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第三章
第134話 陽珠の君
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陽珠の眩い輝きが俺達を迎える。
一切の不快感をもたらさない不思議な輝きが。
恐らく、この光もまた陽珠の君が自由に操れるに違いない。
熱量や光度の影響力の度合いも全て。
その匙加減で相手を焼き溶かす事さえ可能という訳だ。
先の機空船の様にな。
しかし俺達はこうして平然と立てている。
それはつまり、陽珠の君に受け入れられたという事なのだろう。
そんな状況に僅かに安堵しつつ、重い脚を引きずって陽珠の入口へ。
簡素な木製扉をおもむろに開いて内部を露わにする。
すると早速、俺達の視界に一人の女が映り込んだ。
「ようやく来たか、救世主一行。フッフフ……」
ただ、その立ち姿には皆が驚きを隠せないでいる。
褐色肌に長い白銀の髪、それでいて艶めかしいボディライン。
色気と肉付きが同居する、女性の武器を前面に押し出す様相ときたのだから。
これは予想外だな。
世界を守る神の様な存在だから、もっと奥ゆかしいと思っていたんだが。
「……さっきの輝きは俺達を助けてくれた、と捉えていいんだよな? だとしたら感謝する。あれが無ければ俺達は危なかった」
「あぁ~、なぁに気にする必要は無い。わらわの領域で好き勝手にやり始めたからには制裁せねばなるまいて」
とはいえ、心の大らかさはそれなりにあるらしい。
俺達まで纏めて消去、なんて事をしないでくれるくらいには。
ま、訪陽日でもないのにこうして受け入れたんだ。
それだけあの少年神の使者が待ち遠しかったというのもあるんだろう。
でもだからと言って感謝に伏すつもりは無い。
コイツはまだ信用に足る人物とは言い難いからな。
それに件の逸話があるからこそ、むしろ不信感の方が大きいんだ。
だから皆、陽珠へと足を踏み入れるも警戒を解かない。
一体何をされるか、まだ誰も予想さえ出来ないからこそ。
「やれやれ、一体何をそんなに身構えとるかのぉ~。あの神が太鼓判を押した奴等というから、楽しく話が出来ると踏んでおったのじゃが」
「当然だ。エルナーシェ姫の事がある以上、油断なんて出来る訳が無い」
その懸念はと言えば当然、エルナーシェ姫の謀殺の事。
コイツには姫を貶めて自殺に追いやった経緯がある。
そうした理由や動機を知らないのに信用など出来るものかよ。
「折角だから手始めに訊いておく。何故エルナーシェ姫を投身に追い込んだ?」
「何かと思えばなるほど、あの小娘か……」
「もし彼女がいれば世界はもっとマシだっただろうさ。けど失ってしまったからこそ世界はここまで歪んでしまった。彼女がいればアルケティもニペルも死ななくて済んだかもしれないのに……!」
ならもはや敬意をすら払う必要は無い。
むしろここまで募りに募った鬱憤や憤りを吐き出させてもらうとしよう。
俺達は思い通りに動く駒ではないんだ。
人だから、心があるから。
「答えろッ! その返答次第ではこの場で俺がお前を罰するッ!!」
仲間達ももう覚悟を決めたらしく、俺の言葉に何一つ動揺しない。
全ての元凶が陽珠の君にあると誰しもが思っていたからこそ。
ただ、そんな頑なな俺達を前に、陽珠の君は呆れた様に手を挙げていて。
それどころか厭らしそうに微笑みつつ溜息まで漏らすという。
まるで俺達の無知を嘲笑うかのように。
「おぉ~怖いのう。そう殺気立つな若者よ。そういった初々しい所はそそるが、話を聞く態度ではなかろう?」
「悪いが貴族でもない俺に敬意などという期待は無意味だ。それに、これでも冷静でな。聞く分には何の問題も無い……!」
「フフッ、そうか……」
しかもその仕草も無駄に蟲惑的だ。
豊満な胸を組んだ両腕で寄せ上げるなどで己の身体を強調していて。
俺を誘っているかの様に視線が熱い。
しかしそんな仕草の間も無く、陽珠の君から微笑みが消える。
それもあらぬ方へと顔を背けて。
「……あの小娘はもう限界だった。三年など言わずとも、残り一年足らずでその信念を砕かれ、心折れて全てを棄てていたであろう」
「「「なッ!?」」」
「それだけ、世界は元より腐っていたという事じゃ。加えて其方達が遭って来た謀略の数々、その現実を力で解決出来ぬ小娘が目の当たりにした時、どうなるかなど想像も出来よう」
その眼はまるで全てを見通したかの様だった。
先の眼差しと違い、鋭く細められていて。
想いを馳せ、思い詰めたかの如く。
「だからわらわが手助けをしたのじゃ。この様な世界に腐らされるよりもずっと良い方法でのう」
「ずっと良い、だと!? 殺す事が救いだとでも言いたいのか……!」
