は車を飛ばす。ヒューは車の中でのたうち回る。
シートをすべてビニールの合皮にしてよかったな、と東は思った。
死霊・ヒューと、死神・東だ。
東は真っ暗な車の中で、捕まえたばかりの悪霊のヒューにキスをしていた。
ヒューは通りすがりの学生たちの色彩感覚を奪う悪霊で、何人もの若者をうつ病にしてきた。
「罰として僕に組み敷かれてもらうからな」
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そっと触れる。冷たい。
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「これを飲んで。僕の部下にしてあげるよ」
「これは……?」
「死神の黒い血の丸薬だよ。これを飲めば、君は僕のもの」
ぽとりとヒューの手のひらに一粒、黒い粒は落とされた。
東は温かいコーヒーを水筒から注ぎ、ヒューに手渡す。
「どうする?君が決めていい」
「飲む。でもコーヒーじゃなくて水がいい」
東はニヤリと笑い、ペットボトルに入った水をヒューに手渡した。
ヒューは丸薬をごくごくと水と飲み干し、ペットボトルから口を離した。
でろり。ヒューの皮膚がはがれ、真っ黒いうなぎのような肌が露出する。
「ヒュー、君はなんのモンスターかな?」
東が嬉しそうにどろどろのヒューを覗き込む。
東が頬に触れた瞬間、びりりと電撃が走った。
「――鯰(なまず)のモンスターか!かわいいね、僕は蚯蚓(みみず)」
東の全身の皮膚に切れ目が入り、その切れ目から蚯蚓のような触手を垂らした。
上半身を覆っていた白いシャツを脱ぐ。首、腹、胸、肩、背中……そこから蚯蚓のようなものが生えていた。
ヒューがじたばたと虹色の電撃を放ち、嫌がるが、東はお構いなしで抱き着き、絡みつく。
「おいしい、おいしい」
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「このままだとドロドロだから、ホテルに行こうねえ~」
「殺してくれ!!!」
「君はもう死んでるよー。罪があふれて爛れちゃったねー。ちょっと浄化しようか。服脱いで」
東はタオルでヒューの全身を拭いてやり、なおも黒い液を噴出するヒューを横たわらせ、運転席に座り何かに火をつけた。
フランキンセンスのお香だ。
「!!! ぎゃああああああああ!!!」
「痛いねー、痛いねー。でも5分間くらいだけだからねー。もうちょっとしたら落ち着くと思うよー」
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