24 / 298
新しい生活
24.なぜ脱衣所に服がない?
しおりを挟む
大浴場は一階の広間のすぐ隣にあった。
龍人族は水浴びが好きだと聞くし、お風呂も彼らにとっては大事なものらしい。
恐る恐る脱衣所に入ってみると他に誰もいる様子はない。
今のうちなら大丈夫そうだ。
服を脱いで風呂へと入る。
巨大な浴室は半分が湯船になっていて日本の温泉とよく似ていた。
湯船に張られたお湯は天然泉なのか青く濁っている。
日本で入った温泉を懐かしく思い出しながら浴室の中に入っていった。
その時、湯気の中に人影が見えた。
誰か入っているのか?
脱衣所に他の服なんかなかったぞ!?
薄らぐ湯気の向こうに見えたのは、柔らかな曲線を描いた腰とその下に垂れる龍人族にしてはやけにほっそりとした尻尾。
ま、まさか……
「ん、テツヤも風呂に入りに来たのか?」
そう言って振り向いたのはアマーリアだった。
当然ながら一糸まとわぬ姿だ。
「な、な、な……」
「どうした?風呂の入り方を知らないのか?」
言葉を忘れた俺にアマーリアが不思議そうな顔をしながら近づいてきた。
真っ裸で。
水を滴らせた二つの球体が俺の眼前で揺れている。
「ご、ごめん!」
俺は踵を返して風呂場から飛び出した。
な、なんでアマーリアがここに!
着るものも碌に着ずに浴場から飛び出すとタオルを持ったフェナクがやってくる所だった。
「もう上がったのですか?お早いのですね」
「な、な、なんでアマーリアが入ってるんだ!」
「そう言えばアマーリア様が入っていることを言うのを忘れていました。それがなにか?」
「なにかって、不味いだろ!男と女が一つの風呂に入るとか!」
「それが何か?」
フェナクが不思議そうな顔をしている。
「龍人族では当たり前のことですけど?」
あいた口が塞がらなかった。
そ、そういうものなのか。
いや、種族によって風習は違うものだけど、羞恥心も違うものだけど!
「ま、まあそれは良いや。そういうものなのかもしれないな、うん。でもなんで脱衣所に服がなかったんだよ?」
「お嬢様は屋敷内だと裸族なことが多いのです。流石に行儀が悪いと何度も言っているのですがなかなか直らなくて…」
フェナクがため息をついている。
いや、ため息で済む問題なのか、それ?
「おーい、フェナク。タオルは持ってきてくれたかい?」
その時大浴場のドアが開いてアマーリアが出てきた。
裸で。
「お嬢様、お風呂に入る前にタオルを持っていかないと床が濡れてしまうと何度も言っているのに」
「悪い悪い、早く入りたくてついね」
二人はまるで何でもないことのように話をしている。
当然裸で。
「テツヤ、さっきはなんで急に出て行ったのだ?まだ入っていないのだろう?」
フェナクに頭を拭いてもらいながらアマーリアが聞いてきた。
やっぱり裸で。
「…お、俺は…あ、後で入るからっ!!」
叫んで部屋へと駆け戻った
「なんだ、せっかく一緒に入ろうと思ったのに」
「人族と我々では考えが違うようですね。それよりも裸で歩き回るのは流石に無礼ですよ」
二人がそんな会話を続けている。
なんなんだ、この屋敷は。
本当にここで俺は暮らしていけるのか?
というか今後アマーリアの顔をまともに見れるのか?