そんな表情からふと、あの少年神の事を思い出す。
人の偏った思考に影響され、偏った言葉しか連ねられなかった事を。
陽珠の君もまた、人とは長く端的な出会いしかしていないだろうから。
故に、今の言葉には隠れた意図があるのかとさえ勘繰ってしまう。
実は本気で善意で姫を貶めたのか、と。
「わらわがあの小娘を殺した、か。フッ……フフフ、アッハハハハ!!」
「「「ッ!?」」」
だがその時、そんな憶測さえ吹き飛ばす笑い声が高らかに響いた。
何一つ悪びれる事さえ無く。
――いや、悪びれる必要など元より無かったのだ。
なにせ、この女は俺達が思う様な悪事など犯していなかったのだから。
「心配する必要は無い。エルナーシェ姫は生きておるよ」
「「「えッ!?」」」
そう、陽珠の君はエルナーシェ姫を殺していない。
今なおどこかで生きているというのだ。
「きっと今頃、しっかりと自由を堪能している所であろう。姫としてではなく人間として、この世界に広がったしがらみから解放されてのぉ」
「そんな……じゃあ一体どこにいるって言うのさ!?」
「どこって、そんなの決まっておるであろう……〝隣の世界〟よ」
「「「え……隣の、世界!?」」」
「そう。この虹空界とは似て非なる世界、空の底を越えた先に在る大地の事じゃ」
それも驚くべき事実を以って。
陽珠の君が人差し指を直下へと示しながら。
「本来、空の底はこの世界の者には越えられん様になっておってな。しかしその理さえ越えさせる力がこの陽珠にはある」
「じゃあ、この陽珠からその隣の世界とやらに行けるという事か!?」
「その通りじゃ。もちろんわらわの意思次第となるがのぉ」
恐らく、これが少年神の言っていた「世界を救う方法を探す手段」なのだろう。
全く別の世界へと渡り、多くを学んで可能性を引き出すという。
だからかつての救世主候補達も次の世界へ送り込まれたんだ。
もちろん、エルナーシェ姫も同様にして。
「あの神に言われなかったか? エルナーシェ姫は本来、其方達と共に行動するハズだったと」
「そ、そうなのかい!?」
「初耳だねぇ」
「そんな事言われてなーい!」
「……はぁ~全く、あの神はそういう所がちーっとも優しくないのぉ~~~!」
それは彼女もまた救世主の一人だったから。
俺とフィーを除き、五人目の選ばれた使徒になる――予定だったのだろう。
もしもその命が今も保てているのならば。
これより陽珠の君が満を持して語る。
エルナーシェ姫が何故、先に隣の世界へと送られたのかを。
そしてこの虹空界が如何に愚かで醜く、脆く儚い世界なのかをも。
一切の不快感をもたらさない不思議な輝きが。
恐らく、この光もまた陽珠の君が自由に操れるに違いない。
熱量や光度の影響力の度合いも全て。
その匙加減で相手を焼き溶かす事さえ可能という訳だ。
先の機空船の様にな。
しかし俺達はこうして平然と立てている。
それはつまり、陽珠の君に受け入れられたという事なのだろう。
そんな状況に僅かに安堵しつつ、重い脚を引きずって陽珠の入口へ。
簡素な木製扉をおもむろに開いて内部を露わにする。
すると早速、俺達の視界に一人の女が映り込んだ。
「ようやく来たか、救世主一行。フッフフ……」
ただ、その立ち姿には皆が驚きを隠せないでいる。
褐色肌に長い白銀の髪、それでいて艶めかしいボディライン。
色気と肉付きが同居する、女性の武器を前面に押し出す様相ときたのだから。
これは予想外だな。
世界を守る神の様な存在だから、もっと奥ゆかしいと思っていたんだが。
「……さっきの輝きは俺達を助けてくれた、と捉えていいんだよな? だとしたら感謝する。あれが無ければ俺達は危なかった」
「あぁ~、なぁに気にする必要は無い。わらわの領域で好き勝手にやり始めたからには制裁せねばなるまいて」
とはいえ、心の大らかさはそれなりにあるらしい。
俺達まで纏めて消去、なんて事をしないでくれるくらいには。
ま、訪陽日でもないのにこうして受け入れたんだ。
それだけあの少年神の使者が待ち遠しかったというのもあるんだろう。
でもだからと言って感謝に伏すつもりは無い。
コイツはまだ信用に足る人物とは言い難いからな。
それに件の逸話があるからこそ、むしろ不信感の方が大きいんだ。
だから皆、陽珠へと足を踏み入れるも警戒を解かない。
一体何をされるか、まだ誰も予想さえ出来ないからこそ。
「やれやれ、一体何をそんなに身構えとるかのぉ~。あの神が太鼓判を押した奴等というから、楽しく話が出来ると踏んでおったのじゃが」
「当然だ。エルナーシェ姫の事がある以上、油断なんて出来る訳が無い」
その懸念はと言えば当然、エルナーシェ姫の謀殺の事。
コイツには姫を貶めて自殺に追いやった経緯がある。
そうした理由や動機を知らないのに信用など出来るものかよ。
