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38話 計算か、それとも衝動か
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突如、台本に無い台詞を言い出した凪紗に、誠はおろか、舞台袖に控えている生徒も、第一、第二公演を見ていたリピーターの観客も困惑した。
まさか、凪紗が台詞を忘れてしまったのか。
しかし既に本番である以上、カットするわけにもいかない。
「私が何も言わなくても、あなたはいつも私が望んでいることをしてくれる」
「(速水、先輩……?)」
「それは、どうして?」
「(これは、アドリブ?いや、こんな場面でアドリブする理由が無い……)」
「私は、まだあなたに何も返せていないのに。一方的に施しを受けていることをよしとしているだけの、厚かましい女なのに」
沈黙の中で放たれる凪紗の独白に、誠は言葉を返せない。
「ちょ、ちょっと速水さん、一体どうしたんだ……?」
舞台袖に控えている男子生徒は、小声で梨央に声をかけた。
こんな展開は、台本には無いはずなのに。
「私に訊かれても知らないわよ……」
知らないとは言った梨央だが、彼女は凪紗の突然のアドリブに心当たりがあった。
「(前々から兆候が見られるとは思ってたけど……まさか、この場でそれをぶちまけるつもりじゃないでしょうね……)」
下手をすると、ここまでの綱渡りが全て台無しになりかねない。
けれど、あとはもうフレデリック役たる誠のアドリブに全てをかけるしか無いのだ。
「今日、今この時になってようやく分かった。この間から感じていたモヤモヤや苛立ち、それをどうして感じるのか。他の誰かではない、どうしてあなたともっと一緒にいたいと思うのかを」
「ア、クア……私は」
誠は相槌を打つように、しかしその続きを促すようにアドリブする。
そして、
「私……速水凪紗は、あなたのことが、好き……好きなの!」
その告白を、正面から叩き込まれた誠は。
「(これ、演技か……?いや、もしかして演技じゃない?え、でも、速水先輩が俺のことを、好き?バカな、そんなはずが……)」
ない、と思い切れない。
これまでに、凪紗と接していく内に、それらしい兆候はいくつもあった。
しかし「そうかもしれない」と言う期待よりも、「そうではないだろう」と言う理性の方が強かった。
何せ彼女は、"不攻不落の速水城塞“。
これまでに何十……いや学園の外も含めれば何百人ものの男を踏み潰してきた彼女が、自分ごときを好きになる理由が見つからない。
……あるとすれば、炊事や掃除やらで貢献したことかもしれないが。
だからと言って、それだけで心が傾くものだろうか?
「…………フレデリック様は?」
「ッ」
そうだ、今はまだ演劇の……もはや演劇の体を成しているかどうか些か怪しいが、彼女の告白を受けた以上は、それに対する返事が必要だ。
しかも、今は仮にも演劇の最中だ、ここで一旦保留にするわけにはいかない、ある意味でハメられたのかもしれない。
「(もし……これが速水先輩の、本心だとしたら)」
だと、したら。
固唾を飲み込み、一度意図的に呼吸を入れ換え――今日まで凪紗と接してきた日々をリフレインする。
"不攻不落の速水城塞“と呼ばれ恐れられていた彼女は、放課後に小さな喫茶店でひっそりと過ごしていた。
実は一人暮らしで、しかも家事がまともに出来なくて、値引き物ばかり買っていたことには驚きはしたが。
渉は「寄せ付けないオーラがすげぇ」と言っていたが、見てみれば隙だらけでドジなところも多くて、なんだか放っておけなくて。
存外ポンコツなのかと思えば、演劇の練習は尋常ではない"力“を見せ、彼女が元来ストイックで苛烈な人間であることを思い直されたり。
彼女が時折見せる笑顔に、心を揺さぶられることも少なくなかった。
そんな凪紗に振り回されるような日々は決して煩わしいものではなくて。
振り回されているのに、放っておけない、それを煩わしく思えない、不思議な人だ。
気が付けば彼女のことを思い浮かべ、彼女と目が合えば意識してしまい、彼女と話していると心が躍る。
「(あぁ、俺は……この人のことが)」
そうして、確信する。
今は演劇の途中であることも、考慮して。
「――俺も、あなたのことが好きだ。速水先輩、どうか俺と、添い遂げてほしい」
「ッ……なぎ、フレデリック様っ!」
一瞬、演技であることを忘れたのか、凪紗は誠の名字を口走りかけて、すぐに訂正し、
最後のキスシーンへと移る。
当然、演技の都合上、キスはフリであるのだが、観客からはそう見えるようなポジショニングで行われる。
そんな中で、
「……キス、ほんとにする?」
誠にしか聞こえない小声で、凪紗はそう囁く。
「ッ!」
悪魔の囁きとはまさにこれか。
今この場なら、演技に託つけて凪紗にキスすることだって出来る。
けれど、
「先輩、そう言うのはズルです」
鋼の精神で悪魔の囁きを振り払う誠。
「……そっか」
心なしか凪紗の声がちょっと残念そうだったが。
最後は台本通りに、キスのフリをして。
