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第1部
その15 現実を見ない妹
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ルッソとのデートの翌日私は昨日のファーストキス事件のことでまだ頭がふわふわモヤモヤし、テラスでミルクティーを飲んでいると客室の方からテラスまで男女の大きな声が聞こえた。
1人は確実に我が妹マリアンナであることは確定で…
「リューナ、マリアンナの婚約者アドニス・スティファー伯爵令息が来ているの?」
「はい…先程血相を変えてマリアンナ様に会いにこられています。」
「これは1悶着起きそうね。」
「リリアナ様、盗み聞き気は、はしたないですよ。」
「あら、ここからでもクリアに聞こえるのだから不可抗力よ」
そう、不可抗力なのだ聞こえちゃっても致し方ないんだな~。
「もう限界なんだ! どうして僕以外の男にあんなに下品な真似ができるんだ!!
しかも相手はルッソ殿下だぞ!?」
「うるさいですわ! そもそもマリアがあんたみたいな安っぽくて地味な根暗男と釣り合うと思っていまして!? マリアにはルッソ様以外釣り合う方はおりませんのよ!」
「な…!? 君は自分が何を言っているのか分かっているのか!?」
「ええ! 元々ルッソ様はマリアの物になるはずでしたのにあの意地悪なお姉様のせいで取られた挙句にあんたみたいな醜く地味な男と婚約させられて…ああっ!可哀想なマリア!」
「何が可哀想なものか! 君は自分勝手で我儘で傲慢で…いい所なんてひとつだってありゃしない!
しかもルッソ殿下の婚約者は初めから君の姉のリリアナ様だ! 妄想も大概にしてくれ!
こんな嘘つきで、いい加減な女と婚約を結ばされた僕がの方が可哀想だ! もういいよ! このことは君のお父上に報告させてもらうからね!」
「勝手にしなさい! どうせ信じてくれないわよ! お父様はマリアに甘く優しいんだもの!」
甘いかな? どっちかって言うともう諦められてるに近いかな。
「……そうか、なら君との婚約を解消ではなく破棄にしてもいいんだよ?」
「はん! やれるものならやってみなさいよ! されたって痛くも痒くもないんだから!」
「分かっているのかい? 婚約破棄をされるということは君は傷物令嬢となり、お茶会や集会でどこからも誘われなくなり結婚だって誰からも婚約をされて貰えなくなる」
アドニス・スティファー大きな賭けに出たね。
確かに婚約破棄の話を最後の切り札として持ちだされてしまえば流石のマリアンナも考えを改め………いや、それは無いな、あの性格から反省するなんてことかまず無い!
「別に宜しくてよ? アンタなんて最初から要らないって言っておりますしマリアにはルッソ様が居るので婚約破棄されたって痛くも痒くもありませぇ~ん!マリアは時期王妃になるのでぇ~ 」
言っちゃったよ…妄想を…。
「時期王妃? 笑わせるね 妃教育すら受けていないものが王妃になれると本気で思ってるの?」
「今の発言侮辱罪ということでマリアが王妃になったらそっこくあんたを処刑して差し上げますわ!」
オーッホッホッホ!と甲高い笑い声がテラスまで聞こえてくる、このふたりは気づいていないのかな全部筒抜けだってこと……ていうか客室窓空いてね?
その後はアドニス君はプリプリと怒りながら屋敷を後にした。
「後で謝罪に行かなければね。」
「お時間ももう遅いので後日に致しましょう。」
「そうね。」
スティファー家の馬車が走っていくのをぼんやりと眺めていると妹マリアンナが上機嫌でこちらにやってきた。
なんかもう奴の言いたいことがわかってきたかも。
1人は確実に我が妹マリアンナであることは確定で…
「リューナ、マリアンナの婚約者アドニス・スティファー伯爵令息が来ているの?」
「はい…先程血相を変えてマリアンナ様に会いにこられています。」
「これは1悶着起きそうね。」
「リリアナ様、盗み聞き気は、はしたないですよ。」
「あら、ここからでもクリアに聞こえるのだから不可抗力よ」
そう、不可抗力なのだ聞こえちゃっても致し方ないんだな~。
「もう限界なんだ! どうして僕以外の男にあんなに下品な真似ができるんだ!!
しかも相手はルッソ殿下だぞ!?」
「うるさいですわ! そもそもマリアがあんたみたいな安っぽくて地味な根暗男と釣り合うと思っていまして!? マリアにはルッソ様以外釣り合う方はおりませんのよ!」
「な…!? 君は自分が何を言っているのか分かっているのか!?」
「ええ! 元々ルッソ様はマリアの物になるはずでしたのにあの意地悪なお姉様のせいで取られた挙句にあんたみたいな醜く地味な男と婚約させられて…ああっ!可哀想なマリア!」
「何が可哀想なものか! 君は自分勝手で我儘で傲慢で…いい所なんてひとつだってありゃしない!
しかもルッソ殿下の婚約者は初めから君の姉のリリアナ様だ! 妄想も大概にしてくれ!
こんな嘘つきで、いい加減な女と婚約を結ばされた僕がの方が可哀想だ! もういいよ! このことは君のお父上に報告させてもらうからね!」
「勝手にしなさい! どうせ信じてくれないわよ! お父様はマリアに甘く優しいんだもの!」
甘いかな? どっちかって言うともう諦められてるに近いかな。
「……そうか、なら君との婚約を解消ではなく破棄にしてもいいんだよ?」
「はん! やれるものならやってみなさいよ! されたって痛くも痒くもないんだから!」
「分かっているのかい? 婚約破棄をされるということは君は傷物令嬢となり、お茶会や集会でどこからも誘われなくなり結婚だって誰からも婚約をされて貰えなくなる」
アドニス・スティファー大きな賭けに出たね。
確かに婚約破棄の話を最後の切り札として持ちだされてしまえば流石のマリアンナも考えを改め………いや、それは無いな、あの性格から反省するなんてことかまず無い!
「別に宜しくてよ? アンタなんて最初から要らないって言っておりますしマリアにはルッソ様が居るので婚約破棄されたって痛くも痒くもありませぇ~ん!マリアは時期王妃になるのでぇ~ 」
言っちゃったよ…妄想を…。
「時期王妃? 笑わせるね 妃教育すら受けていないものが王妃になれると本気で思ってるの?」
「今の発言侮辱罪ということでマリアが王妃になったらそっこくあんたを処刑して差し上げますわ!」
オーッホッホッホ!と甲高い笑い声がテラスまで聞こえてくる、このふたりは気づいていないのかな全部筒抜けだってこと……ていうか客室窓空いてね?
その後はアドニス君はプリプリと怒りながら屋敷を後にした。
「後で謝罪に行かなければね。」
「お時間ももう遅いので後日に致しましょう。」
「そうね。」
スティファー家の馬車が走っていくのをぼんやりと眺めていると妹マリアンナが上機嫌でこちらにやってきた。
なんかもう奴の言いたいことがわかってきたかも。
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