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第二章
第68話 予想外だった村の姿
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大陸中央への道中は凄まじいものだった。
木々はいずれも頭上高くに伸びしきり、道に差すのは木漏れ日程度。
なので正規の道だろうとグシャグシャで、とても整地されているとは思えない。
おまけに湿気もあって息苦しいのなんの。
赤空界も暑かったが、こっちは別の意味でもっと辛いな。
それに治安が悪いっていう話も間違い無かった。
さすが森の中は無法地帯って感じでね。
魔物に絡まれたのがおよそ四回、結構な数さ。
どんな道だろうがお構いなしだったよ。
それでなるほどって深く理解出来たね、今更ながらに。
案内人の有無による難易度差がかなり違うって。
あの荷車にはさりげなく結界魔導具が仕込まれていたんだ。
この大陸で野宿するなら絶対に必要となる道具だろうさ。
こんな危険な中での野宿は俺達でもちと厳しい。
だからマオもあんなに慌ててたんだな。
お陰で無知が恐ろしい事だと改めて理解したよ、まったく。
で、今ようやくクアリオ達の村へと辿り着いた。
【日照外】になる寸前だったけどな。
「ようこそオイラ達の村へ。まぁ見た目はみすぼらしいけど、ちゃんと魔物対策もしているし安全さ」
そんな混血の村は確かにそこまでの規模じゃない。
素朴で簡素な大きい建物が二つあるだけだ。
まるで掘っ立て小屋を並べて繋ぎ合わせた様な。長屋っていうのかな?
だけど妙な安心感を与えてくれる。
これはきっと俺の家と似た雰囲気だからだろうか。
あの家も父が適当に造った、雨風凌ぐ為だけの物だったから。
ただ、一つだけ不思議に思う事はあるけれど。
「なんか随分と物静かだな」
「あー、ここは街みたいな照明が無いからなー。だから【日照外】の時間になったら皆眠っちゃうのさ」
そう、とても静かなんだ。
虫の羽音が聴こえるくらいに。
なのでとても人が住んでいるとは思えない。
とはいえ気配はある。
例えば扉の隙間から俺達を覗いている、とかな。
怖かったりするのはわかるけれど、ちょっと警戒し過ぎじゃないか?
「せっかくだから皆、オイラの家に泊まっていきなよ。飯も御馳走するぜー」
「はは、ありがたいな。けどこの大人数じゃ食費が馬鹿にならないだろ。なら俺達が持っている食材を使わせてもらおう。構わないよな?」
「にゃー(もちろんさ!)」
「一杯たーべるー!」
「ホントかぁ!? 嬉しい事言ってくれるねぇコノコノー!」
クアリオはクアリオで馴れ過ぎだけどな。
やーめろ、腰を肘で突くんじゃあない。
まぁ何はともあれ安全圏として利用させてもらうんだ。
それに事情も事情だし、値引きもしてもらったし。
だったらこれくらいのサービスで返したって構わないだろうさ。
いっそ村中の人を集めて食事会でも開けばいい。
それくらいの蓄えはあるからな。
――なんて、こんな話で盛り上がる中。
俺達はようやくクアリオの家へと辿り着いた。
「姉ちゃん、今帰ったぜー」
それで引き戸が開かれれば、早速一人の人物が姿を見せる。
クアリオの姉が床に座り込んでいたんだ。
「おかえりなさいクアリオ。あら、そちらの方々は?」
「オイラの友達さ。ココウの友達らしくて、オイラを訪ねて来てくれたんだ」
「あら、ココウ君の……初めまして、クアリオの姉のミラリアと申します」
「【銀麗騎志団】という名で冒険者をやっている者だ。俺はアークィンと言う」
とても大人しくて優しそうな女性だった。
エルフの血が濃いからだろうか、背丈は俺と同じくらいで。
長髪も柔らかそうにストレートで流れていてエルフと偽っても通じそう。
むしろ屈強なドワーフ成分があまり見られない。
――というより、やせ細っているのかこれは。
雰囲気はクアリオにも似ているんだが。
だけど力強さが一切見えないんだ。
当人自体もあまり体調が良くなさそうだし。
なにせ布団に座り込んだまま咳までしていて。
気だるそうに背を丸めていたのだから。
「ところでぶしつけなんだが、体調が悪いのか? 何か不都合があるなら俺達は野外で寝ても構わないぞ」
「大丈夫、最近精の付く物を食べさせてあげられなかったからちょっと栄養失調気味なんだ。医者にもそう言われたしなー」
「そうなんです。ですからお構いなく……」
栄養失調、か。
まぁ確かに、しっかりと食事を摂らないと身体機能が弱ってしまう。
その衰弱からの咳だと言えば納得も行くだろう。
