星の王〜能力覚醒で無双開始。もう遅いなんて事ないから首を洗って待ってろよ殺してやるからな。

草間保浩

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第六十話

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 ハルメニで人違いにより衛兵に囲まれていたセナ達を助けたのは、にっくき神聖騎士の一人であるロミナだった。
 ロミナは人違いのお詫びということでセナ達に街を案内し、その後夕食に招待、そのままロミナの家で一泊することに。
 宿敵である神聖騎士であるロミナの家で、セナ達は正体を見抜かれずに過ごせるのか!


「広い家ですね。」
「ああ、一人暮らしだと持て余す。かといってほかの教徒は畏まって来てくれないからな。」

 ロミナの家はもう見飽きた豪邸で、空き部屋なんて十個以上ありそうだった。
その中でも食堂と寝室以外には私物すら置いていないらしく、ロミナはごく一部のエリアでしか生活していないらしい。

「数日に一度、掃除人が入っているから綺麗だと思う。もし何かあったら言ってくれ。館内は自由に見てくれて構わない。」
「何から何までありがとうございます。」
「構わんさ。にぎやかになって良い。」

 一旦荷物を貸し与えられた部屋に置くことにしたセナ達は、ロミナに案内された部屋に向かう。
 一人一つの部屋を当ててもらい、それぞれが荷物の整理を始める。

「夕食は7時からだ。それまでに食堂に来てくれればあとは自由にしてくれ。」
「はい。」

 ロミナに感謝を伝えつつ、セナは自分の部屋で荷物の中から着替えやらを取り出しつつ、来客を待った。

 時計を見ると今はまだ4時。夕食まで時間はある。
それを確認したのと同時に、扉が叩かれる。

「入るわよ。」

 聞こえたのはユゥリの声。
気配から察するに、他の二人も一緒のようだ。

 セナは三人を部屋に招き、緊急会議を開く。
もちろん、遮音のための【結界】も張っている。

「マズい……」
「そうね。マズいわ。」
「大変なことになってしまいました。」
「?なんで?神聖騎士なんて身分の人にお世話になるなら良くない?」

 セナ達の道程を知らないラングだけが、現状の危険性を理解しておらず。それ以外の三人の表情は暗いを通り越してお通夜状態だ。

「ラング、俺は前のその更に前に住んでいた街を神聖騎士に焼かれた。」
「!そんなことがあったのか!?」
「ああ、その時に神聖騎士を四人ほど殺している。つまり、神聖教は俺達の敵だ。」

 ラングには機会が無くて話していなかったことを話す。
奴隷である以上守秘義務のようなものがあるラングは、とにかく黙って聞くしかない。

「ということで、ロミナには悟られないよう頼む。あいつにバレたら殺さないといけなくなる。」
「てか、あの女が敵だって知った段階で深く関わらなければよかったのよ。なのにあんな鼻の下伸ばしちゃって。ふんっ」
「今度からは私達がどうにか回避させないと、セナ様は節操がありませんからね。」

 二人から有言の圧を感じて縮こまるセナ。
そのモノ申し自体には正当性しかなかったため、セナは黙ってお叱りを受けるだけだった。

「事情は分かったが、それなら早めにここを離れるよな?」
「ああ、それをどうしようかも相談したかったんだ。あまり早く離れると怪しまれるかもしれない。そこの塩梅について詰めたい。」
「一番丸いのは、誤解の原因である女四人のパーティを捕まえることですか。」
「ああ、関係性も無い完全な誤解だと判明すれば、きっと円満に別離できるはずだ。」

 しかし、その材料が無さすぎる。
セナ達はその女たちの名前も人相も知らないのだから、手がかりはゼロだ。

「多分だが、ロミナが俺達を泊めている主な理由は、監視だ。」
「やはり、まだ疑いは晴れていないと。」
「ああ、何しろ完全に身元不明者四人組だ。問題行動を起こさせないためには牽制を含めて目の届く場所に置いておく必要があるんだろう。」

 ロミナの態度を見て感じたセナの率直な感想。
少なくとも、見た目通りの友好的な印象は薄かった。

「自由と言われても、あまり好き勝手しては目をつけられる。できるだけ大人しく穏便に生活して、トラブルも極力避けるべきだ。」
「一番の心配はセナ様ですけどね。」
「だな。」
「そうね。」

 最後にベルがオチをつけたことで、緊急会議は何事もなく終わった。

◇◆◇
 
「……セナよ。部屋に結界を張っていたな。」
「っ!!」

 夕食の時間になり、言われた通りに食堂に来たセナにロミナは深刻そうに告げる。
 まさか、密会の内容が聞かれたのかと警戒心を強くすると

「セナ、その、君が年頃の男というのはわかっているが、その、もう少し節度というものをだな。」
「……え?」
「いや、ユゥリ殿と夫婦であるとは聞いていたが、できれば時間を……その、えっと」

 もじもじと顔を赤らめながらそう言ってくるロミナに、昼間のような威厳はなく、何度も言葉に詰まりながらも

「だからっ!せめて”営み”は夜になるまで待ってから!」
「あの、多分想像していることはやってませんよ。」
「……えっ!?」

 声を上げたロミナは、なんとなく誤解であることを理解したセナの素っ気ない返事に一拍置いて驚く。
 確かに、年頃の男女が防音結界を張った部屋で……そう考えるとその可能性も有り得ることだが。

「ロミナさんは想像力が豊かですね。」
「———ッ!!失礼した!!」

 机にぶつけんばかりの勢いで頭を下げたロミナをなだめつつ、夕食はつつがなく進行し、セナ達はロミナの手料理に舌鼓を打った。
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