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夜の静けさの中で
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「……ん」
扉の向こうや窓の向こうに感じる人の気配で目が覚めた。まだ外は暗い。
だが、こんな深夜でも使用人や兵士が動き回っているのが王宮なのだ。
それが1年いなかっただけでここまで人の気配が気になるとは。改めてあの静かな雪に囲まれた館が恋しい。
「……」
そういえば、ここはどこなのだろう。
確か、イースは自分に部屋を用意したと言っていた。ここが、その部屋なのか。だが、部屋に移動した記憶が無い。
確か、自分のアランのマッサージのあとそのままアランにーー、
「!?!!?!?!?!?」
そこまで記憶を辿ったシャオは慌てて起き上がった。
ーーままままままままままて!!! 私は、主と何をしていた!?!?
自分は裸だ。文字通り、生まれたままの姿だ。
その理由はわかっている。あんなこと、忘れるはずもない。
「……」
恐る恐る、自分の横で眠る人物を確かめる。そこに居たのは、案の定、アランだった。
アランはまだ寝ている。銀の瞳が閉じられ、美しい赤髪が蜘蛛の巣のように乱れている。規則正しく寝息に合わせて動く胸は健康そのもので、シャオはそれだけほっと息を吐いた。
寝顔だけでも分かるその造形美を、いつもシャオなら時を忘れて眺めていただろう。
だが、今はそれどころでは無い。
昨日のシャオの痴態。あれは、夢ではない。現実なのだ。
自分は、アランに、主に抱かれた。
そして、自分はあろうことか、主に、アランに、愛しているとーー、
ーーわぁぁぁぁぁぁああああ!!!!
心の中で叫んだあと、隣にいるアランを起こさぬように、シャオはベッドから出た。
そして、ベッドの下に散乱している服をどうにか身につけ、シャオは部屋にある防寒用の木窓を外す。
この気持ちを早くどこかに魔素を込めてぶつけなければ。自分はどうにかなってしまいそうだった。
窓を開け、冷たい冷気を浴びる。その窓からーー。
『窓を閉めろ』
後方から機嫌の悪い声が聞こえてきた。
「あ……ッ」
シャオの脳が掴まれ、その手は勝手に窓を締める。
振り返ると、先程まで寝ていたはずのアランがシャオを睨みつけている。
「も、申し訳ありません!」
『来い』
再度従属魔法で命令される。
アラン含めルカ、イースと従属魔法を結んでいるのである程度効力が悪いのは分かっているが、それでもまだ従属魔法の効果は絶大でシャオの体は真っ直ぐにアランの方へ向かう。
「何をしていた」
未だ眠気から覚醒していないアランの声でもシャオは震えそうになる。
従属魔法に近しい威圧を感じ、シャオはどうにか気丈に保ちながら声を出した。
「そ、その、外の空気を入れようかと」
「まだ日も出ていないのにか?」
「……」
「王宮で無作為に魔法を使うな。王宮が壊れるだろう」
「……は、はい」
扉の向こうや窓の向こうに感じる人の気配で目が覚めた。まだ外は暗い。
だが、こんな深夜でも使用人や兵士が動き回っているのが王宮なのだ。
それが1年いなかっただけでここまで人の気配が気になるとは。改めてあの静かな雪に囲まれた館が恋しい。
「……」
そういえば、ここはどこなのだろう。
確か、イースは自分に部屋を用意したと言っていた。ここが、その部屋なのか。だが、部屋に移動した記憶が無い。
確か、自分のアランのマッサージのあとそのままアランにーー、
「!?!!?!?!?!?」
そこまで記憶を辿ったシャオは慌てて起き上がった。
ーーままままままままままて!!! 私は、主と何をしていた!?!?
自分は裸だ。文字通り、生まれたままの姿だ。
その理由はわかっている。あんなこと、忘れるはずもない。
「……」
恐る恐る、自分の横で眠る人物を確かめる。そこに居たのは、案の定、アランだった。
アランはまだ寝ている。銀の瞳が閉じられ、美しい赤髪が蜘蛛の巣のように乱れている。規則正しく寝息に合わせて動く胸は健康そのもので、シャオはそれだけほっと息を吐いた。
寝顔だけでも分かるその造形美を、いつもシャオなら時を忘れて眺めていただろう。
だが、今はそれどころでは無い。
昨日のシャオの痴態。あれは、夢ではない。現実なのだ。
自分は、アランに、主に抱かれた。
そして、自分はあろうことか、主に、アランに、愛しているとーー、
ーーわぁぁぁぁぁぁああああ!!!!
心の中で叫んだあと、隣にいるアランを起こさぬように、シャオはベッドから出た。
そして、ベッドの下に散乱している服をどうにか身につけ、シャオは部屋にある防寒用の木窓を外す。
この気持ちを早くどこかに魔素を込めてぶつけなければ。自分はどうにかなってしまいそうだった。
窓を開け、冷たい冷気を浴びる。その窓からーー。
『窓を閉めろ』
後方から機嫌の悪い声が聞こえてきた。
「あ……ッ」
シャオの脳が掴まれ、その手は勝手に窓を締める。
振り返ると、先程まで寝ていたはずのアランがシャオを睨みつけている。
「も、申し訳ありません!」
『来い』
再度従属魔法で命令される。
アラン含めルカ、イースと従属魔法を結んでいるのである程度効力が悪いのは分かっているが、それでもまだ従属魔法の効果は絶大でシャオの体は真っ直ぐにアランの方へ向かう。
「何をしていた」
未だ眠気から覚醒していないアランの声でもシャオは震えそうになる。
従属魔法に近しい威圧を感じ、シャオはどうにか気丈に保ちながら声を出した。
「そ、その、外の空気を入れようかと」
「まだ日も出ていないのにか?」
「……」
「王宮で無作為に魔法を使うな。王宮が壊れるだろう」
「……は、はい」
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