少し引っ掛かる事もあるけどな。
「ならさ、今朝買った保存肉を使うのはどうかねぇ? あれならまだ新鮮だし沢山あったでしょう?」
「そうするか。せっかくだしお姉さんにも元気になってもらいたいからな」
「おおーっ! さっすが太っ腹ぁ! ここに連れて来て正解だったぜーっ!」
なら連れてきてもらった礼も兼ねて振舞うとしよう。
こんな時の為にと、父から料理まで仕込まれたからな。
体力が資本な冒険者のワイルドレシピは生半可じゃないぞ。
明日の朝にはギンギンになること間違いなしだ。
という訳で早速料理の準備開始へ。
人数が多いなら鍋がいい。
身体が温まるし量を作りやすいからな。
なので外で即席石かまどを作り、大鍋を取り出しては備え付ける。
で、俺の炎魔法で軽く火を付け、まず湯を沸かすとしよう。
その間にノオンの高速包丁捌きで野菜をカッティング。
根菜、白菜、そして生姜にニンニクと荒々しくな。
おお、食材が舞っていくぞ! なんて技術なんだ。
その間にフィー自慢の杖術で豚肉を仕込んでもらう。
買った肉は筋張っていたからな、筋切りは必須項目だ。
でも叩く時、凄く鬼気迫ってるけど気にしてはいけない。
少し納得は行かないが、マオは今回お休みだ。
前回の戦いで結構魔力を消耗したらしいので補充中である。
後は鍋に食材丸ごとぶち込んで塩コショウと香味スパイスで味付けて。
ここで俺秘蔵の超活性精力食材の乾燥粉末を出汁として投入だ。
その名も【バクレツモウシンダケ】(仮称)。
ククク、コイツは凄いぞ。
なにせこの食材を父より食べさせられて以降三日間、眠らずに済んだからな。
ついでに股間もフルロードで疲れ知らずときた。
故に使い過ぎるなとも言われたが、村人で分けるなら申し分ないだろう!
ちなみに生前の父が採ってきた物なので正体は俺も知らん。
で、匂いに釣られてテッシャが土から飛び出した所で完成だ。
それでクアリオが住民達も呼び集めれば食事会の始まりへ。
すると早速、お椀を持った住民達が集まって来た。
けどこの時、俺達はまた意外な姿を目の当たりにする事となる。
誰一人、健康そうな人がいないんだ。
皆、ミラリアと同様に弱り切っていて。
歩く姿もたどたどしく、今にも倒れて死んでしまいそう。
それでも料理を食べれば「美味しい美味しい」と喜んでくれたけれど。
食べた後は元気が出た様で、ちゃんと普通に歩けていたし。
あの秘蔵食材は即効性もあるからな、当然の結果さ。
ミラリアも満足してくれた様だ。
笑い合って食べる姿はとても微笑ましかったよ。
明日にでも元気に歩き回ってくれると、こちらとしてもとても嬉しいな。
木々はいずれも頭上高くに伸びしきり、道に差すのは木漏れ日程度。
なので正規の道だろうとグシャグシャで、とても整地されているとは思えない。
おまけに湿気もあって息苦しいのなんの。
赤空界も暑かったが、こっちは別の意味でもっと辛いな。
それに治安が悪いっていう話も間違い無かった。
さすが森の中は無法地帯って感じでね。
魔物に絡まれたのがおよそ四回、結構な数さ。
どんな道だろうがお構いなしだったよ。
それでなるほどって深く理解出来たね、今更ながらに。
案内人の有無による難易度差がかなり違うって。
あの荷車にはさりげなく結界魔導具が仕込まれていたんだ。
この大陸で野宿するなら絶対に必要となる道具だろうさ。
こんな危険な中での野宿は俺達でもちと厳しい。
だからマオもあんなに慌ててたんだな。
お陰で無知が恐ろしい事だと改めて理解したよ、まったく。
で、今ようやくクアリオ達の村へと辿り着いた。
【日照外】になる寸前だったけどな。
「ようこそオイラ達の村へ。まぁ見た目はみすぼらしいけど、ちゃんと魔物対策もしているし安全さ」
そんな混血の村は確かにそこまでの規模じゃない。
素朴で簡素な大きい建物が二つあるだけだ。
まるで掘っ立て小屋を並べて繋ぎ合わせた様な。長屋っていうのかな?
だけど妙な安心感を与えてくれる。
これはきっと俺の家と似た雰囲気だからだろうか。
あの家も父が適当に造った、雨風凌ぐ為だけの物だったから。
ただ、一つだけ不思議に思う事はあるけれど。
「なんか随分と物静かだな」
「あー、ここは街みたいな照明が無いからなー。だから【日照外】の時間になったら皆眠っちゃうのさ」
そう、とても静かなんだ。
虫の羽音が聴こえるくらいに。
なのでとても人が住んでいるとは思えない。
とはいえ気配はある。
例えば扉の隙間から俺達を覗いている、とかな。
怖かったりするのはわかるけれど、ちょっと警戒し過ぎじゃないか?
