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次女と婚約した理由その1(クリス視点)
しおりを挟む僕はクリス、クリス・レギオン レギュルース王国の第2王子だ。
僕は昔から気弱で物事を上手く話すのが苦手であまり人と関わらずいつも守ってくれる兄さんの後ろを着いて回るだけだった。
そんなある日兄さんがフォゼット家の長女と婚約をした。
シャルロット・フォゼット…一言で言うなら怖い人で初めての兄さんの顔合わせの時同席させて貰ったが彼女は人1人殺してそうな目つきで僕を睨んだことを僕は忘れもしなかった。
そんな彼女が将来は僕の義姉になるのかと思うと怖くて怖くて仕方がなかった。
妃教育の為城に来る度睨まれるから僕は彼女がいる時は部屋から出ずにいるか書庫で読書するしかなかった。
あの人が来てから僕の安息の地は奪われたと言ってもいい…きっと被害妄想だと思われるけど僕はあの人が苦手だ、兄さんもどうして彼女を数ある候補の中からあの人を選んだのか僕にはたまらず不思議でしか無かった。
そんなある日僕にも婚約の話が回ってきた。
しかしその時の僕はあまり乗り気ではなかった。
自立して王国を作って新たな国王となると言うこのしきたりに僕は納得していないし、結婚なんてしたくはなかった。
だけど僕が学園に通っていた時僕は王子だと悟られたくなく身分を隠していたせいで男子に虐められていた。
「貴族のくせに随分なよなよしい身体付きだなァ坊ちゃんよォ」
「貴族ならもう少し体を鍛えろよ」
「威厳くらい持ってろよな」
おかしな絡まれ方をされているが確かに彼らの言うことは理にかなっている。
口下手で内弁慶…そして体が貧弱で威厳すらない…ここまで僕はひ弱なことを改めて痛感させられた。
「おい」
そんな時僕を守ってくれたのは…
「お前らさっきからギャーギャー五月蝿い安眠妨害で訴えるぞ」
白衣を着た男性のような口調で話す赤みがかった桃色の髪色の美少女だった。
「は? なんだお前 女は引っ込んでろ こっちはこの貧弱男に喝を入れようと……うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「そうかならこちらもお前らのような性根の腐ったクソ野郎どもに喝を入れんとな。」
突然女の子は僕に絡んでいた男子生徒の腕を握った…そう強く…。
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