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第50話 本当なら争っている場合じゃない
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よし、中央ルートは殲滅完了だ。
普通の流れならあとは部屋奥にあるダンジョンコアを破壊すればいい。
「す、すまない、助かったよ」
「いや、礼には及ばないよ。これが俺達の役目だしさ」
「そ、そうだよな、いがみ合う方がおかしいんだよな……本当にすまない」
「五位のメンバーから頼まれてもいたしね。昔の仲間を助けてやってくれって」
「彼等がそんな事言っていたのね……みんな、心配してくれてたんだ」
一位のメンバー達もそこまで好戦的って訳でもなさそうだ。
こうやって頭も下げてくれている辺り、いい人達ではあるんだろうな。
「じゃあ早くダンジョンコアを破壊して撤収しないと――」
「いや、待ってくれ。まだコアは破壊しない方がいい」
「え?」
おっと、だけどコアを今破壊される訳にはいかない。
俺達にはこのダンジョンでやらなければならない事がまだまだあるのだから。
「人質がまだ一人しか救助できていないんだ。おそらく残るすべての人質は右ルートに集められているんだと思う。奴らは人質を有効利用する術も持ち合わせているし、相当な苦戦を強いられているはずだ」
「な、なんだって!?」
「それに入口の子も蘇生しないとだしね!」
「そ、蘇生!? そ、そんな事が本当にできるのか!?」
「ああ。だからまだ時間が欲しい。それに戦力も。今頃は二位三位も合流していると思うけど、それでも正面からのぶつかり合いで勝てるかどうかも怪しいから」
右ルートを制圧し、人質の探索と救助をしなければいけない。
けどコアを破壊すれば三〇分という時間制限が発生して、達成が困難になってしまう。
そうならないためにも今はコアを放っておくのが一番だ。
「だから頼む、無事な奴は力を貸して欲しい」
「!?」
「この戦いでこれ以上の被害者を生まないためにも!」
そして人手も欲しいからこそ俺も頭を下げる。
匠美さん達や東北チームもそうだけど、四位五位だって助けたいから。
俺は誰にも、深い傷を負ったまま帰って欲しくない。
「そ、そうだな。僕達もまだ戦える」
「そうよ、私達だってトップスなんだから」
「なら無事な俺達だけでも戦おうぜ!」
「じゃあその前にケガした人を治さないとな」
「回復ならあたしにまっかせてよー!」
しかし彼等のヒーラーはすでに大ケガを負ってしまっているようだ。
オークが狡猾だったから真っ先に狙われたんだろう。
なら戦力は落ちると思うが、つくしの出番だな。
「えへへー、こんな時のために範囲大回復魔法を覚えました!」
「範囲回復だって!?」
「よしケガ人をここへ集めよう」
「もしかして遥様も? あなた達と対決しているのに……」
「当然だろ。怪我しているなら治さないと」
「連れてきたぞ!」
「よぉし、それじゃあいっくよー! 【範囲上級回癒術】!」
おお、本当に範囲回復魔法を使えている。
でもさりげなく範囲外に出ておく事にしよう。怖いから。
お、やるなぁつくし。みんなのケガがみるみる治っていくぞ。
しかも軽傷だった人は副作用が無いみたいだ。
「ひっぎぃぃぃ!? お腹がいったぁぁぁあい!!!」
「うっげぇぇぇ! 腹が、腹がぁぁぁぁ!!?」
「あー安心して出口まで走っていいからねーもう敵はいないと思うから。お帰りはあちらでーす」
「「「ひぃぃいいいん!!?」」」
あ、彼等の仲間が次々の気絶から復帰した。
ほんと飛び起きるくらい痛いんだな、副作用。
「い、一体なんだったの今の!? えええ~!?」
「あー、つくしの治癒魔法って強力だけど副作用があるんだよ。極度の腹痛になるっていうさ」
「「「ええ~~~……」」」
さすがトップスでもつくしのよくわからない副作用は認知していなかったらしい。
うん、この反応がもう懐かしいよ。
ほんの二週間前に知ったばかりの事なのにな。
「ふ、ふざけた事を……冗談じゃ、ありませんわ……!」
「ん? あれ、お前腹痛は?」
「!? こ、こんな痛みなどわたくしにかかれば有って無いようなものですわよ!」
「そういう割には膝がすごい笑ってるけど?」
「う、うるさいですわーっ!」
しかしまさか司条遥がこの副作用に耐えるなんて。すごい精神力だ。
実は痛みってそれほどでもないのか? あるいは傷が浅かったとか。
あ、でも脂汗がすごいし表情筋がバッキバキに浮き出てる。
むっちゃくちゃ無理してる顔だこれ。
「ま、まぁいいや。よし、右ルートを援護しにいこう」
「まままちなさい! あなた達はわたくしを援護しつつ一旦外へ出ますわよ!」
「「「ッ!?」」」
「何を言ってるんだ司条! まずは残った仲間の援護を――」
「知った事ではありませんわ!」
「何っ!?」
だが相変わらずだ。
相変わらずコイツは人の話をききやしない。
それどころか自分を守る事ばかりで……!
