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転生先の世界 子供編

21話 班決めと自由行動話し合い

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「はい、来週は待ちに待った修学旅行だぞ!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

キター!! 修学旅行! 第1回修学旅行キターー!
ていうか「ぎゃあああ」ってなんだよ「ぎゃあああ」ってそんなにやなのか?

私はワクワクしてんだぞ!

まあ、無理もないか、この世界の修学旅行って初等部校長があみだくじで行き先を決めてるって聞いたことがあるからな…

ちなみに去年の6年生は山形県のお寺とイチゴ狩りに行ったらしい、誰得だよお母さんしか得しなさそう…。

可哀想だと思った…だけど、他人事ではいられない、今回も校長のあみだによって行き先が決まるという地獄的修学旅行が始まるのだ。

運良く楽しいところだったらいいのにな。


「行き先はまだ決まってはいないが今日中に決まるらしいから楽しみにしておけよ! ホームルーム終わり!」

そう言って先生は教室から出ていった。

そして、教室はかつて無いほどの騒ぎを引き起こした。


「やべぇよ! 今年も校長先生のあみだくじで行き先決めるらしいぞ!」
「去年の6年生死にかけてた!」
「誰か1組の夜長さんに頼みに行こう!」
「ばっか! 夜長さん今日休みだ!」

大変だな…

「ていうかさ…修学旅行って前もって決めておくものじゃないの? 修学旅行来週だよね?間に合うの?」
「まあ、間に合うんじゃねーの? 」
「今年はどこ行くんだろうね」
「知らね」
「私も知らねぇよ」

ぶっちゃけ私は小学校の時に行った修学旅行の行き先は福岡と長崎だったな。
まあ、うんそれなりに楽しかったよ?
今ではいい思い出だ。

思い出に浸っているとモブ男子…もとい山内が勢いよく駆け込んできた。
おい、お前の能力超速なんだからゆっくり入ってこいよ…前の席倒れてんぞ…


「修学旅行の行き先決まったらしい!」

なん、だと!?

「まじかよ! 聞いてきたのか!?」
「校長室の前で盗み聞きしてた!」
「良くやった!山内! 今日の給食のアセロラゼリーやるよ!」
「まあ、オレにかかればこんなものだ!」
「それで、行き先は?」 
「行き先はなんと────」

ついに修学旅行先が決まったのか…いい所だといいな、山内の反応的にガッカリしてないってことはいい所ということだな。


「おらー、席付けー 修学旅行の行き先決まったから班決めするぞー」

タイミング悪く先生も来た。

「先生どこ行くんですか?」
「喜べお前ら、今年は…大阪と京都に行くぞ!」

先生が行き先を言った瞬間みんな奇声というか黄声を上げた。

まて、騒ぐなお前ら大阪と京都だよ?
何が楽しいの?

私の前世の生まれ故郷だぞ大阪…。
ん? いや、待てよ?
この世界って私のいた世界とは異なるからもしかしたら楽しめる場所なのか?


「やったぜ! いにしえの国だー!」

古の国?

「京都って舞妓さんがいるのよね!」
「オレ大阪のジャンボたこ焼き食いてぇ!」

あ、はい…異なってはいなかったな…
ありのままでしたね。

ありの~ままの~姿見せ…

「そんな訳で班わけするぞー」

班わけか…私が小6だった頃、そそのままの班で班組むハメになって、しかもあまり話したことのない人たちだったから、気まずい思い出しかないことを私は覚えてる、そして、楽しくも屁もなかった。

「班を決めるのは、そのままの班でも良かったんだが…やっぱり友達同士の方がみんなもいいだろうから好きな人と班を組めよー 6人班で人半7人半だからなー」

やった!マジでか! じゃあ蒼ちゃんと小羽タンと組もう!あとの3人は適当でいいや!

「蒼ちゃん! 小羽たーん 一緒の班になろーー!」
「いいよ~」
「あっ…いいんですか?」
「もちろんウェルカム!」

良し、これで天使二人ゲットだぜ!
あとの可愛い女子は…。

あたりをキョロキョロするがだいたい決まり始めてる。
あと他はあまり話したことのない女子グループくらいだよ まあ、どうでもいい。

「あとの3人どうする?」
「うーん…あっ、カンラ君達入れたら丁度ピッタリだよ」
「カンラ…か…まあ、別にいいや」

友達だし。

「おーいカンラー一緒に組もうー」
「別にいいけど…」

凪仁の元へ行くとシャルルは当然のごとくいた。
そしてもう一人は私はあんまり話したことのない男子えっと名前なんだっけ…。

「瞳羽、風霧も一緒だけどいいか?」
「あ…あー! そうそう!そうだ風霧! 風支配の!」
「お前忘れてたな」
「いや、忘れてなんか… ていうか珍しいな風霧と組むなんて」
「まあ、な」
「僕は男だったら誰でもいいよ、ホントはあとの3人は男がよかったけど。」
「黙れホモ。」

