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第二章
第42話 初めてのセルフ空旅
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俺の名はアークィン=ディル=ユーグネス。
この世界で最強と謳われた武聖ウーイールーを義父に持つ男だ。
そんな俺は父の死後より旅に出た。
自分の生まれた理由と、【輝操術】という力の根源を求めてな。
しかしいざ旅立ってみれば、とんでもない事件が待ち構えていたものさ。
故郷の青空界では大都市が滅びかける程の大規模誘拐事件が。
その根源を辿れば、紫空界では倒国クーデターが起きていたんだ。
しかしそんな事件を、俺は一挙に解決する事が出来た。
もちろん、頼れる仲間達と共にね。
でも問題の後始末くらいは両国に任せるさ。
確かに救ってみせたとはいえ、これでも部外者なんでね。
だから俺達は新たな旅路を進む事にしたって訳だ。
「ア、アークィン、もうちょっと、運転、うぷっ、どうにかならないのかい?」
「む、無理を言うな! は、初めての運転なんだぞ!?」
それで今はと言えば 、新たな旅路の真っ最中。
貰ったばかりの新型機空船を駆り、次の大陸へと向かっていた。
――のだけれども。
何故か俺が運転する事になったんだよ。
レクチャーを受けたのは確かだけどさ、いきなりって酷くないか?
それでこうも文句言われたらとてもやるせないぞ。
「そんなに文句を言うならマオが代わってくれよ!」
「ふふっ、何を言うかと思えば。私はこれでも二年間くらい光合成だけで過ごしていた事があるくらいの貧乏なんだよ? それなのに機空船の運転経験なんてある訳無いじゃないかぁ」
「それどんな断り理由だァ!!」
で、こうやって操縦席の裏で文句を垂らしているのがマオ=リィエ。
人間と樹人の混血で生粋の精霊使いなのだそう。
いつも巨大なぬいぐるみの様な黒猫【クロ様】を背負っているのが特徴だ。
「にゃー」
「〝ハッハー! すまないアークィン! ボクは今ネコ語しか喋れないから運転する訳にはいかないんだ! 合図や危険報告の出来ない人は機空船を運転してはいけないというルールがあるからね!〟ってノオンちゃゆーてーる」
次にこのネコ語を喋っている奴がノオン=ハウ=ドゥキエル。
騎志という騎士道もどきを貫く獣耳剣士だが腕は確か。
ただ先の戦いで大怪我を負い、それを治した代償で一ヵ月ネコ語の刑に。
そのノオンにそんなバッドステータスを掛けたのがフィー=ロッカ。
唯一ネコ語を翻訳出来る療術士で、人間と兎人の混血だ。
ちなみにこの娘では運転は無理だろうな。幼女並みの背丈しか無いし。
「せめて運転をもう少し安定させないとテッシャが死ぬよ!」
「生きてるのがつらぃ。そうだ、死のぅ」
それで最後に、隅で干し草の様に干からびているのがテッシャ=テッサ。
人間と土竜人の混血で格闘術と大地魔法の使い手だな。
普段はマイペースで天然で元気の塊みたいなもんなんだけど。
でもこうして乗り物へ乗ると途端にスライムメンタルとなるらしい。
「ノオン、テッシャを止めたげてぇ!」
「にゃー!」
ちなみに俺も混血。
親がどこの誰かは知らないけどな。
なので獣耳や尻尾もあるけど人間らしい体付きを持っている。
つまりここにいる全員が混血児という訳だ。
世界じゃ忌み嫌われた存在だけど、同類同士だから何も怖くは無いさ。
それに皆はなんたって頼れる仲間達【銀麗騎志団】だからな。
ま、今はちっとも頼りにならないんだけども。
どう見ても運転を代わってくれそうな奴がいない。
ずっと墜落しそうなくらいに揺れてるが、本当にいいのか?
凄く自信が無くなってきたんだが?
