31 / 60
31話 事を成すには時が要る
しおりを挟む
まずは部屋から掃除道具や関連消耗品を引っ張りだすところから始まった。
凪紗には必要不要なものの仕分けをしてもらう傍らで、誠は一心不乱に彼女の部屋を片付けては掃除していく。
そうして二時間が経ち――19時頃になり、もう辺りもとっくに暗くなった頃になって。
「状況終了」
フゥ、と誠は一息ついた。
「すごい……まるで私の部屋じゃないみたい」
汚部屋同然だった部屋は、まるで引っ越してきてばかりのようになっていた。
「時間無かったんで、かなり突貫作業でやりましたけど、二時間前よりは大分マシでしょう」
「これでも"マシ”なの?」
「本当ならあと三時間は使って、もっと掃除道具なんかも充実させたいところでしたけど」
「さ、さんじかん……」
「清掃業のバイトとかも経験あるんで、これくらいはまぁ」
万全の態勢で本気出したらこの部屋どうなっちゃうの、と凪紗はこの女子力フルスペック男子の底の見えなさに戦慄する。
「さて、掃除も済んだところでお暇させていただきますか……」
そう言って、脱いでいた上着を手に取ろうとした誠だったが、「待って」と凪紗は呼び止めた。
「今日の晩ごはん、出前取るよ。私が奢るから」
「え?」
「ここまでしてもらっといて、何もしないのはさすがに。と言うか奢らせてくださいお願いします」
手を合わせて頭まで下げる凪紗。
「は、はぁ、まぁそうまで頭下げられたら。出前って取るのすごい久しぶりなんで、最近のはどうなってるんですか?」
「『Youber Eats』のアプリから色々選べるよ」
凪紗はスマートフォンを手に取り、宅配アプリを開いてみせる。
「おぉ、スーパーとかコンビニとかからも選べるんですね」
「椥辻くんは、何が食べたい?君の好きでいいよ」
「俺が選んでいいんですか?じゃぁ、お言葉に甘えて……」
どれにするか少しだけ迷った末、銘店チェーンのラーメンを注文、凪紗の電子マネーで支払われ、ほどなくして宅配ドライバーからラーメンが届けられた。
はふはふずるずるとそれを啜る中。
「なんか、不思議だなぁ」
ふと、凪紗がそう呟いた。
「不思議?何がですか?」
何を不思議に思ったのか、誠は訊き返す。
「正直言うとね、私ってこれまでがこれまでだから、「男子なんてみんな同じ」って思ってたんだよね」
「はぁ」
凪紗のその気持ちは、誠にも分からないでもなかった。
学園では常日頃から"城塞攻略者”に付きまとわれて、学園の外でもストーカーの被害に遭いかけたりすれば、そのような偏見を持つのも已む無しだろう。
「そんな私が、男の子を何度も自分の部屋に招き入れて、しかもその内二回は食事も一緒にしてる。ちょっと前の私からしたら、信じられないし、有り得ないことだよね」
「俺も正直、"不攻不落の速水城塞”と食事どころか、こうして面と向かって話すことさえ出来ないだろうなって、思ってました」
ほんの数週間前まで、"不攻不落の速水城塞”は高嶺の花で、遠目から見ているだけで十分だったのに。
すると、凪紗は不愉快そうに目を細めた。
「……ねぇ、その速水城塞って言うのやめて。他の男子からはともかく、君からもそう言われるのは、なんか嫌だ」
「す、すみません」
いつの間にかこんなにも距離が縮まっていた。
「なんでだろうね、君には速水城塞としてじゃなくて、ちゃんと"私“として見てほしいって言うのかな」
「え、えぇと……それはつまり?」
「うーん、私にもよく分かんない」
凪紗も誠も、それを上手く言語化出来ない。
でもね、と凪紗は不快さを消して。
「椥辻くんとこうしているのは全然嫌じゃないし、むしろ嬉しい。ずっとこうしてたいなって思うくらい」
自然な笑みを浮かべる凪紗。
「ッ」
それに思わず見惚れてしまった誠は、手から箸をこぼし、カツカツツンとテーブルに落としてしまう。
「どうしたの?」
「あ、ゃ、なんでもないです」
慌てて箸を拾い直す誠に、凪紗はきょとんと目を丸くするばかり。
「(最近ちょっとずつ見慣れてきたとは言え、この笑顔は不意打ち過ぎる……っ!)」
内心の動揺を誤魔化すように「あぁそうです」と声を上げて、鞄のファスナーを開ける。
「これ、台本です。返すの忘れててすみません」
取り出したのは、今日の昼休みで凪紗が中庭に落としていった、演劇の台本。
しかし、当の凪紗は少し気まずそうに。
「あー……その、良かったら持ってていいよ?」
「え?でもこれが無いと困るんじゃ?」
「私、台本の内容全部覚えてるけど、念のためってことで他の人が台本コピーしてくれたの。だから、返さなくてもあんまり困らないんだ」
「そ、そうでしたか」
なら自分は今日は先輩の自宅を掃除して、ラーメンをご馳走になっただけか、と誠はなんとなく骨折り損感を覚えたが、
こうして凪紗との距離が縮まったのだから損ではないだろうと納得出来た。
ラーメンも食べ終えたところで、時刻は20時頃。結局今日も香美屋のバイトとそう変わらない時間になってしまった。