取り敢えず私たちの班は決まりカンラが班長となり先生に班が決まったことを報告しに行った。


「じゃあちょうどこの時間は道徳だけど修学旅行で班内行き先決めだな、ちゃんと計画的に考えろよー」

はーいと返事をしそして騒がしくなる教室。
楽しいイベントが起こるとだいたい騒がしくなるよね、この間のマラソン大会と先週の期末テストでで意気消沈して死屍累々と化していたのにね、復活早いよねホント子供は元気だな。

子供関係ねぇな、誰でもそうだな…。


「取り敢えず最初は大阪から回るらしいから大阪のどこ行きたい?」
「あお、大阪限定のアイスクリーム屋さんに行きたい!」
「アイスなんてどこにでもあるだろ」
「…そうだけど…大阪の限定アイスは1日に100個しか売ってなくて…だからそれを食べないと!」
「…間に合えばな」
「瞳羽ちゃんのテレポートならスグじゃない?」

お?蒼ちゃんもしかして私に期待をしてくれてる!? でもごめん!

「いやいや、蒼ちゃんよ無理だよ私の場合行ったことがある場所じゃないとテレポート出来ないから」
「テレポーターならどこでもテレポートできると思ったんだけどガッカリだね見損なったよ花美咲」
「勝手に見損なえ」
「そっか…じゃあ諦めるしかないのかな…」
「だ、大丈夫だよ蒼ちゃん! お店の場所さえ分かっていれば猛ダッシュでお店に行けば間に合うよ!」
「瞳羽ちゃん……うん! そうだね! 」

天使の悲しむ顔など見たくない! 
私はどんなことをしてもこの天使達の笑顔を守らなくてはいけない義務があるのだ。

「花美咲さんは…どこか行きたいところとかはないんですか?」
「ん? いや?特に(前世大阪住んでたから大体何が名物で何が楽しいところとか分かってるし)
ていうか男どもはどこ行きたいの?」
「特に行きてぇ場所なんてねぇよ」

ないのかよ。

「俺は────」

風霧が口を開いた瞬間一斉に風霧を見た。

「何でそんな一斉に見るんだよ!?」
「意外なやつからの意見だから聞き漏らさないようにと思って。」

うんうんとみんな頷く、やだ以心伝心 きゃっ!

「えっと…大阪はどこでもいいんだけど、京都の自由時間内にちょっと行きたい場所があるんだ」
「お? どこどこ?」
「この前おばあちゃんから聞いた話なんだけど…」


あ、これ回想入るパティーンじゃね?
まあ、別にいいけど。



「おばあちゃんの話では京都の山奥に秘湯があるって言ってた。」

回想入んないんかい!!! ちょっと準備しちゃったじゃないか!何のだよ! いや、何自分と会話してんの私…

「秘湯ですか」
「温泉って泊まるとこのホテルにもあるんじゃね?」
「あー、やっぱりダメ?」
「うーん、それはまた後日で…」
「後日って言っても行けねぇだろ」
「私テレポーター! 修学旅行で京都の場所を行ったら覚える!」
「そうだったね」
「最近お前の使ってる力って怪力だから」
「おいコラ、粉々にすんぞ」
「と、とにかく! もう少しみんなで話し合って自由行動で行きたい場所決めようよ!」
「そ…そうですね!」

喧嘩になりそうだったところを天使二人がお止めに…やはりあなた方は天使です。

「話し合うっつってもなもう話し合うことなんて何も──」
「それは違うよ!」
「は? 何が?」
「もう一回よく話し合おうよ そうすれば突破口は見えるから」
「君は何を言ってるの?」
「突破口ってなんだよ…」
「花美咲は誰と戦ってんの?」

おうふ、男子3人から冷ややかな目線だ…って、なんだこれ! ダ〇ロンか! ノンストップ議論か!

取り敢えずダ〇ロンを頭から離そう…。


「先生から大阪と京都の資料を頂いてきました。」

小羽たんが机の上に並べそして各々調べた。
調べてもなぁ…まあ、その方が行きたい場所決まるからいいか…

資料をめくり内容を確認すると私の知ってる京都とは大分違ってた。

まず、京都は古の国…今でも着物を着た人たちがいる──と言ってもほとんど改造着物。
そして、もう一つはももで有名だということ。

桃が有名な地県って和歌山じゃなかったっけ…

「(取り敢えず次のページ…)」

そう思いながら次のページを開くと…。


【遊宴地~古の国でタイムスリップ~】

「…はぁ?」

遊宴地ってなんだよ遊園地じゃねぇのかよ…宴って字が入ってんだけど!?
しかもよく見ると大人向け遊園地って書いてあるし! 
何!? 規制? ちょっとアレな遊園地なの!?
ていうかそんなもんパンフとして組み込んでんじゃねぇよ!

心の中で大いにツッコミをした。
そして、余計に疲れた。

「なんかなかなか決まんないな…私は特に行きたいところとかはないよ現地について楽しそうなところがあったらそっちに行く」
「あー、 じゃあそれで行くか」
「え。」


結局みんな特に決まらなかったらしく現地巡りとなった。
まあ、そのほうが楽じゃない?

さてさて、来週の修学旅行…いったいどんなおもしろおかしいイベントになるのやら…。
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