俺は記憶を消さんばかりにひたすら走り続けた。
◆
部屋の中にカチャカチャと食器の立てる音が響いている。
あれから部屋に戻った俺はすぐに昼食の用意ができたと食堂へ案内された。
食堂には既にアマーリアとキリが待っていた。
今のアマーリアはゆったりとしたシャツとボトムを履いているけど、濡れた髪はまだ乾ききっておらず、大きく開けた襟元からはこぼれおちそうな胸の谷間が覗いている。
さっきの光景を思い出して顔が火を噴きそうなくらい熱くなったがなんとか平静を装った。
出てきた料理はどれも美味しそうなものばかりだったけど、頭の中にアマーリアの裸体がちらついて正直言って味がほとんどわからない。
「あ~」
しばらく経ってからアマーリアが口を開いた。
「さっきは申し訳なかった。人族は男女で同じ風呂に入る習慣がなかったのだな。以後気を付けることにするよ」
「…いや、確認しなかった俺も悪かった」
なんと言っていいのかわからず、辛うじてもごもごと返事をする。
「なに?アマーリアとご主人様一緒に風呂に入ってたの?ずるい!キリも入りたかったのに!」
やめて、まぜっかえさないで。
「…これからは部屋にあるバスルームを使うことにするよ」
「それは駄目だ!」
俺の言葉にアマーリアが急に口調を強めた。
「客人にまともな風呂を提供できないとあっては龍人族の沽券にかかわる!それに部屋についているのは沐浴のためのものであって風呂ではないぞ。あれを風呂と呼ばれるのは心外だ」
う、そんな拘りがあるなんて。
龍人族の風呂に対する誇りは日本人を思い出すな。
あの種族も風呂に対して並々ならぬ執着があったっけ。
「じゃ、じゃあせめて男湯を用意してもらえないかな?」
「うちの屋敷にあるのはあの風呂だけだぞ?」
ですよね~、龍人族は男女一緒に入るんですもんね~。
うーむ、こうなったら入ってますというプレートを作っておくしかないか。
「そういえばテツヤはこれからどうする?あの家に必要なものがあるなら部下に言って持ってこさせるが」
「うーん、そこまで必要な物はないかな。とりあえず今日は町を散歩しようかな。考えてみたら城下町の方はまだ回ったことがないし」
「キリも行く!」
巨大なステーキを頬張りながらキリが手をあげた。
「わかった。それでは私が町の案内をしよう。幸い今日はいい天気だから町歩きにはもってこいだ」
そんなこんなでなんとかアマーリアの屋敷での初めての食事が終わったのだった。
デザートは桃のシャーベットでした。
龍人族は水浴びが好きだと聞くし、お風呂も彼らにとっては大事なものらしい。
恐る恐る脱衣所に入ってみると他に誰もいる様子はない。
今のうちなら大丈夫そうだ。
服を脱いで風呂へと入る。
巨大な浴室は半分が湯船になっていて日本の温泉とよく似ていた。
湯船に張られたお湯は天然泉なのか青く濁っている。
日本で入った温泉を懐かしく思い出しながら浴室の中に入っていった。
その時、湯気の中に人影が見えた。
誰か入っているのか?
脱衣所に他の服なんかなかったぞ!?
薄らぐ湯気の向こうに見えたのは、柔らかな曲線を描いた腰とその下に垂れる龍人族にしてはやけにほっそりとした尻尾。
ま、まさか……
「ん、テツヤも風呂に入りに来たのか?」
そう言って振り向いたのはアマーリアだった。
当然ながら一糸まとわぬ姿だ。
「な、な、な……」
「どうした?風呂の入り方を知らないのか?」
言葉を忘れた俺にアマーリアが不思議そうな顔をしながら近づいてきた。
真っ裸で。
水を滴らせた二つの球体が俺の眼前で揺れている。
「ご、ごめん!」
俺は踵を返して風呂場から飛び出した。
な、なんでアマーリアがここに!
着るものも碌に着ずに浴場から飛び出すとタオルを持ったフェナクがやってくる所だった。
「もう上がったのですか?お早いのですね」
「な、な、なんでアマーリアが入ってるんだ!」
「そう言えばアマーリア様が入っていることを言うのを忘れていました。それがなにか?」
「なにかって、不味いだろ!男と女が一つの風呂に入るとか!」
「それが何か?」
フェナクが不思議そうな顔をしている。
「龍人族では当たり前のことですけど?」
あいた口が塞がらなかった。
そ、そういうものなのか。
いや、種族によって風習は違うものだけど、羞恥心も違うものだけど!
「ま、まあそれは良いや。そういうものなのかもしれないな、うん。でもなんで脱衣所に服がなかったんだよ?」
「お嬢様は屋敷内だと裸族なことが多いのです。流石に行儀が悪いと何度も言っているのですがなかなか直らなくて…」
フェナクがため息をついている。
いや、ため息で済む問題なのか、それ?
「おーい、フェナク。タオルは持ってきてくれたかい?」
その時大浴場のドアが開いてアマーリアが出てきた。
裸で。
「お嬢様、お風呂に入る前にタオルを持っていかないと床が濡れてしまうと何度も言っているのに」
「悪い悪い、早く入りたくてついね」
二人はまるで何でもないことのように話をしている。
当然裸で。
「テツヤ、さっきはなんで急に出て行ったのだ?まだ入っていないのだろう?」
フェナクに頭を拭いてもらいながらアマーリアが聞いてきた。
やっぱり裸で。
「…お、俺は…あ、後で入るからっ!!」
叫んで部屋へと駆け戻った
「なんだ、せっかく一緒に入ろうと思ったのに」
「人族と我々では考えが違うようですね。それよりも裸で歩き回るのは流石に無礼ですよ」
二人がそんな会話を続けている。
なんなんだ、この屋敷は。
本当にここで俺は暮らしていけるのか?
というか今後アマーリアの顔をまともに見れるのか?