「じゃぁ先輩、そろそろお暇させていただきますね。ラーメン、ごちそうさまでした」
「いいよ、気にしないで。これくらいしか出来ること無いし。また学園……で、会うのはまずいから、香美屋でかな」
「そうですね、また香美屋で」
凪紗に見送られて、誠は足早にスーパーへ向かう。今日の夕食ではなく、明日の朝食と弁当の食材を買い込みに行くのだ。
「(あ、そう言えば先輩の"お礼”って……ラーメンのことじゃないよな?)」
ラーメンを奢ったのは、掃除をしてくれたことへの労いであり、それ以前のお礼とはまた別だろう。
あまり期待しすぎてもよくないな、と誠は"お礼”のことを意識から外した。
凪紗には必要不要なものの仕分けをしてもらう傍らで、誠は一心不乱に彼女の部屋を片付けては掃除していく。
そうして二時間が経ち――19時頃になり、もう辺りもとっくに暗くなった頃になって。
「状況終了」
フゥ、と誠は一息ついた。
「すごい……まるで私の部屋じゃないみたい」
汚部屋同然だった部屋は、まるで引っ越してきてばかりのようになっていた。
「時間無かったんで、かなり突貫作業でやりましたけど、二時間前よりは大分マシでしょう」
「これでも"マシ”なの?」
「本当ならあと三時間は使って、もっと掃除道具なんかも充実させたいところでしたけど」
「さ、さんじかん……」
「清掃業のバイトとかも経験あるんで、これくらいはまぁ」
万全の態勢で本気出したらこの部屋どうなっちゃうの、と凪紗はこの女子力フルスペック男子の底の見えなさに戦慄する。
「さて、掃除も済んだところでお暇させていただきますか……」
そう言って、脱いでいた上着を手に取ろうとした誠だったが、「待って」と凪紗は呼び止めた。
「今日の晩ごはん、出前取るよ。私が奢るから」
「え?」
「ここまでしてもらっといて、何もしないのはさすがに。と言うか奢らせてくださいお願いします」
手を合わせて頭まで下げる凪紗。
「は、はぁ、まぁそうまで頭下げられたら。出前って取るのすごい久しぶりなんで、最近のはどうなってるんですか?」
「『Youber Eats』のアプリから色々選べるよ」
凪紗はスマートフォンを手に取り、宅配アプリを開いてみせる。
「おぉ、スーパーとかコンビニとかからも選べるんですね」
「椥辻くんは、何が食べたい?君の好きでいいよ」
「俺が選んでいいんですか?じゃぁ、お言葉に甘えて……」
どれにするか少しだけ迷った末、銘店チェーンのラーメンを注文、凪紗の電子マネーで支払われ、ほどなくして宅配ドライバーからラーメンが届けられた。
はふはふずるずるとそれを啜る中。
「なんか、不思議だなぁ」
ふと、凪紗がそう呟いた。
「不思議?何がですか?」
何を不思議に思ったのか、誠は訊き返す。
「正直言うとね、私ってこれまでがこれまでだから、「男子なんてみんな同じ」って思ってたんだよね」
「はぁ」
凪紗のその気持ちは、誠にも分からないでもなかった。
学園では常日頃から"城塞攻略者”に付きまとわれて、学園の外でもストーカーの被害に遭いかけたりすれば、そのような偏見を持つのも已む無しだろう。
「そんな私が、男の子を何度も自分の部屋に招き入れて、しかもその内二回は食事も一緒にしてる。ちょっと前の私からしたら、信じられないし、有り得ないことだよね」
「俺も正直、"不攻不落の速水城塞”と食事どころか、こうして面と向かって話すことさえ出来ないだろうなって、思ってました」
ほんの数週間前まで、"不攻不落の速水城塞”は高嶺の花で、遠目から見ているだけで十分だったのに。
すると、凪紗は不愉快そうに目を細めた。
「……ねぇ、その速水城塞って言うのやめて。他の男子からはともかく、君からもそう言われるのは、なんか嫌だ」
「す、すみません」
いつの間にかこんなにも距離が縮まっていた。
「なんでだろうね、君には速水城塞としてじゃなくて、ちゃんと"私“として見てほしいって言うのかな」
「え、えぇと……それはつまり?」
「うーん、私にもよく分かんない」
凪紗も誠も、それを上手く言語化出来ない。
でもね、と凪紗は不快さを消して。
「椥辻くんとこうしているのは全然嫌じゃないし、むしろ嬉しい。ずっとこうしてたいなって思うくらい」
自然な笑みを浮かべる凪紗。
「ッ」
それに思わず見惚れてしまった誠は、手から箸をこぼし、カツカツツンとテーブルに落としてしまう。
「どうしたの?」
「あ、ゃ、なんでもないです」
慌てて箸を拾い直す誠に、凪紗はきょとんと目を丸くするばかり。
「(最近ちょっとずつ見慣れてきたとは言え、この笑顔は不意打ち過ぎる……っ!)」
内心の動揺を誤魔化すように「あぁそうです」と声を上げて、鞄のファスナーを開ける。
「これ、台本です。返すの忘れててすみません」
取り出したのは、今日の昼休みで凪紗が中庭に落としていった、演劇の台本。
しかし、当の凪紗は少し気まずそうに。
「あー……その、良かったら持ってていいよ?」
「え?でもこれが無いと困るんじゃ?」
「私、台本の内容全部覚えてるけど、念のためってことで他の人が台本コピーしてくれたの。だから、返さなくてもあんまり困らないんだ」
「そ、そうでしたか」
なら自分は今日は先輩の自宅を掃除して、ラーメンをご馳走になっただけか、と誠はなんとなく骨折り損感を覚えたが、
こうして凪紗との距離が縮まったのだから損ではないだろうと納得出来た。
ラーメンも食べ終えたところで、時刻は20時頃。結局今日も香美屋のバイトとそう変わらない時間になってしまった。
「じゃぁ先輩、そろそろお暇させていただきますね。ラーメン、ごちそうさまでした」
「いいよ、気にしないで。これくらいしか出来ること無いし。また学園……で、会うのはまずいから、香美屋でかな」
「そうですね、また香美屋で」
凪紗に見送られて、誠は足早にスーパーへ向かう。今日の夕食ではなく、明日の朝食と弁当の食材を買い込みに行くのだ。
「(あ、そう言えば先輩の"お礼”って……ラーメンのことじゃないよな?)」
ラーメンを奢ったのは、掃除をしてくれたことへの労いであり、それ以前のお礼とはまた別だろう。
あまり期待しすぎてもよくないな、と誠は"お礼”のことを意識から外した。
20
あなたにおすすめの小説
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?
藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。
結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの?
もう、みんな、うるさい!
私は私。好きに生きさせてよね。
この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。
彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。
私の人生に彩りをくれる、その人。
その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。
⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。
⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。
初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺
NOV
恋愛
俺の名前は『五十鈴 隆』 四十九歳の独身だ。
俺は最近、リストラにあい、それが理由で新たな職も探すことなく引きこもり生活が続いていた。
そんなある日、家に客が来る。
その客は喪服を着ている女性で俺の小・中学校時代の大先輩の鎌田志保さんだった。
志保さんは若い頃、幼稚園の先生をしていたんだが……
その志保さんは今から『幼稚園の先生時代』の先輩だった人の『告別式』に行くということだった。
しかし告別式に行く前にその亡くなった先輩がもしかすると俺の知っている先生かもしれないと思い俺に確認しに来たそうだ。
でも亡くなった先生の名前は『山本香織』……俺は名前を聞いても覚えていなかった。
しかし志保さんが帰り際に先輩の旧姓を言った途端、俺の身体に衝撃が走る。
旧姓「常谷香織」……
常谷……つ、つ、つねちゃん!! あの『つねちゃん』が……
亡くなった先輩、その人こそ俺が大好きだった人、一番お世話になった人、『常谷香織』先生だったのだ。
その時から俺の頭のでは『つねちゃん』との思い出が次から次へと甦ってくる。
そして俺は気付いたんだ。『つねちゃん』は俺の初恋の人なんだと……
それに気付くと同時に俺は卒園してから一度も『つねちゃん』に会っていなかったことを後悔する。
何で俺はあれだけ好きだった『つねちゃん』に会わなかったんだ!?
もし会っていたら……ずっと付き合いが続いていたら……俺がもっと大事にしていれば……俺が『つねちゃん』と結婚していたら……俺が『つねちゃん』を幸せにしてあげたかった……
あくる日、最近、頻繁に起こる頭痛に悩まされていた俺に今までで一番の激痛が起こった!!
あまりの激痛に布団に潜り込み目を閉じていたが少しずつ痛みが和らいできたので俺はゆっくり目を開けたのだが……
目を開けた瞬間、どこか懐かしい光景が目の前に現れる。
何で部屋にいるはずの俺が駅のプラットホームにいるんだ!?
母さんが俺よりも身長が高いうえに若く見えるぞ。
俺の手ってこんなにも小さかったか?
そ、それに……な、なぜ俺の目の前に……あ、あの、つねちゃんがいるんだ!?
これは夢なのか? それとも……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