「折角だから手始めに訊いておく。何故エルナーシェ姫を投身に追い込んだ?」
「何かと思えばなるほど、あの小娘か……」
「もし彼女がいれば世界はもっとマシだっただろうさ。けど失ってしまったからこそ世界はここまで歪んでしまった。彼女がいればアルケティもニペルも死ななくて済んだかもしれないのに……!」
ならもはや敬意をすら払う必要は無い。
むしろここまで募りに募った鬱憤や憤りを吐き出させてもらうとしよう。
俺達は思い通りに動く駒ではないんだ。
人だから、心があるから。
「答えろッ! その返答次第ではこの場で俺がお前を罰するッ!!」
仲間達ももう覚悟を決めたらしく、俺の言葉に何一つ動揺しない。
全ての元凶が陽珠の君にあると誰しもが思っていたからこそ。
ただ、そんな頑なな俺達を前に、陽珠の君は呆れた様に手を挙げていて。
それどころか厭らしそうに微笑みつつ溜息まで漏らすという。
まるで俺達の無知を嘲笑うかのように。
「おぉ~怖いのう。そう殺気立つな若者よ。そういった初々しい所はそそるが、話を聞く態度ではなかろう?」
「悪いが貴族でもない俺に敬意などという期待は無意味だ。それに、これでも冷静でな。聞く分には何の問題も無い……!」
「フフッ、そうか……」
しかもその仕草も無駄に蟲惑的だ。
豊満な胸を組んだ両腕で寄せ上げるなどで己の身体を強調していて。
俺を誘っているかの様に視線が熱い。
しかしそんな仕草の間も無く、陽珠の君から微笑みが消える。
それもあらぬ方へと顔を背けて。
「……あの小娘はもう限界だった。三年など言わずとも、残り一年足らずでその信念を砕かれ、心折れて全てを棄てていたであろう」
「「「なッ!?」」」
「それだけ、世界は元より腐っていたという事じゃ。加えて其方達が遭って来た謀略の数々、その現実を力で解決出来ぬ小娘が目の当たりにした時、どうなるかなど想像も出来よう」
その眼はまるで全てを見通したかの様だった。
先の眼差しと違い、鋭く細められていて。
想いを馳せ、思い詰めたかの如く。
「だからわらわが手助けをしたのじゃ。この様な世界に腐らされるよりもずっと良い方法でのう」
「ずっと良い、だと!? 殺す事が救いだとでも言いたいのか……!」
そんな表情からふと、あの少年神の事を思い出す。
人の偏った思考に影響され、偏った言葉しか連ねられなかった事を。
陽珠の君もまた、人とは長く端的な出会いしかしていないだろうから。
故に、今の言葉には隠れた意図があるのかとさえ勘繰ってしまう。
実は本気で善意で姫を貶めたのか、と。
「わらわがあの小娘を殺した、か。フッ……フフフ、アッハハハハ!!」
「「「ッ!?」」」
だがその時、そんな憶測さえ吹き飛ばす笑い声が高らかに響いた。
何一つ悪びれる事さえ無く。
――いや、悪びれる必要など元より無かったのだ。
なにせ、この女は俺達が思う様な悪事など犯していなかったのだから。
「心配する必要は無い。エルナーシェ姫は生きておるよ」
「「「えッ!?」」」
そう、陽珠の君はエルナーシェ姫を殺していない。
今なおどこかで生きているというのだ。
「きっと今頃、しっかりと自由を堪能している所であろう。姫としてではなく人間として、この世界に広がったしがらみから解放されてのぉ」
「そんな……じゃあ一体どこにいるって言うのさ!?」
「どこって、そんなの決まっておるであろう……〝隣の世界〟よ」
「「「え……隣の、世界!?」」」
「そう。この虹空界とは似て非なる世界、空の底を越えた先に在る大地の事じゃ」
それも驚くべき事実を以って。
陽珠の君が人差し指を直下へと示しながら。
「本来、空の底はこの世界の者には越えられん様になっておってな。しかしその理さえ越えさせる力がこの陽珠にはある」
「じゃあ、この陽珠からその隣の世界とやらに行けるという事か!?」
「その通りじゃ。もちろんわらわの意思次第となるがのぉ」
恐らく、これが少年神の言っていた「世界を救う方法を探す手段」なのだろう。
全く別の世界へと渡り、多くを学んで可能性を引き出すという。
だからかつての救世主候補達も次の世界へ送り込まれたんだ。
もちろん、エルナーシェ姫も同様にして。
「あの神に言われなかったか? エルナーシェ姫は本来、其方達と共に行動するハズだったと」
「そ、そうなのかい!?」
「初耳だねぇ」
「そんな事言われてなーい!」
「……はぁ~全く、あの神はそういう所がちーっとも優しくないのぉ~~~!」
それは彼女もまた救世主の一人だったから。
俺とフィーを除き、五人目の選ばれた使徒になる――予定だったのだろう。
もしもその命が今も保てているのならば。
これより陽珠の君が満を持して語る。
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