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第二章
第73話 陰謀を企みし者達
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俺はきっと調子に乗っていたんだろう。
青空界、紫空界、赤空界と、世界の半分を救えたから。
それで自分には何でも救える力があると思い込んでしまって。
ならどんな事でも退けられるって信じ込んでしまった。
けどその結果がこのザマだ。
増長した挙句に冷静さを欠き、怒りに身を任せて。
その末にクアリオの家族へトドメを差してしまった。
救える可能性があったのにも拘らずにな。
だからこそ、間違いを犯してしまった俺の罪は重い。
しかしそれでもクアリオは何も言わなかった。
ただ「埋葬する手伝いをして欲しい」と静かに願い出てきて。
その想いに応え、俺達は必死に手伝ったよ。
何としてでも罪滅ぼしをしたかったから。
もちろんこんな事で罪が償えるなんて思っちゃいない。
だけど何かしないと自責の念で潰れてしまいそうでさ。
いっそこのまま息を止めて死んでしまいたいとさえ思えてならなかったんだ。
でもそんな俺を仲間達は肩を叩いて慰めてくれた。
「もし力があったなら、自分達もああしかねなかった」って。
この言葉でどれだけ救われた事か。
もし俺一人だったらきっと自暴自棄になっていたに違いない。
〝自戒時始〟を守る事が如何に大変か、身に染みて理解出来たよ。
そうして一日を掛け、クアリオの家族達を埋葬し終えた。
【輝操術】で産んだ沢山の花の種をも一緒に蒔いて。
もう衰弱の呪いは消えている。
だから大地はいずれ恵みを取り戻して再び草木で覆われるハズだ。
なら今蒔いた種も彼等の命を吸って育ち、いつか土地一杯に咲き誇るだろう。
それも償いとしてではなく、彼等への贈り物として。
精一杯生きたかった者達への手向けとして。
これが俺達に出来る精一杯の弔い方だったから。
それでその日の夜。
俺達はクアリオの家で顔を合わせていた。
それというのも、クアリオは何か話があるらしくて。
それで今、俺達は彼の前で揃って膝を付いている。
どんな責め苦で耐えうる覚悟を以て。
「やめてくれよ……オイラだってそんな馬鹿じゃない。アンタらが姉ちゃん達を救おうとしていた事くらいわかってるさ。だから責める気なんてこれっぽっちも無いんだ。きっとアンタらに会えなかったら、原因もわからずに姉ちゃん達の死を嘆くだけだっただろうから」
だけどそんなクアリオはこう返し、微笑みの頷きを見せてくれたんだ。
悲しみを抑えている所為か、ほんの少し頑なだったけれど。
だから俺達も礼を返し、その上で膝に置いた拳を握り締める。
クアリオが感情を押してでも伝えたい事を聴き取る為にと。
何が有ろうと、どの様な要求だろうと聞き届ける覚悟でな。
「それで話の方なんだけど……オイラ、やっぱり我慢出来ねーよ。こんな事をした犯人が絶対に許せねー。しかもその主犯がわかっているからこそ、何が何でも敵討ちがしたい……!」
「クアリオ……」
それでいざ口が開けば、当然の言葉が返って来た。
そうさ、怒らない訳が無いんだ。
偽りの希望を渡されて、明るい未来を抱いて殺されそうになって。
その中で足掻き続けてきたクアリオにはそうしていい権利さえある。
なら復讐だって願いたくもなるだろう。
「だから頼むよ、オイラに力を貸してくれ! オイラにゃ剣も魔法も使えねぇ! 使えるのは工具くらいなもんなんだ! だけどアンタ達なら戦えるんだろ!? だったら――」
「当然だッ!! 俺達は例えクアリオに頼まれなくとも、敵討ちに行っていたッ!!」
「み、皆……!」
それだったらむしろ俺達の本領だ。
しかもここまで残酷な仕打ちを見せられたら黙っていられる訳もない!
俺はココウに〝出会えたのは運命かもしれない〟と伝えた。
なら今回のクアリオとの巡り合いもきっと運命なんだ。
例え存在を知っていようとも知らずとも関係無いくらいの。
その末にクアリオの家族が死ぬ事も運命なのだとしたら。
だったら俺は潔くその運命を受け入れよう。
その上で、犯人どもを罰する事もまた運命の道筋としてやる!
これから行うのはミラリア達の弔い合戦だ。
例え彼等が望まなかろうとも構わない。
今望むクアリオの為に、俺達は全力を尽くそう。
そうして犯人どもを追い詰めて罰を刻んでやらねば気が済まん!!
「だから教えてくれクアリオ、その主犯って奴を! この土地を譲った者の名を!」
「奴は名は【賢者長ブブルク】。十賢者の代表さ」
「やっぱりかぁ、あの狸ジジィめ……!」
その犯人の正体も今やっとわかった。
そして復讐を成す為に向かうべき場所もな。
どうやら俺達は最初から憎悪の溜まり場へと向かおうとしていたらしい。
なんたって【識園の塔】こそ十賢者どもがたむろする場所なんだからな。
それにマオも何か知っている様だ。
ゼコルの事も、そのブブルクとかいう奴の事も。
とすると、彼女はもしかして――
「やたらと詳しそうだなマオ。もしかして面識があるのか?」
「あぁ、あるさ。嫌ってくらいにね。アイツラの性根の悪さは胃に穴が開くくらい体験したもんでねぇ」
「で、でもよ、十賢者なんてよほど地位が高くないとなかなか会えないって聞いたぜ?」
「なんて事は無いさ。なんたって私も昔はその十賢者の一人だったんだから」
「「「ええーっ!?」」」
――やはりか。
道理でやたらと緑空界の内部事情に詳しいと思った。
なら教えてもらうとしようか。
俺達が敵とするべき相手の事を知る限りな……!
