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第96話 異常事態発生!
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ありえない事に、遥がカエルを丸ごと食べてしまった。
しかも今度はダンジョンコアへと飛びついただって!?
まさかあいつ、本当にコアを食べるつもりか!?
そもそも食べられるものなのかよ!?
「な、なんですってぇ!?」
「アイツゥ!? ホンマにダンジョンコアを喰っとるゥゥゥ!!?」
だが今の状況は俺達の理解の範疇などとっくに超えていた。
今の遥にとってはダンジョンコアなど、もはやデザート扱いだ。
鉱石物にもかかわらず、まるでプリンをすするようにジュルジュルと吸い込み始めていたのだから。
しかもすすった傍から、赤い輝きが遥の頬を伝って全身に駆け巡っていく。
スーツさえも透過して煌々と妖しく光っているぞ!?
「美味ィ!!! とっても美味ですわあああ!!!!! もはや人の食べ物なんて食せませぇん!!!!! これぞ至高! これぞ絶品! あ、あ、おおおッ!!? ぢがらが、体に巡ってぐるようでずわあああ!!!!! じゅるじゅじゅじゅッ!」
そしてとうとうダンジョンコアがすべて遥の腹の中に。
だけどダンジョンは振動しない。
壊した扱いになる訳ではない、のか!?
しかも遥の様子がまた一つおかしい。
膨れた腹を抑えて何か苦しんでいるようにも見える。
何か異常な事が起きているのか、あの中で……!?
「はぁ、はぁ、最高の気分で、ですわ、もう気持ちが抑えられそうにないいッ!」
「遥落ち着けぇ! 理性を取り戻んだ! お前はもう無理しちゃ――」
「あ、おおん、うるさいですわあッ!!!」
「「「なっ!?」」」
「あ"は、あ"ははは! やっどぉ、本音が言えるですのぉ! くひひひっ、下卑て小うるさい愚かなゴミ下民どもぉ、わたくしが一人残らず潰してさしあげたいってぇ!!! それくらいにぃ最高の気分ですのよォォォオ!!!」
「は、遥……」
こ、これは――まさか!?
この悪態、間違いない。
これは遥だ。それもドブ川になる前の、傲慢で我儘で分からず屋の。
平気で人を蔑み、陥れ、死体蹴りさえいとわないあの!
そうだ、俺も再会した後に一度垣間見た。
レッドオーク達を倒した後の、麗聖学院チームへと罵声を浴びせた時と同じ!
あの時はただの気の迷いによるものかと思っていたけど、それは違う。
あの罵声は〝もう一人の遥〟の「本音」が放たせたものだったんだ。
冷静な表の遥が理性を失った時にだけ出て来る――粗暴な遥が。
「どうして!? どうして遥はあんなことになっちゃったの!? なんでえ!?」
「俺にもわからない! だけどあいつが二重人格だとかそんなんじゃないのか!?」
「ぼ、僕達も、そんな事は、知らない……! 二重人格な訳は、ない!」
「そもそも私達、罵声を浴びせられたのは、あの時が初めてで……」
来栖川君達はもう目を覚ましていたか。
だけど彼等も今の遥がこうなってしまった理由がわからないらしい。
そういえばたしか、遥自身は前にこうも言っていたな。
〝わたくしが罵声を浴びせたなんて記憶はありません〟と。
だったら人格が違うなんて事も充分ありえるはずなのだが――
待てよ、人格が、違う?
いつから? レッドオーク戦から?
――寄生体との戦いから……!?
「ま、まさかあいつ……寄生体!?」
「ええっ!!? じゃああのレッドオーク戦で植え付けられてたって事!?」
「ああ。だがおかしい、意思の波動が感じない! 魔物ならすべからく特有の波動を発しているハズなのに!」
とはいえ俺の推理はおそらく、半分は当たっている。
今こうしている間に、遥の姿が徐々に歪み、変形し始めていたのだから。
骨格さえもメキメキと蠢き、うめき声を上げながら変わっていく。
その様子はさながら寄生体の〝脱皮〟そのものだ。
だけど妙だ。魔物の意思を感じないはずはない。
寄生体だって意思の断片があるから俺達に殺意を向けてくるはずなのに。
「アカンでこいつぁ!? どんどん大きくなっとるぅ!!!」
「くおおっ!? ありえねぇだろ! どんだけヘビーなんだよおッ!?」
それと、〝皮〟が脱げる感じが一向にしない。
まるで皮ごと変わっていくようにさえ見える。
こんなのは俺だって知らないぞ!?