まぁた面倒な事になりそうだぞ、これは……!
普通の流れならあとは部屋奥にあるダンジョンコアを破壊すればいい。
「す、すまない、助かったよ」
「いや、礼には及ばないよ。これが俺達の役目だしさ」
「そ、そうだよな、いがみ合う方がおかしいんだよな……本当にすまない」
「五位のメンバーから頼まれてもいたしね。昔の仲間を助けてやってくれって」
「彼等がそんな事言っていたのね……みんな、心配してくれてたんだ」
一位のメンバー達もそこまで好戦的って訳でもなさそうだ。
こうやって頭も下げてくれている辺り、いい人達ではあるんだろうな。
「じゃあ早くダンジョンコアを破壊して撤収しないと――」
「いや、待ってくれ。まだコアは破壊しない方がいい」
「え?」
おっと、だけどコアを今破壊される訳にはいかない。
俺達にはこのダンジョンでやらなければならない事がまだまだあるのだから。
「人質がまだ一人しか救助できていないんだ。おそらく残るすべての人質は右ルートに集められているんだと思う。奴らは人質を有効利用する術も持ち合わせているし、相当な苦戦を強いられているはずだ」
「な、なんだって!?」
「それに入口の子も蘇生しないとだしね!」
「そ、蘇生!? そ、そんな事が本当にできるのか!?」
「ああ。だからまだ時間が欲しい。それに戦力も。今頃は二位三位も合流していると思うけど、それでも正面からのぶつかり合いで勝てるかどうかも怪しいから」
右ルートを制圧し、人質の探索と救助をしなければいけない。
けどコアを破壊すれば三〇分という時間制限が発生して、達成が困難になってしまう。
そうならないためにも今はコアを放っておくのが一番だ。
「だから頼む、無事な奴は力を貸して欲しい」
「!?」
「この戦いでこれ以上の被害者を生まないためにも!」
そして人手も欲しいからこそ俺も頭を下げる。
匠美さん達や東北チームもそうだけど、四位五位だって助けたいから。
俺は誰にも、深い傷を負ったまま帰って欲しくない。
「そ、そうだな。僕達もまだ戦える」
「そうよ、私達だってトップスなんだから」
「なら無事な俺達だけでも戦おうぜ!」
「じゃあその前にケガした人を治さないとな」
「回復ならあたしにまっかせてよー!」
しかし彼等のヒーラーはすでに大ケガを負ってしまっているようだ。
オークが狡猾だったから真っ先に狙われたんだろう。
なら戦力は落ちると思うが、つくしの出番だな。
「えへへー、こんな時のために範囲大回復魔法を覚えました!」
「範囲回復だって!?」
「よしケガ人をここへ集めよう」
「もしかして遥様も? あなた達と対決しているのに……」
「当然だろ。怪我しているなら治さないと」
「連れてきたぞ!」
「よぉし、それじゃあいっくよー! 【範囲上級回癒術】!」
おお、本当に範囲回復魔法を使えている。
でもさりげなく範囲外に出ておく事にしよう。怖いから。
お、やるなぁつくし。みんなのケガがみるみる治っていくぞ。
しかも軽傷だった人は副作用が無いみたいだ。
「ひっぎぃぃぃ!? お腹がいったぁぁぁあい!!!」
「うっげぇぇぇ! 腹が、腹がぁぁぁぁ!!?」
「あー安心して出口まで走っていいからねーもう敵はいないと思うから。お帰りはあちらでーす」
「「「ひぃぃいいいん!!?」」」
あ、彼等の仲間が次々の気絶から復帰した。
ほんと飛び起きるくらい痛いんだな、副作用。
「い、一体なんだったの今の!? えええ~!?」
「あー、つくしの治癒魔法って強力だけど副作用があるんだよ。極度の腹痛になるっていうさ」
「「「ええ~~~……」」」
さすがトップスでもつくしのよくわからない副作用は認知していなかったらしい。
うん、この反応がもう懐かしいよ。
ほんの二週間前に知ったばかりの事なのにな。
「ふ、ふざけた事を……冗談じゃ、ありませんわ……!」
「ん? あれ、お前腹痛は?」
「!? こ、こんな痛みなどわたくしにかかれば有って無いようなものですわよ!」
「そういう割には膝がすごい笑ってるけど?」
「う、うるさいですわーっ!」
しかしまさか司条遥がこの副作用に耐えるなんて。すごい精神力だ。
実は痛みってそれほどでもないのか? あるいは傷が浅かったとか。
あ、でも脂汗がすごいし表情筋がバッキバキに浮き出てる。
むっちゃくちゃ無理してる顔だこれ。
「ま、まぁいいや。よし、右ルートを援護しにいこう」
「まままちなさい! あなた達はわたくしを援護しつつ一旦外へ出ますわよ!」
「「「ッ!?」」」
「何を言ってるんだ司条! まずは残った仲間の援護を――」
「知った事ではありませんわ!」
「何っ!?」
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それどころか自分を守る事ばかりで……!
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