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アメリカンブレックファースト

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「いただきます」
ご飯の前に唱えるたびに、幸せを感じる。
トーストか丸パン時におにぎり。
ジュースが牛乳、寒い季節はココア。
目玉焼きとソーセージが2本。
レタスとキューリとミニトマト。
バナナ。
ヨーグルト。
目玉焼きが卵焼きになったり焼き魚になることもあるが、だいたい毎朝こんな感じ。
お父さん、お母さんありがとう。
幸せを噛み締めながら、しっかり全部いただいて登校。
お弁当楽しみ。

気持ちよく登校したわたしを待っていたのは、クラス分けの書かれた掲示板。
これで今年度一年間の運勢が決まる行って良い。
ああ神様。
どうか、どうかあの五人と同じクラスになりませんように。
4クラスしかない以上難しいのはわかってる。
でもその奇跡が昨年は起きたのだ。
4人が1組、残る1人が2組でわたしが3組。
入学式で彼らを見て血の気が引いた。
貧血みたいになってぶっ倒れてしまった。
人生でたった一度の高校の入学式を保健室で過ごしたのだ。
無理はない。
だって前世で見た顔だったんだもの。
わたしには、前世の記憶がある。
と言うか五人を見て思い出した。
忘れられない顔だった。
だって、うちの村を滅ぼした勇者一行だったから。

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