白鳥

あつし

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白鳥

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2500年×月△日。100人中90人は高齢者となったこの世界に、僕は生まれた。

中学1年生の僕の趣味はペットの犬と遊ぶことだ。犬の肌はカチカチで、関節を動かすとたまに「ウィーン」と音が鳴ったり、長く遊びすぎたりすると死んだように動かなくなる。しかし、僕の母や父よりなぜか温もりを感じた。

僕の1日は、目覚ましベッドが振動するところから始まる。そうして全自動食事ロボットに食べ物を口に詰め込まれ、真っ白な無機質な空間に夕方まで軟禁される。そこではモニターに映る人の話を聞く。いわゆる、「オンライン授業」というやつだ。これは古来から伝わる授業形態らしい。それが終わったら、少し散歩に出かける。ドアを開けると、心地よい風が吹いている。この世界は気温21.5℃、湿度50%に保たれている。最近では、昔は四季があったんじゃないか説なんてのが出てきているが、どうせカルト的な何かだろう。そんなことを考えていると、僕の携帯がなった。おじさんからだ。今からうちに来てほしいそうだ。5年前に、僕のおじさんは「いつか機械から自立した生活を送ってやる!」といい、仕事を辞めた飛んだ変わり者だ。そんなおじさんが僕は大好きだった。昔のことをよく教えてくれる。最近は昔流行った病気について教えてくれた。世界中でたくさんに人が死んだらしい。昔の人は貧弱で、しかもアホなようだ。なぜ対策をしなかったのだろう、(笑)
おじさんの家に着くと、おじさんは興奮気味にこう言った。「ついに昔の自然を復活させたぞ!」。僕は冗談半分に、「そうかいそうかい。ぜひ見せてほしいな」と言った。おじさんに地下に案内され、一つの扉を開いた。開いた瞬間、新鮮な光と、吸ったことにない空気を感じた。そこは見渡す限りの緑で、側には小川が流れ、見たことのない動物がいた。今では草一つ見つけたら国宝に認定され、一生不自由なく暮らしていける。そんな世界で、おじさんは自然を復活させたのだ。部屋を一通り見渡し、僕は一匹の鳥に惹かれた。「この鳥はなんて言うんだい?」「白鳥だよ。さっき卵を産んだばかりだ。」そうか!昔の鳥は卵を産むのか!とっさに僕は「その卵、一つください!」不意に出た言葉だった。するとおじさんは笑いながら、「いいだろう!しかし、このことは僕と君だけの秘密だぞ~」といい、卵をくれた。昔から生きているペットを飼うのが僕の夢だった。そこから僕は周りに卵の存在ががバレないように、興奮を噛み締めながら家に帰った。そこからの日々は、卵の様子を見るのが日課になっていた。暇さえあれば卵を覗く。そんな日々が1ヶ月経った。朝起きて卵を見ると、なんとひびが入っているではないか!卵も若干揺れている。もう生まれる直前なのは素人でもわかった。少しずつ、少しずつひびが増えていき、ついに雛が孵った。なんて神秘的な瞬間なんだろうか。この世界では感じることのできない温もりを感じた。僕は雛を見つめた。なぜ鳴かないのだろう。なぜ動かないのだろう。死んでしまったか?いや、さっきまでは動いていたはずだ。この胸騒ぎはなんだろう。。すると、ゆっくりと雛が動いて、こう言った。「これから、育てる上での注意事項を説明致します」
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