でも待てよ、その様子から察するなら!
「……なんとなくわかった」
「どういう事っしょ!?」
「寄生体である事は変わりはない。けど、逆に遥が寄生体を喰ったんだ。そしてその溜め込んでいたマナを逆に取り込んで、遥のまま進化を遂げてしまった」
「ヒイッ、そ、そんな事あり得るの!?」
「俺にもわからない! だけど考えられるとしたらそれしかないんだ! そして粗暴な遥の性格部分もマナと一緒に寄生体に飲み込まれていた。だから一時的に〝ドブ川遥〟っていう人間味だけが残って俺達の前に現れたとすれば辻褄が合う!」
正直、すべてにおいてありえない事だと思う。
だけどダンジョンコアとかいう意味のわからない物を取り込んだなら、何が起きたって不思議じゃあないんだ。
そもそもが寄生体という存在さえ意味不明なのだから。
ただ、これだけはハッキリと言える。
「つまり今俺達の前に立っているあれは、遥の体をそのままそっくり作り変えて生まれた……魔物だ!」
「「「なんだってえっ!!?」」」
いや、こんな事はわざわざ言わなくても、誰でもわかる事なのかもしれない。
目の前で〝完成〟した彼女の姿を見ればもう。
それはもはや人とは到底言えない存在だった。
腰も、腕も、足もまるで骨のように細く長い。
しかし臀部から太ももにかけては異様なまでに膨らんでおり、軽装タイプだった遥らしさを強調しているかのよう。
それでいて胸部や腰部は赤々しいドレスを象ったように鮮やかに飾られている。
そして何より自慢の金髪縦ロールは健在。
ロールに至っては二本から四本となり、長々と頭部より垂れ下がっていた。
だが彼女の顔はまるで金属球のように丸く艶やかで表情さえ伺えない。
そんな存在が、剣と化した両腕を擦り合わせて金属音を掻き鳴らす!
異様なまでの殺意を、敵意を、伺い知れない表情から存分に放って。
どうやら戦いは避けられそうにない。
しかしそれでも遥は遥だ。傷つけたくはない……!
なら俺は一体どう戦えばいいんだ……!?
しかも今度はダンジョンコアへと飛びついただって!?
まさかあいつ、本当にコアを食べるつもりか!?
そもそも食べられるものなのかよ!?
「な、なんですってぇ!?」
「アイツゥ!? ホンマにダンジョンコアを喰っとるゥゥゥ!!?」
だが今の状況は俺達の理解の範疇などとっくに超えていた。
今の遥にとってはダンジョンコアなど、もはやデザート扱いだ。
鉱石物にもかかわらず、まるでプリンをすするようにジュルジュルと吸い込み始めていたのだから。
しかもすすった傍から、赤い輝きが遥の頬を伝って全身に駆け巡っていく。
スーツさえも透過して煌々と妖しく光っているぞ!?
「美味ィ!!! とっても美味ですわあああ!!!!! もはや人の食べ物なんて食せませぇん!!!!! これぞ至高! これぞ絶品! あ、あ、おおおッ!!? ぢがらが、体に巡ってぐるようでずわあああ!!!!! じゅるじゅじゅじゅッ!」
そしてとうとうダンジョンコアがすべて遥の腹の中に。
だけどダンジョンは振動しない。
壊した扱いになる訳ではない、のか!?
しかも遥の様子がまた一つおかしい。
膨れた腹を抑えて何か苦しんでいるようにも見える。
何か異常な事が起きているのか、あの中で……!?
「はぁ、はぁ、最高の気分で、ですわ、もう気持ちが抑えられそうにないいッ!」
「遥落ち着けぇ! 理性を取り戻んだ! お前はもう無理しちゃ――」
「あ、おおん、うるさいですわあッ!!!」
「「「なっ!?」」」
「あ"は、あ"ははは! やっどぉ、本音が言えるですのぉ! くひひひっ、下卑て小うるさい愚かなゴミ下民どもぉ、わたくしが一人残らず潰してさしあげたいってぇ!!! それくらいにぃ最高の気分ですのよォォォオ!!!」
「は、遥……」
こ、これは――まさか!?