ナレーションによるエピローグと共に、ハッピーエンド。
閉幕と同時に、第一、第二公演とは比較にならないほどの、万雷の拍手が轟いた。
まさか、凪紗が台詞を忘れてしまったのか。
しかし既に本番である以上、カットするわけにもいかない。
「私が何も言わなくても、あなたはいつも私が望んでいることをしてくれる」
「(速水、先輩……?)」
「それは、どうして?」
「(これは、アドリブ?いや、こんな場面でアドリブする理由が無い……)」
「私は、まだあなたに何も返せていないのに。一方的に施しを受けていることをよしとしているだけの、厚かましい女なのに」
沈黙の中で放たれる凪紗の独白に、誠は言葉を返せない。
「ちょ、ちょっと速水さん、一体どうしたんだ……?」
舞台袖に控えている男子生徒は、小声で梨央に声をかけた。
こんな展開は、台本には無いはずなのに。
「私に訊かれても知らないわよ……」
知らないとは言った梨央だが、彼女は凪紗の突然のアドリブに心当たりがあった。
「(前々から兆候が見られるとは思ってたけど……まさか、この場でそれをぶちまけるつもりじゃないでしょうね……)」
下手をすると、ここまでの綱渡りが全て台無しになりかねない。
けれど、あとはもうフレデリック役たる誠のアドリブに全てをかけるしか無いのだ。
「今日、今この時になってようやく分かった。この間から感じていたモヤモヤや苛立ち、それをどうして感じるのか。他の誰かではない、どうしてあなたともっと一緒にいたいと思うのかを」
「ア、クア……私は」
誠は相槌を打つように、しかしその続きを促すようにアドリブする。
そして、
「私……速水凪紗は、あなたのことが、好き……好きなの!」
その告白を、正面から叩き込まれた誠は。
「(これ、演技か……?いや、もしかして演技じゃない?え、でも、速水先輩が俺のことを、好き?バカな、そんなはずが……)」
ない、と思い切れない。
これまでに、凪紗と接していく内に、それらしい兆候はいくつもあった。
しかし「そうかもしれない」と言う期待よりも、「そうではないだろう」と言う理性の方が強かった。
何せ彼女は、"不攻不落の速水城塞“。
これまでに何十……いや学園の外も含めれば何百人ものの男を踏み潰してきた彼女が、自分ごときを好きになる理由が見つからない。
……あるとすれば、炊事や掃除やらで貢献したことかもしれないが。
だからと言って、それだけで心が傾くものだろうか?
「…………フレデリック様は?」
「ッ」
そうだ、今はまだ演劇の……もはや演劇の体を成しているかどうか些か怪しいが、彼女の告白を受けた以上は、それに対する返事が必要だ。
しかも、今は仮にも演劇の最中だ、ここで一旦保留にするわけにはいかない、ある意味でハメられたのかもしれない。
「(もし……これが速水先輩の、本心だとしたら)」
だと、したら。
固唾を飲み込み、一度意図的に呼吸を入れ換え――今日まで凪紗と接してきた日々をリフレインする。
"不攻不落の速水城塞“と呼ばれ恐れられていた彼女は、放課後に小さな喫茶店でひっそりと過ごしていた。
実は一人暮らしで、しかも家事がまともに出来なくて、値引き物ばかり買っていたことには驚きはしたが。
渉は「寄せ付けないオーラがすげぇ」と言っていたが、見てみれば隙だらけでドジなところも多くて、なんだか放っておけなくて。
存外ポンコツなのかと思えば、演劇の練習は尋常ではない"力“を見せ、彼女が元来ストイックで苛烈な人間であることを思い直されたり。
彼女が時折見せる笑顔に、心を揺さぶられることも少なくなかった。
そんな凪紗に振り回されるような日々は決して煩わしいものではなくて。
振り回されているのに、放っておけない、それを煩わしく思えない、不思議な人だ。
気が付けば彼女のことを思い浮かべ、彼女と目が合えば意識してしまい、彼女と話していると心が躍る。
「(あぁ、俺は……この人のことが)」
そうして、確信する。
今は演劇の途中であることも、考慮して。
「――俺も、あなたのことが好きだ。速水先輩、どうか俺と、添い遂げてほしい」
「ッ……なぎ、フレデリック様っ!」
一瞬、演技であることを忘れたのか、凪紗は誠の名字を口走りかけて、すぐに訂正し、
最後のキスシーンへと移る。
当然、演技の都合上、キスはフリであるのだが、観客からはそう見えるようなポジショニングで行われる。
そんな中で、
「……キス、ほんとにする?」
誠にしか聞こえない小声で、凪紗はそう囁く。
「ッ!」
悪魔の囁きとはまさにこれか。
今この場なら、演技に託つけて凪紗にキスすることだって出来る。
けれど、
「先輩、そう言うのはズルです」
鋼の精神で悪魔の囁きを振り払う誠。
「……そっか」
心なしか凪紗の声がちょっと残念そうだったが。
最後は台本通りに、キスのフリをして。
ナレーションによるエピローグと共に、ハッピーエンド。
閉幕と同時に、第一、第二公演とは比較にならないほどの、万雷の拍手が轟いた。
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