青空界、紫空界、赤空界と、世界の半分を救えたから。
それで自分には何でも救える力があると思い込んでしまって。
ならどんな事でも退けられるって信じ込んでしまった。
けどその結果がこのザマだ。
増長した挙句に冷静さを欠き、怒りに身を任せて。
その末にクアリオの家族へトドメを差してしまった。
救える可能性があったのにも拘らずにな。
だからこそ、間違いを犯してしまった俺の罪は重い。
しかしそれでもクアリオは何も言わなかった。
ただ「埋葬する手伝いをして欲しい」と静かに願い出てきて。
その想いに応え、俺達は必死に手伝ったよ。
何としてでも罪滅ぼしをしたかったから。
もちろんこんな事で罪が償えるなんて思っちゃいない。
だけど何かしないと自責の念で潰れてしまいそうでさ。
いっそこのまま息を止めて死んでしまいたいとさえ思えてならなかったんだ。
でもそんな俺を仲間達は肩を叩いて慰めてくれた。
「もし力があったなら、自分達もああしかねなかった」って。
この言葉でどれだけ救われた事か。
もし俺一人だったらきっと自暴自棄になっていたに違いない。
〝自戒時始〟を守る事が如何に大変か、身に染みて理解出来たよ。
そうして一日を掛け、クアリオの家族達を埋葬し終えた。
【輝操術】で産んだ沢山の花の種をも一緒に蒔いて。
もう衰弱の呪いは消えている。
だから大地はいずれ恵みを取り戻して再び草木で覆われるハズだ。
なら今蒔いた種も彼等の命を吸って育ち、いつか土地一杯に咲き誇るだろう。
それも償いとしてではなく、彼等への贈り物として。
精一杯生きたかった者達への手向けとして。
これが俺達に出来る精一杯の弔い方だったから。
それでその日の夜。
俺達はクアリオの家で顔を合わせていた。
それというのも、クアリオは何か話があるらしくて。
それで今、俺達は彼の前で揃って膝を付いている。
どんな責め苦で耐えうる覚悟を以て。
「やめてくれよ……オイラだってそんな馬鹿じゃない。アンタらが姉ちゃん達を救おうとしていた事くらいわかってるさ。だから責める気なんてこれっぽっちも無いんだ。きっとアンタらに会えなかったら、原因もわからずに姉ちゃん達の死を嘆くだけだっただろうから」
だけどそんなクアリオはこう返し、微笑みの頷きを見せてくれたんだ。
悲しみを抑えている所為か、ほんの少し頑なだったけれど。
だから俺達も礼を返し、その上で膝に置いた拳を握り締める。
クアリオが感情を押してでも伝えたい事を聴き取る為にと。
何が有ろうと、どの様な要求だろうと聞き届ける覚悟でな。
「それで話の方なんだけど……オイラ、やっぱり我慢出来ねーよ。こんな事をした犯人が絶対に許せねー。しかもその主犯がわかっているからこそ、何が何でも敵討ちがしたい……!」
「クアリオ……」
それでいざ口が開けば、当然の言葉が返って来た。
そうさ、怒らない訳が無いんだ。
偽りの希望を渡されて、明るい未来を抱いて殺されそうになって。
その中で足掻き続けてきたクアリオにはそうしていい権利さえある。
なら復讐だって願いたくもなるだろう。
「だから頼むよ、オイラに力を貸してくれ! オイラにゃ剣も魔法も使えねぇ! 使えるのは工具くらいなもんなんだ! だけどアンタ達なら戦えるんだろ!? だったら――」
「当然だッ!! 俺達は例えクアリオに頼まれなくとも、敵討ちに行っていたッ!!」
「み、皆……!」
それだったらむしろ俺達の本領だ。
しかもここまで残酷な仕打ちを見せられたら黙っていられる訳もない!
俺はココウに〝出会えたのは運命かもしれない〟と伝えた。
なら今回のクアリオとの巡り合いもきっと運命なんだ。
例え存在を知っていようとも知らずとも関係無いくらいの。
その末にクアリオの家族が死ぬ事も運命なのだとしたら。
だったら俺は潔くその運命を受け入れよう。
その上で、犯人どもを罰する事もまた運命の道筋としてやる!
これから行うのはミラリア達の弔い合戦だ。
例え彼等が望まなかろうとも構わない。
今望むクアリオの為に、俺達は全力を尽くそう。
そうして犯人どもを追い詰めて罰を刻んでやらねば気が済まん!!
「だから教えてくれクアリオ、その主犯って奴を! この土地を譲った者の名を!」
「奴は名は【賢者長ブブルク】。十賢者の代表さ」
「やっぱりかぁ、あの狸ジジィめ……!」
その犯人の正体も今やっとわかった。
そして復讐を成す為に向かうべき場所もな。
どうやら俺達は最初から憎悪の溜まり場へと向かおうとしていたらしい。
なんたって【識園の塔】こそ十賢者どもがたむろする場所なんだからな。
それにマオも何か知っている様だ。
ゼコルの事も、そのブブルクとかいう奴の事も。
とすると、彼女はもしかして――
「やたらと詳しそうだなマオ。もしかして面識があるのか?」
「あぁ、あるさ。嫌ってくらいにね。アイツラの性根の悪さは胃に穴が開くくらい体験したもんでねぇ」
「で、でもよ、十賢者なんてよほど地位が高くないとなかなか会えないって聞いたぜ?」
「なんて事は無いさ。なんたって私も昔はその十賢者の一人だったんだから」
「「「ええーっ!?」」」
――やはりか。
道理でやたらと緑空界の内部事情に詳しいと思った。
なら教えてもらうとしようか。
俺達が敵とするべき相手の事を知る限りな……!
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