【完結】マギアアームド・ファンタジア

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

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謎の少女

36話 デゼルト砂漠

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 デゼルト砂漠。
 広大な砂漠と、朽ち果てた遺跡群の二局に分かれたフィールドで、砂漠の方は文字通りの不毛の地だが、遺跡群では多数の素材アイテムが隠されているとのこと。

 陽射しを遮る岩陰に備えた拠点に、アロウ、ルナ、カノラは順番に到達する。

「見るからに暑そうだな」

 アロウは岩陰の隙間から見える燦々とした蒼空と、揺らめく陽炎を見て、体感温度の上昇を感じる。

「いきなり暑いところはさすがに辛いと思いますし、まずは岩陰から探索していきましょうか」

 ルナの進言に、カノラも「そうしよっか」と頷いている。
 拠点の裏側へ続く坑道から、探索開始だ。

 この辺りは陽射しが遮られているおかげで、"死ぬような暑さ"では無いが、乾き切った砂や萎れたサボテンを見ると、否応なくここが砂漠であることを体感させられる。

 アロウ達が最初に踏み込んだエリアにいるのは、暑さから逃れてきたためか、黄土色のサソリ型の小型モンスター『スコルピオン』が二匹ほどうろついている。目算でも、人間から見て一抱えはあるほどに大きい。

「サソリか……もしかすると、何か毒を使ってくるかもしれないな」

 創作物やゲームでも、サソリ型のモンスターは総じて毒を使った攻撃を仕掛けてくることが多い。
 致死毒か、神経毒か、あるいは両方か。

「ど、毒?わたし、薬とか持ってないよ?」 

 毒を使ってくる可能性がある、というアロウの言葉に、カノラは不安げになる。

「あ、私が解毒ポーションをいくつか持ってます。でも、三個しかありませんね」

 用心した準備をしていたのか、ルナが解毒系のアイテムを持っているようだが、その数は少ない。

「下手に近付くよりは、引き撃ちしつつ戦う方がいいかもしれない」

 エナジーライフルを持ちつつ、アロウは射撃戦の構えを取る。
 ルナとカノラも同様に各々のライフルを取り出し、まだアロウ達の存在に気付いていないスコルピオンへ銃口を向ける。

「いっせーの、でいこう。……いっせーの、でっ!」

 アロウの号令を合図に、三人は二匹のスコルピオンに一斉射撃を仕掛ける。
 突然の攻撃に、スコルピオン二匹は慌てながらもアロウ達はに向き直る。
 銃弾や光弾が次々にスコルピオン二匹へ着弾するものの、防御力が高いのか、ゴブリンやラプタスと比較しても、怯みにくい。
 シャカシャカと多脚を忙しなく動かして、素早くアロウ達に接近してくるスコルピオン。

「固いな、射撃はあまり有効じゃないのか?」

 サソリ型モンスターだけあり、外殻はやや硬質なようだ。

「よし、俺が前に出る!」

 自ら囮役を買って出るアロウは、一度エナジーライフルをマウントラッチに納め、代わりにラプターサーベルを抜いて、近い方のスコルピオンへ自ら接近する。
 
「カノラさん、私達はもう一匹を」

「うんっ」

 アロウの動きを見て、ルナとカノラはすぐにもう一匹のスコルピオンへ射撃を継続し、アロウが挟み撃ちにされないように立ち回る。

「ハッ!」

 迫りくるスコルピオンに、アロウはラプターサーベルを振り抜く。
 スコルピオンの左鋏を捉えたが、やはり外殻は硬く、弾き返されはしなかったものの、斬り付けた感覚は鈍い。有効打にはなり得ていないだろう。
 左鋏を傷付けられながらもスコルピオンは尾を揺らし、その先端の毒針をアロウに突き刺そうとするが、毒針を警戒していたアロウはすぐにバックホバーして、尾の一撃を躱す。

 攻撃を当てる部位を選ばなくてはならない。

 それを念頭に置きつつ、アロウは再度肉迫を試みる。
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