「代わらないならせめて集中を乱さないでくれ!」
一応レクチャー通り、頭上の丸窓からは【陽珠】が見えているんだけどな。
これは航行中の平衡感覚を失わない為に活用する窓だ。
頭上に天を捉える事で、地上の無い場所でも水平に飛んでいる事がわかる。
これが無いと最悪の場合、知らず内に【空の底】へと落ちてしまうんだと。
そう、俺達は今まさにその地上の無い場所、大陸間を航行中なんだ。
空に浮かぶ六大陸の間を。
その間にある空間を俺達は【空の底】と呼んでいる。
今目下に広がっている黒雲地帯の事だな。
そこに落ちればたちまち全てが消し炭にされてしまう。
常に強烈な雷が巡っていて、何もかも破壊し尽くすのだそうだ。
だから皆怖がっている。
地上に落ちるよりもずっと怖い――というか死亡確定だからな。
もちろん俺だって本当は嫌なんだよ。
「じゃあせめてさ、天窓に映る【陽珠】の動きを止める様に運転出来ないかね? 今すっごいユレッユレだけど?」
「簡単に言ってくれるな! これ凄く大変なんだからな!」
「にゃー」
「〝仕方ないさ、この船は高速型だから慣れてない人じゃないと安定させにくいんだ。レースとかで使う仕様なのさ〟ってノオンちゃいうてーるーぅよぉぉぉ!!」
「ぎゃあああ! フィーが、フィーが飛んだあ!」
「ま、待てェ! 今安定させるうォォォ!?」
「にゃー!?」
「いぃやぁぁぁぁ!! ほんとにしぃぬぅぅぅーーーーーー!!」
とかなんとか言っている間に機体が大きく揺れ始めて。
気付けば後ろの仲間達が船内を飛び回る事に。
多分強い気流かなんかに乗り上げちゃったんだろうな。
だから言わんこっちゃない。
あれほど俺の集中を乱すなと。
おかげで今やどこが天と底なのやら。
生きて次の大陸に辿り着けるといいな。
俺はもう半分くらい諦めたよ。
この世界で最強と謳われた武聖ウーイールーを義父に持つ男だ。
そんな俺は父の死後より旅に出た。
自分の生まれた理由と、【輝操術】という力の根源を求めてな。
しかしいざ旅立ってみれば、とんでもない事件が待ち構えていたものさ。
故郷の青空界では大都市が滅びかける程の大規模誘拐事件が。
その根源を辿れば、紫空界では倒国クーデターが起きていたんだ。
しかしそんな事件を、俺は一挙に解決する事が出来た。
もちろん、頼れる仲間達と共にね。
でも問題の後始末くらいは両国に任せるさ。
確かに救ってみせたとはいえ、これでも部外者なんでね。
だから俺達は新たな旅路を進む事にしたって訳だ。
「ア、アークィン、もうちょっと、運転、うぷっ、どうにかならないのかい?」
「む、無理を言うな! は、初めての運転なんだぞ!?」
それで今はと言えば 、新たな旅路の真っ最中。
貰ったばかりの新型機空船を駆り、次の大陸へと向かっていた。
――のだけれども。
何故か俺が運転する事になったんだよ。
レクチャーを受けたのは確かだけどさ、いきなりって酷くないか?