この悪態、間違いない。
これは遥だ。それもドブ川になる前の、傲慢で我儘で分からず屋の。
平気で人を蔑み、陥れ、死体蹴りさえいとわないあの!
そうだ、俺も再会した後に一度垣間見た。
レッドオーク達を倒した後の、麗聖学院チームへと罵声を浴びせた時と同じ!
あの時はただの気の迷いによるものかと思っていたけど、それは違う。
あの罵声は〝もう一人の遥〟の「本音」が放たせたものだったんだ。
冷静な表の遥が理性を失った時にだけ出て来る――粗暴な遥が。
「どうして!? どうして遥はあんなことになっちゃったの!? なんでえ!?」
「俺にもわからない! だけどあいつが二重人格だとかそんなんじゃないのか!?」
「ぼ、僕達も、そんな事は、知らない……! 二重人格な訳は、ない!」
「そもそも私達、罵声を浴びせられたのは、あの時が初めてで……」
来栖川君達はもう目を覚ましていたか。
だけど彼等も今の遥がこうなってしまった理由がわからないらしい。
そういえばたしか、遥自身は前にこうも言っていたな。
〝わたくしが罵声を浴びせたなんて記憶はありません〟と。
だったら人格が違うなんて事も充分ありえるはずなのだが――
待てよ、人格が、違う?
いつから? レッドオーク戦から?
――寄生体との戦いから……!?
「ま、まさかあいつ……寄生体!?」
「ええっ!!? じゃああのレッドオーク戦で植え付けられてたって事!?」
「ああ。だがおかしい、意思の波動が感じない! 魔物ならすべからく特有の波動を発しているハズなのに!」
とはいえ俺の推理はおそらく、半分は当たっている。
今こうしている間に、遥の姿が徐々に歪み、変形し始めていたのだから。
骨格さえもメキメキと蠢き、うめき声を上げながら変わっていく。
その様子はさながら寄生体の〝脱皮〟そのものだ。
だけど妙だ。魔物の意思を感じないはずはない。
寄生体だって意思の断片があるから俺達に殺意を向けてくるはずなのに。
「アカンでこいつぁ!? どんどん大きくなっとるぅ!!!」
「くおおっ!? ありえねぇだろ! どんだけヘビーなんだよおッ!?」
それと、〝皮〟が脱げる感じが一向にしない。
まるで皮ごと変わっていくようにさえ見える。
こんなのは俺だって知らないぞ!?
でも待てよ、その様子から察するなら!
「……なんとなくわかった」
「どういう事っしょ!?」
「寄生体である事は変わりはない。けど、逆に遥が寄生体を喰ったんだ。そしてその溜め込んでいたマナを逆に取り込んで、遥のまま進化を遂げてしまった」
「ヒイッ、そ、そんな事あり得るの!?」
「俺にもわからない! だけど考えられるとしたらそれしかないんだ! そして粗暴な遥の性格部分もマナと一緒に寄生体に飲み込まれていた。だから一時的に〝ドブ川遥〟っていう人間味だけが残って俺達の前に現れたとすれば辻褄が合う!」
正直、すべてにおいてありえない事だと思う。
だけどダンジョンコアとかいう意味のわからない物を取り込んだなら、何が起きたって不思議じゃあないんだ。
そもそもが寄生体という存在さえ意味不明なのだから。
ただ、これだけはハッキリと言える。
「つまり今俺達の前に立っているあれは、遥の体をそのままそっくり作り変えて生まれた……魔物だ!」
「「「なんだってえっ!!?」」」
いや、こんな事はわざわざ言わなくても、誰でもわかる事なのかもしれない。
目の前で〝完成〟した彼女の姿を見ればもう。
それはもはや人とは到底言えない存在だった。
腰も、腕も、足もまるで骨のように細く長い。
しかし臀部から太ももにかけては異様なまでに膨らんでおり、軽装タイプだった遥らしさを強調しているかのよう。
それでいて胸部や腰部は赤々しいドレスを象ったように鮮やかに飾られている。
そして何より自慢の金髪縦ロールは健在。
ロールに至っては二本から四本となり、長々と頭部より垂れ下がっていた。
だが彼女の顔はまるで金属球のように丸く艶やかで表情さえ伺えない。
そんな存在が、剣と化した両腕を擦り合わせて金属音を掻き鳴らす!
異様なまでの殺意を、敵意を、伺い知れない表情から存分に放って。
どうやら戦いは避けられそうにない。
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