俺は記憶を消さんばかりにひたすら走り続けた。
◆
部屋の中にカチャカチャと食器の立てる音が響いている。
あれから部屋に戻った俺はすぐに昼食の用意ができたと食堂へ案内された。
食堂には既にアマーリアとキリが待っていた。
今のアマーリアはゆったりとしたシャツとボトムを履いているけど、濡れた髪はまだ乾ききっておらず、大きく開けた襟元からはこぼれおちそうな胸の谷間が覗いている。
さっきの光景を思い出して顔が火を噴きそうなくらい熱くなったがなんとか平静を装った。
出てきた料理はどれも美味しそうなものばかりだったけど、頭の中にアマーリアの裸体がちらついて正直言って味がほとんどわからない。
「あ~」
しばらく経ってからアマーリアが口を開いた。
「さっきは申し訳なかった。人族は男女で同じ風呂に入る習慣がなかったのだな。以後気を付けることにするよ」
「…いや、確認しなかった俺も悪かった」
なんと言っていいのかわからず、辛うじてもごもごと返事をする。
「なに?アマーリアとご主人様一緒に風呂に入ってたの?ずるい!キリも入りたかったのに!」
やめて、まぜっかえさないで。
「…これからは部屋にあるバスルームを使うことにするよ」
「それは駄目だ!」
俺の言葉にアマーリアが急に口調を強めた。
「客人にまともな風呂を提供できないとあっては龍人族の沽券にかかわる!それに部屋についているのは沐浴のためのものであって風呂ではないぞ。あれを風呂と呼ばれるのは心外だ」
う、そんな拘りがあるなんて。
龍人族の風呂に対する誇りは日本人を思い出すな。
あの種族も風呂に対して並々ならぬ執着があったっけ。
「じゃ、じゃあせめて男湯を用意してもらえないかな?」
「うちの屋敷にあるのはあの風呂だけだぞ?」
ですよね~、龍人族は男女一緒に入るんですもんね~。
うーむ、こうなったら入ってますというプレートを作っておくしかないか。
「そういえばテツヤはこれからどうする?あの家に必要なものがあるなら部下に言って持ってこさせるが」
「うーん、そこまで必要な物はないかな。とりあえず今日は町を散歩しようかな。考えてみたら城下町の方はまだ回ったことがないし」
「キリも行く!」
巨大なステーキを頬張りながらキリが手をあげた。
「わかった。それでは私が町の案内をしよう。幸い今日はいい天気だから町歩きにはもってこいだ」
そんなこんなでなんとかアマーリアの屋敷での初めての食事が終わったのだった。
デザートは桃のシャーベットでした。
46
あなたにおすすめの小説
薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました
久遠 れんり
ファンタジー
別の世界からの侵略を機に地球にばらまかれた魔素、元々なかった魔素の影響を受け徐々に人間は進化をする。
魔法が使えるようになった人類。
侵略者の想像を超え人類は魔改造されていく。
カクヨム公開中。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。
真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆
【あらすじ】
どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。
神様は言った。
「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」
現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。
神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。
それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。
あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。
そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。
そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。
ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。
この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。
さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。
そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。
チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。
しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。
もちろん、攻略スキルを使って。
もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。
下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。
これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。
【完結】異世界転移で、俺だけ魔法が使えない!
林檎茶
ファンタジー
俺だけ魔法が使えないとか、なんの冗談だ?
俺、相沢ワタルは平凡で一般的な高校二年生である。
成績は中の下。友達も少なく、誇れるような特技も趣味もこれといってない。
そんなつまらない日常は突如として幕を閉じた。
ようやく終わった担任の長話。喧騒に満ちた教室、いつもより浮き足立った放課後。
明日から待ちに待った春休みだというのに突然教室内が不気味な紅色の魔法陣で満ちたかと思えば、俺は十人のクラスメイトたちと共に異世界に転移してしまったのだ。
俺たちを召喚したのはリオーネと名乗る怪しい男。
そいつから魔法の存在を知らされたクラスメイトたちは次々に魔法の根源となる『紋章』を顕現させるが、俺の紋章だけは何故か魔法を使えない紋章、通称『死人の紋章』だった。
魔法という超常的な力に歓喜し興奮するクラスメイトたち。そいつらを見て嫉妬の感情をひた隠す俺。
そんな中クラスメイトの一人が使える魔法が『転移魔法』だと知るや否やリオーネの態度は急変した。
リオーネから危険を感じた俺たちは転移魔法を使っての逃亡を試みたが、不運にも俺はただ一人迷宮の最下層へと転移してしまう。
その先で邂逅した存在に、俺がこの異世界でやらなければならないことを突きつけられる。
挫折し、絶望し、苦悩した挙句、俺はなんとしてでも──『魔王』を倒すと決意する。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる