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第七十七話
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魔王四天王、水天のアクアを倒したセナ達は、ゴリラたちに問い詰めるよりも先に、この街から逃亡することを優先した。
先ほどのアクアとの闘いは決着こそ簡単についたように見えたが、実際はギリギリの戦いで、どこかで選択をミスすれば誰か、もしくは全員が負けて死んでいてもおかしくない相手だった。
その事実を胸に刻み、今後の動きについて話し合う。
「ところで、食料品とかはどうするんだい?」
「G、お前は本当に空気が読めないな。」
「そうよ、魔物を食べるくらいの気合が必要よ。」
「え、それはさすがにお腹を壊しますよ。」
「食える魔物もいるみたいだけどな。」
会議というよりは和気藹々な雑談になってしまった。
道はかなり長い、次の街についても、食料を調達できるとは限らない。
というよりは、あんな辺境の街にも四天王が来たということは、情報網がしっかりしているということ。
「どうしたの?そんな深刻そうな顔をして」
「深刻な状況だなって思って。」
「別にそんなことないわよ。」
「え?」
「もしかして気づいてないの?」
ユゥリとの会話に違和感。
しかも、雰囲気からしてセナだけがその何かに気づいていないらしい。
「【異空箱】での転移はセナが発見したんじゃない。それを魔王のいる場所までぶん投げたら、すぐに到着できるわよ。」
「……!?」
【異空箱】はなんでも入れられる箱を出すスキル。
そして、セナ達は全員が強くそれを集結させられるスキルもあり、最大筋力ははかり知れない。
「飛んでいる最中に箱から出れば、地面と衝突して壊れるような心配もないでしょ?」
「……!?」
「箱はいくらでも召喚できるんですから、いざという時の脱出にも使えますよ。」
「!?」
「ま、今は壊れてるけど、スキル由来のものだからそう長く壊れたままということは無いだろうぜ。」
「!?」
「中身を確認すれば、箱と中身の状態も分かるからね!」
「!?」
次々と解決する問題に、セナは驚きを隠せない。
もうずっと驚くだけのリアクションだけをしているセナ。
「だから、今すぐにでも魔王のところに突撃できるってわけ。どう?覚悟はある?」
「……」
四天王の一人であの強さ。
残りの三人もいて、魔王とも戦うことになる。
みんな、ステータスもスキルも分配して、どんな相手でも負けることはない状態(G以外)だ。
「俺だけで行く。」
「……なんで?」
「お前たちを危険な目に遭わせたくなくなった。」
「なくなった?」
変な言い回しをするセナに、ユゥリが聞き返す。
「魔王をみんなで倒すつもりだったけど、魔王の殺意が本気だったし、四天王も強くて日和ってる。全員無事な保障が無いってことがはっきりわかったから、最低ラインの能力だけ回収して単独で挑む方がいい。」
思っていることを包み隠さず吐き出す。
こういうときには隠した方がユゥリは怒るということをセナは知っている。
だから、できるだけ自分の気持ちをそのままユゥリに伝える。
「……そう。」
ユゥリは何も言わない。
問いただすこともせず、責めることもない。
ここまで言い切ったセナが説得で曲がらないというのは、長くない付き合いでもわかっているから。
「……」
「あ、ちなみに僕は同行してもいいかな?」
「……まぁ」
「よっしゃ!」
無邪気にはしゃいでいるGだが、それは心配されていないだけと気づいていないのだろうか。
◇◆◇
翌日の正午きっかり
【異空箱】遠投作戦を結構するため、セナはみんなから最低限の能力を回収する。
今までの3倍程度は強くなるステータス。
筋力に補正を掛ける強化魔法を使い、人生一の渾身投球を狙う。
ッッバビュウッ!!
空気の層をいくつも突き破るような音が響き、ソニックウェーブで砂埃が舞う。
1秒もしないうちに投げた【異空箱】は遠くに消え、見えなくなった。
次に、手元に用意した【異空箱】の2号に入り込む。
見た目の入り口には関係なく、どんなものでも入るのが【異空箱】の特徴。
昼と夜の点在する白とも赤とも黄とも青ともわからない空間を抜け、1号の口に向かう。
『頑張ってくれ。きっと君なら』
ふと、なんでも聞こえるのに何も聞こえないはずの空間にそんな言葉のような意思が流れ込んでくる。
「ぶふっ」
ビキビキと変な音が体から聞こえる。
異空箱の異空に体が圧迫されているのもあるが、芯の原因は別にある。
「大丈夫だ。」
【異空箱】1号から顔を出す。
そこはまるで幻想。
噂に聞いていた砂漠の中の国などではない、まるで未来の姿のような理想郷がそこにあった。
先ほどのアクアとの闘いは決着こそ簡単についたように見えたが、実際はギリギリの戦いで、どこかで選択をミスすれば誰か、もしくは全員が負けて死んでいてもおかしくない相手だった。
その事実を胸に刻み、今後の動きについて話し合う。
「ところで、食料品とかはどうするんだい?」
「G、お前は本当に空気が読めないな。」
「そうよ、魔物を食べるくらいの気合が必要よ。」
「え、それはさすがにお腹を壊しますよ。」
「食える魔物もいるみたいだけどな。」
会議というよりは和気藹々な雑談になってしまった。
道はかなり長い、次の街についても、食料を調達できるとは限らない。
というよりは、あんな辺境の街にも四天王が来たということは、情報網がしっかりしているということ。
「どうしたの?そんな深刻そうな顔をして」
「深刻な状況だなって思って。」
「別にそんなことないわよ。」
「え?」
「もしかして気づいてないの?」
ユゥリとの会話に違和感。
しかも、雰囲気からしてセナだけがその何かに気づいていないらしい。
「【異空箱】での転移はセナが発見したんじゃない。それを魔王のいる場所までぶん投げたら、すぐに到着できるわよ。」
「……!?」
【異空箱】はなんでも入れられる箱を出すスキル。
そして、セナ達は全員が強くそれを集結させられるスキルもあり、最大筋力ははかり知れない。
「飛んでいる最中に箱から出れば、地面と衝突して壊れるような心配もないでしょ?」
「……!?」
「箱はいくらでも召喚できるんですから、いざという時の脱出にも使えますよ。」
「!?」
「ま、今は壊れてるけど、スキル由来のものだからそう長く壊れたままということは無いだろうぜ。」
「!?」
「中身を確認すれば、箱と中身の状態も分かるからね!」
「!?」
次々と解決する問題に、セナは驚きを隠せない。
もうずっと驚くだけのリアクションだけをしているセナ。
「だから、今すぐにでも魔王のところに突撃できるってわけ。どう?覚悟はある?」
「……」
四天王の一人であの強さ。
残りの三人もいて、魔王とも戦うことになる。
みんな、ステータスもスキルも分配して、どんな相手でも負けることはない状態(G以外)だ。
「俺だけで行く。」
「……なんで?」
「お前たちを危険な目に遭わせたくなくなった。」
「なくなった?」
変な言い回しをするセナに、ユゥリが聞き返す。
「魔王をみんなで倒すつもりだったけど、魔王の殺意が本気だったし、四天王も強くて日和ってる。全員無事な保障が無いってことがはっきりわかったから、最低ラインの能力だけ回収して単独で挑む方がいい。」
思っていることを包み隠さず吐き出す。
こういうときには隠した方がユゥリは怒るということをセナは知っている。
だから、できるだけ自分の気持ちをそのままユゥリに伝える。
「……そう。」
ユゥリは何も言わない。
問いただすこともせず、責めることもない。
ここまで言い切ったセナが説得で曲がらないというのは、長くない付き合いでもわかっているから。
「……」
「あ、ちなみに僕は同行してもいいかな?」
「……まぁ」
「よっしゃ!」
無邪気にはしゃいでいるGだが、それは心配されていないだけと気づいていないのだろうか。
◇◆◇
翌日の正午きっかり
【異空箱】遠投作戦を結構するため、セナはみんなから最低限の能力を回収する。
今までの3倍程度は強くなるステータス。
筋力に補正を掛ける強化魔法を使い、人生一の渾身投球を狙う。
ッッバビュウッ!!
空気の層をいくつも突き破るような音が響き、ソニックウェーブで砂埃が舞う。
1秒もしないうちに投げた【異空箱】は遠くに消え、見えなくなった。
次に、手元に用意した【異空箱】の2号に入り込む。
見た目の入り口には関係なく、どんなものでも入るのが【異空箱】の特徴。
昼と夜の点在する白とも赤とも黄とも青ともわからない空間を抜け、1号の口に向かう。
『頑張ってくれ。きっと君なら』
ふと、なんでも聞こえるのに何も聞こえないはずの空間にそんな言葉のような意思が流れ込んでくる。
「ぶふっ」
ビキビキと変な音が体から聞こえる。
異空箱の異空に体が圧迫されているのもあるが、芯の原因は別にある。
「大丈夫だ。」
【異空箱】1号から顔を出す。
そこはまるで幻想。
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