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第三章
第118話 自分の生まれた意味は(テッシャ視点)
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テッシャが小さい時、お母さんはこう言ってたの。
〝お前は愛したいと望まれて生まれた訳じゃないんだよ〟って。
けどね、こうとも教えてくれたよ。
〝それでも運命に負けず、自由に生きて欲しい。だからお前に混血という欠点と王家の血筋という長所、そして大地の精霊の加護を与えたんだ〟って。
こう伝えて、お母さんは光の中に消えていった。
そのお母さんはもう顔も思い出せない。
声もうろ覚えで、会ってもわからないかもしれないね。
だけどテッシャは別に恨んでないし、むしろ会いたいって思ってる。
それで大きくなってからお母さんを探してみたよ。
王位なんて放り出して、黄空界中をくまなく掘り回って。
この力をくれたのはもしかして探して欲しいからなんじゃないかって思ったから。
その結果は残念ながら見つからずに終わったけれど。
けど、代わりにもう一つ教えてくれた事を思い出す事が出来たんだ。
〝こうして与えた力をどうかお前の愛する者の為に使って欲しい。そしてその愛で多くの者達が救われん事を切に願います〟
きっとお母さんは今日の様な出来事を予想していたのかもしれない。
いつか国を背負って、友達と一緒に戦うって事を。
その為に【地懐双爪カエトハァル】を託してくれたんだろうって。
だからね、テッシャは嬉しいんだ。
その力と血筋と、巡り合いっていう運命に恵まれて。
アークィン達になら、テッシャに与えられた力を使いたいって思えるから。
『もうすぐお城の近くに辿り着くよー!』
『さすがだな、やはりこの速度は尋常じゃない』
にゃふふ、こうやって褒めてくれるのも嬉しいし!
だからかな、いつもよりもずっと速く泳ぐ事が出来たみたい。
地上は足音だらけで何が起きているかわかんない。
でも黄空界はテッシャの庭みたいなものだから迷わないって自信がある。
どんな音だらけでも、ちゃんと目的地の傍まで連れてってあげるんだから!
『着いたー!』
それでようやくお城の敷地内に辿り着いたよ!
蔵の中へと、ざっぱーんって飛び出す様にして!
もちろん今回だけは空気を読んで叫ばなかったよー。
「……よし、首尾は上々だ。周囲の状況はわかるか?」
「んとね、壁のずっと向こうに兵士が四人くらい。あと城周りには沢山いるかなー」
「やはりそう簡単には侵入出来そうにないか」
お城の中も何人か兵士がいるから、直接行くのは無理だった。
ここが一番近くて安全だなって感じ。
バレたら多分、周囲の兵士が一挙に集まるだろうしなぁ……。
「しかし悠長に機会を待つ訳にはいかない。この間にも衝突はもう始まっているハズだからな」
「うん、さっきノオンちゃん達の雄叫びが土中にも響いて来たよ」
「ノオンちゃの場合、勇み足ーで先に戦ってそー」
けどだからって尻込みしてたら、皆が大変な事になっちゃうかもしれない。
そんな結末、テッシャは絶対に嫌だ。
だったら、ここはテッシャがやらなきゃなんない。
「アークィン、ここはテッシャが引き付けるよ。その間にフィーとお城に侵入して」
「……やれるのか?」
「もっちろん! その為にテッシャには力が与えられたんだからー!」
もしお母さんが予言した通りなら、大地の力は今日の為にあるんだ。
誰かが望んだ英雄なんかの為じゃなく、銀麗騎志団の為に。
だって、それがテッシャの一番望む事なんだから。
「だからね、アークィン。もしこの戦いが終わって、世界が平和になって落ち着いたら……時々でもいいから黄空界に遊びに来てね? きっと退屈で干からびてるから」
でもテッシャは我儘だから。
折角だし、こんなお願いもしちゃう。
少しでも元気を貰って、大事な事を失敗してしまわない様に。
じゃないと張り合いが無いもんね。
「そういう事は戦いが終わってから――まぁいいか。わかった、何度でも遊びに行くさ。もちろん皆でな」
「うん、約束だよっ!」
それにこう返してくれる事もわかっていたから。
だからテッシャは笑って頷けたんだ。
蔵から意気揚々と飛び出せるくらいの元気が出たんだから!
「わっほー! テッシャ登場ー! ざっぱぁ~~~んッ!!」
「何ッ!? 敵襲だとッ!?」
「敵襲ーッ!! 守護兵団、襲撃者を打破せよ!」
テッシャの役割はあくまでアークィンとフィーの護送。
そして安全にアルケティさんの所まで連れて行く事!
その為にも兵士さんには皆、テッシャに夢中になってもらわなきゃ!
「うおおおッ!? 土内や建物を潜航しているだとーッ!?」
「なんて恐るべき速さだーッ!? 捉えられんッ!!」
「しかもどこから現れるか全く予想が付かないーーーッ!!?」
でもこの黄空界ならテッシャを止める事は誰にも出来ないよ。
だって、この国は建物でさえ全て土属性、砂で出来ているんだからね!
なら、大地魔法の力でどこにだって潜航できちゃうんだ!
「ううッ!? あの動き……ま、まさかアイツはッ!?」
「そ、そうだ! 確か奴は二年前に【芸術都市マルクサ】を裸父像まみれにし、【トワルン居住領域】をまるごと農耕地に変えた土竜娘だーーーッ!!」
「なんだって!? 黄空界の産業が一気に停滞し、国力が急激に衰退するハメになったっていうあの凄惨な事件の元凶だとおーーーッ!?」
アークィン達には触れさせないよ!
それがテッシャの今の役目だから!
まーでも! 皆テッシャの美貌に惹き付けられたみたいだけどねーっ!
「奴を捕まえろォ!」
「絶対に逃がすなァァァ!」
「例え命に代えてもォォォッ!!」
「何としてでも捕らえ、おしおきせねばーーーッ!!」
やーん、まいっちゃうー!
皆に愛されてテッシャうっれしー!
「「「――この国が、滅ぶ前に!!!!!」」」
お母さん、テッシャは言われた通り、自分の思うままに力を使ってるよ。
こうやって色んな人に愛されて、追いかけ回されるくらいにね。
だからテッシャは満足です。
これなら例え王位を継ぐ事になっても楽しくやっていけそう。
大好きな友達とも巡り合えたから、きっと幸運な人生だって思えたから。
この世界に生まれた事に、後悔なんて何一つ無いんだって。
〝お前は愛したいと望まれて生まれた訳じゃないんだよ〟って。
けどね、こうとも教えてくれたよ。
〝それでも運命に負けず、自由に生きて欲しい。だからお前に混血という欠点と王家の血筋という長所、そして大地の精霊の加護を与えたんだ〟って。
こう伝えて、お母さんは光の中に消えていった。
そのお母さんはもう顔も思い出せない。
声もうろ覚えで、会ってもわからないかもしれないね。
だけどテッシャは別に恨んでないし、むしろ会いたいって思ってる。
それで大きくなってからお母さんを探してみたよ。
王位なんて放り出して、黄空界中をくまなく掘り回って。
この力をくれたのはもしかして探して欲しいからなんじゃないかって思ったから。
その結果は残念ながら見つからずに終わったけれど。
けど、代わりにもう一つ教えてくれた事を思い出す事が出来たんだ。
〝こうして与えた力をどうかお前の愛する者の為に使って欲しい。そしてその愛で多くの者達が救われん事を切に願います〟
きっとお母さんは今日の様な出来事を予想していたのかもしれない。
いつか国を背負って、友達と一緒に戦うって事を。
その為に【地懐双爪カエトハァル】を託してくれたんだろうって。
だからね、テッシャは嬉しいんだ。
その力と血筋と、巡り合いっていう運命に恵まれて。
アークィン達になら、テッシャに与えられた力を使いたいって思えるから。
『もうすぐお城の近くに辿り着くよー!』
『さすがだな、やはりこの速度は尋常じゃない』
にゃふふ、こうやって褒めてくれるのも嬉しいし!
だからかな、いつもよりもずっと速く泳ぐ事が出来たみたい。
地上は足音だらけで何が起きているかわかんない。
でも黄空界はテッシャの庭みたいなものだから迷わないって自信がある。
どんな音だらけでも、ちゃんと目的地の傍まで連れてってあげるんだから!
『着いたー!』
それでようやくお城の敷地内に辿り着いたよ!
蔵の中へと、ざっぱーんって飛び出す様にして!