それでこうも文句言われたらとてもやるせないぞ。
「そんなに文句を言うならマオが代わってくれよ!」
「ふふっ、何を言うかと思えば。私はこれでも二年間くらい光合成だけで過ごしていた事があるくらいの貧乏なんだよ? それなのに機空船の運転経験なんてある訳無いじゃないかぁ」
「それどんな断り理由だァ!!」
で、こうやって操縦席の裏で文句を垂らしているのがマオ=リィエ。
人間と樹人の混血で生粋の精霊使いなのだそう。
いつも巨大なぬいぐるみの様な黒猫【クロ様】を背負っているのが特徴だ。
「にゃー」
「〝ハッハー! すまないアークィン! ボクは今ネコ語しか喋れないから運転する訳にはいかないんだ! 合図や危険報告の出来ない人は機空船を運転してはいけないというルールがあるからね!〟ってノオンちゃゆーてーる」
次にこのネコ語を喋っている奴がノオン=ハウ=ドゥキエル。
騎志という騎士道もどきを貫く獣耳剣士だが腕は確か。
ただ先の戦いで大怪我を負い、それを治した代償で一ヵ月ネコ語の刑に。
そのノオンにそんなバッドステータスを掛けたのがフィー=ロッカ。
唯一ネコ語を翻訳出来る療術士で、人間と兎人の混血だ。
ちなみにこの娘では運転は無理だろうな。幼女並みの背丈しか無いし。
「せめて運転をもう少し安定させないとテッシャが死ぬよ!」
「生きてるのがつらぃ。そうだ、死のぅ」
それで最後に、隅で干し草の様に干からびているのがテッシャ=テッサ。
人間と土竜人の混血で格闘術と大地魔法の使い手だな。
普段はマイペースで天然で元気の塊みたいなもんなんだけど。
でもこうして乗り物へ乗ると途端にスライムメンタルとなるらしい。
「ノオン、テッシャを止めたげてぇ!」
「にゃー!」
ちなみに俺も混血。
親がどこの誰かは知らないけどな。
なので獣耳や尻尾もあるけど人間らしい体付きを持っている。
つまりここにいる全員が混血児という訳だ。
世界じゃ忌み嫌われた存在だけど、同類同士だから何も怖くは無いさ。
それに皆はなんたって頼れる仲間達【銀麗騎志団】だからな。
ま、今はちっとも頼りにならないんだけども。
どう見ても運転を代わってくれそうな奴がいない。
ずっと墜落しそうなくらいに揺れてるが、本当にいいのか?
凄く自信が無くなってきたんだが?
「代わらないならせめて集中を乱さないでくれ!」
一応レクチャー通り、頭上の丸窓からは【陽珠】が見えているんだけどな。
これは航行中の平衡感覚を失わない為に活用する窓だ。
頭上に天を捉える事で、地上の無い場所でも水平に飛んでいる事がわかる。
これが無いと最悪の場合、知らず内に【空の底】へと落ちてしまうんだと。
そう、俺達は今まさにその地上の無い場所、大陸間を航行中なんだ。
空に浮かぶ六大陸の間を。
その間にある空間を俺達は【空の底】と呼んでいる。
今目下に広がっている黒雲地帯の事だな。
そこに落ちればたちまち全てが消し炭にされてしまう。
常に強烈な雷が巡っていて、何もかも破壊し尽くすのだそうだ。
だから皆怖がっている。
地上に落ちるよりもずっと怖い――というか死亡確定だからな。
もちろん俺だって本当は嫌なんだよ。
「じゃあせめてさ、天窓に映る【陽珠】の動きを止める様に運転出来ないかね? 今すっごいユレッユレだけど?」
「簡単に言ってくれるな! これ凄く大変なんだからな!」
「にゃー」
「〝仕方ないさ、この船は高速型だから慣れてない人じゃないと安定させにくいんだ。レースとかで使う仕様なのさ〟ってノオンちゃいうてーるーぅよぉぉぉ!!」
「ぎゃあああ! フィーが、フィーが飛んだあ!」
「ま、待てェ! 今安定させるうォォォ!?」
「にゃー!?」
「いぃやぁぁぁぁ!! ほんとにしぃぬぅぅぅーーーーーー!!」
とかなんとか言っている間に機体が大きく揺れ始めて。
気付けば後ろの仲間達が船内を飛び回る事に。
多分強い気流かなんかに乗り上げちゃったんだろうな。
だから言わんこっちゃない。
あれほど俺の集中を乱すなと。
おかげで今やどこが天と底なのやら。
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