「せっかくだから皆、オイラの家に泊まっていきなよ。飯も御馳走するぜー」
「はは、ありがたいな。けどこの大人数じゃ食費が馬鹿にならないだろ。なら俺達が持っている食材を使わせてもらおう。構わないよな?」
「にゃー(もちろんさ!)」
「一杯たーべるー!」
「ホントかぁ!? 嬉しい事言ってくれるねぇコノコノー!」
クアリオはクアリオで馴れ過ぎだけどな。
やーめろ、腰を肘で突くんじゃあない。
まぁ何はともあれ安全圏として利用させてもらうんだ。
それに事情も事情だし、値引きもしてもらったし。
だったらこれくらいのサービスで返したって構わないだろうさ。
いっそ村中の人を集めて食事会でも開けばいい。
それくらいの蓄えはあるからな。
――なんて、こんな話で盛り上がる中。
俺達はようやくクアリオの家へと辿り着いた。
「姉ちゃん、今帰ったぜー」
それで引き戸が開かれれば、早速一人の人物が姿を見せる。
クアリオの姉が床に座り込んでいたんだ。
「おかえりなさいクアリオ。あら、そちらの方々は?」
「オイラの友達さ。ココウの友達らしくて、オイラを訪ねて来てくれたんだ」
「あら、ココウ君の……初めまして、クアリオの姉のミラリアと申します」
「【銀麗騎志団】という名で冒険者をやっている者だ。俺はアークィンと言う」
とても大人しくて優しそうな女性だった。
エルフの血が濃いからだろうか、背丈は俺と同じくらいで。
長髪も柔らかそうにストレートで流れていてエルフと偽っても通じそう。
むしろ屈強なドワーフ成分があまり見られない。
――というより、やせ細っているのかこれは。
雰囲気はクアリオにも似ているんだが。
だけど力強さが一切見えないんだ。
当人自体もあまり体調が良くなさそうだし。
なにせ布団に座り込んだまま咳までしていて。
気だるそうに背を丸めていたのだから。
「ところでぶしつけなんだが、体調が悪いのか? 何か不都合があるなら俺達は野外で寝ても構わないぞ」
「大丈夫、最近精の付く物を食べさせてあげられなかったからちょっと栄養失調気味なんだ。医者にもそう言われたしなー」
「そうなんです。ですからお構いなく……」
栄養失調、か。
まぁ確かに、しっかりと食事を摂らないと身体機能が弱ってしまう。
その衰弱からの咳だと言えば納得も行くだろう。
少し引っ掛かる事もあるけどな。
「ならさ、今朝買った保存肉を使うのはどうかねぇ? あれならまだ新鮮だし沢山あったでしょう?」
「そうするか。せっかくだしお姉さんにも元気になってもらいたいからな」
「おおーっ! さっすが太っ腹ぁ! ここに連れて来て正解だったぜーっ!」
なら連れてきてもらった礼も兼ねて振舞うとしよう。
こんな時の為にと、父から料理まで仕込まれたからな。
体力が資本な冒険者のワイルドレシピは生半可じゃないぞ。
明日の朝にはギンギンになること間違いなしだ。
という訳で早速料理の準備開始へ。
人数が多いなら鍋がいい。
身体が温まるし量を作りやすいからな。
なので外で即席石かまどを作り、大鍋を取り出しては備え付ける。
で、俺の炎魔法で軽く火を付け、まず湯を沸かすとしよう。
その間にノオンの高速包丁捌きで野菜をカッティング。
根菜、白菜、そして生姜にニンニクと荒々しくな。
おお、食材が舞っていくぞ! なんて技術なんだ。
その間にフィー自慢の杖術で豚肉を仕込んでもらう。
買った肉は筋張っていたからな、筋切りは必須項目だ。
でも叩く時、凄く鬼気迫ってるけど気にしてはいけない。
少し納得は行かないが、マオは今回お休みだ。
前回の戦いで結構魔力を消耗したらしいので補充中である。
後は鍋に食材丸ごとぶち込んで塩コショウと香味スパイスで味付けて。
ここで俺秘蔵の超活性精力食材の乾燥粉末を出汁として投入だ。
その名も【バクレツモウシンダケ】(仮称)。
ククク、コイツは凄いぞ。
なにせこの食材を父より食べさせられて以降三日間、眠らずに済んだからな。
ついでに股間もフルロードで疲れ知らずときた。
故に使い過ぎるなとも言われたが、村人で分けるなら申し分ないだろう!
ちなみに生前の父が採ってきた物なので正体は俺も知らん。
で、匂いに釣られてテッシャが土から飛び出した所で完成だ。
それでクアリオが住民達も呼び集めれば食事会の始まりへ。
すると早速、お椀を持った住民達が集まって来た。
けどこの時、俺達はまた意外な姿を目の当たりにする事となる。
誰一人、健康そうな人がいないんだ。
皆、ミラリアと同様に弱り切っていて。
歩く姿もたどたどしく、今にも倒れて死んでしまいそう。
それでも料理を食べれば「美味しい美味しい」と喜んでくれたけれど。
食べた後は元気が出た様で、ちゃんと普通に歩けていたし。
あの秘蔵食材は即効性もあるからな、当然の結果さ。
ミラリアも満足してくれた様だ。
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