もちろん今回だけは空気を読んで叫ばなかったよー。
「……よし、首尾は上々だ。周囲の状況はわかるか?」
「んとね、壁のずっと向こうに兵士が四人くらい。あと城周りには沢山いるかなー」
「やはりそう簡単には侵入出来そうにないか」
お城の中も何人か兵士がいるから、直接行くのは無理だった。
ここが一番近くて安全だなって感じ。
バレたら多分、周囲の兵士が一挙に集まるだろうしなぁ……。
「しかし悠長に機会を待つ訳にはいかない。この間にも衝突はもう始まっているハズだからな」
「うん、さっきノオンちゃん達の雄叫びが土中にも響いて来たよ」
「ノオンちゃの場合、勇み足ーで先に戦ってそー」
けどだからって尻込みしてたら、皆が大変な事になっちゃうかもしれない。
そんな結末、テッシャは絶対に嫌だ。
だったら、ここはテッシャがやらなきゃなんない。
「アークィン、ここはテッシャが引き付けるよ。その間にフィーとお城に侵入して」
「……やれるのか?」
「もっちろん! その為にテッシャには力が与えられたんだからー!」
もしお母さんが予言した通りなら、大地の力は今日の為にあるんだ。
誰かが望んだ英雄なんかの為じゃなく、銀麗騎志団の為に。
だって、それがテッシャの一番望む事なんだから。
「だからね、アークィン。もしこの戦いが終わって、世界が平和になって落ち着いたら……時々でもいいから黄空界に遊びに来てね? きっと退屈で干からびてるから」
でもテッシャは我儘だから。
折角だし、こんなお願いもしちゃう。
少しでも元気を貰って、大事な事を失敗してしまわない様に。
じゃないと張り合いが無いもんね。
「そういう事は戦いが終わってから――まぁいいか。わかった、何度でも遊びに行くさ。もちろん皆でな」
「うん、約束だよっ!」
それにこう返してくれる事もわかっていたから。
だからテッシャは笑って頷けたんだ。
蔵から意気揚々と飛び出せるくらいの元気が出たんだから!
「わっほー! テッシャ登場ー! ざっぱぁ~~~んッ!!」
「何ッ!? 敵襲だとッ!?」
「敵襲ーッ!! 守護兵団、襲撃者を打破せよ!」
テッシャの役割はあくまでアークィンとフィーの護送。
そして安全にアルケティさんの所まで連れて行く事!
その為にも兵士さんには皆、テッシャに夢中になってもらわなきゃ!
「うおおおッ!? 土内や建物を潜航しているだとーッ!?」
「なんて恐るべき速さだーッ!? 捉えられんッ!!」
「しかもどこから現れるか全く予想が付かないーーーッ!!?」
でもこの黄空界ならテッシャを止める事は誰にも出来ないよ。
だって、この国は建物でさえ全て土属性、砂で出来ているんだからね!
なら、大地魔法の力でどこにだって潜航できちゃうんだ!
「ううッ!? あの動き……ま、まさかアイツはッ!?」
「そ、そうだ! 確か奴は二年前に【芸術都市マルクサ】を裸父像まみれにし、【トワルン居住領域】をまるごと農耕地に変えた土竜娘だーーーッ!!」
「なんだって!? 黄空界の産業が一気に停滞し、国力が急激に衰退するハメになったっていうあの凄惨な事件の元凶だとおーーーッ!?」
アークィン達には触れさせないよ!
それがテッシャの今の役目だから!
まーでも! 皆テッシャの美貌に惹き付けられたみたいだけどねーっ!
「奴を捕まえろォ!」
「絶対に逃がすなァァァ!」
「例え命に代えてもォォォッ!!」
「何としてでも捕らえ、おしおきせねばーーーッ!!」
やーん、まいっちゃうー!
皆に愛されてテッシャうっれしー!
「「「――この国が、滅ぶ前に!!!!!」」」
お母さん、テッシャは言われた通り、自分の思うままに力を使ってるよ。
こうやって色んな人に愛されて、追いかけ回されるくらいにね。
だからテッシャは満足です。
これなら例え王位を継ぐ事になっても楽しくやっていけそう。
大好きな友達とも巡り合えたから、きっと幸運な人生だって思えたから。
この世界に生まれた事に、後悔なんて何一つ無いんだって。
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