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お父様は少し可笑しいのです

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お父様に呼ばれて書斎にお兄様とたどり着く前に私達の前に視界に入れたくもない女が腕を組んで立っていた。

「あら 2人揃ってどこへ行くの? また私の可愛い娘を虐めてそれがペインにバレたから叱られに行く途中かしら?」
「ほざけ売春婦俺たちの視界から失せろ」
「まあ! 母親に向かってなんて口の利き方なのかしら! 」
「悪いが俺たちはお前を義母として認めたわけでもあまつさえお前らみたいな醜く薄汚い平民を家族だなんて思ったことなど1度もない」

全くもってお兄様の言う通りだわ我々三兄弟はこの方々を家族だなんて認めてすらいませんもの

「そうだわあなたなら話がわかるわよね?同じ女性ですもの、女同士仲良くしたいに決まって」
「申し訳ございません人のふり見て我がふり直せですわ」

ニコリと笑いかけ私達はお父様の待つ書斎まで向かった。






コンコン


「入りなさい」
「失礼しますお父様」

書斎に入るとお父様はハーブティーを飲んで穏やかな顔をして私たちを出迎えてくれた。

「ヴィーナがお前たち2人に嫌がらせを受けたと聞いたんだが私は家族を疑うようなことはしたくない、だからと言って一方だけを信じるわけにもいかない」

「ヴィーナが何をおっしゃったか分かりませんが私達はあの子に嫌がらせをした覚えをございません」

「全部あのしょ…ゴホン、ヴィーナの勘違いですよ」

「そうか、家族になって数日がたったと言ってもまだお互いに心がすれ違っていたか…ならゆっくりと時間をかけてでもいいあの子やバネッサと仲良くしてくれないか? 2人はとても良い人たちだから」

お父様…少しは疑うということをしてください、それに再婚してる時点であなたはおかしいのですよ、亡きお母様に申し訳ないと思わないのかしら…。

「お話は以上ですか? 我々はこれで失礼します父上」

私とお兄様は会釈をした後書斎を出た。



「セティア、俺は少し調べたいことがあるからあまり屋敷に帰らないかもしれない、後のことはお前や弟に任せた」

「(調べたい事…)分かりましたわお兄様 危険なことはしないようくれぐれも気をつけてくださいまし」

「可愛い妹の頼みと有ればな」

お兄様はふわりと笑い私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回した。

「お兄様髪が乱れてしまいます…。」

その後でお兄様を見つめるとなんだか寂しそうな顔をしていた。


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