【完結】聖女と共に暴れます

かずきりり

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25.とりあえず話し合う

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「悪かったな。俺はカイル・レイドワーク。レイドワークの第一子だ。」
「僕はセイン・レイドワークです。」

アリシアと再会し、アリシアから説明を受けた兄二人は、とりあえず周囲の声を聞くという事が出来るようになったようだ。
ちなみにアリシアは両サイドを兄二人によってキッチリと守られている。
兄達が乗ってきた馬は、既に満身創痍で寝転んでいる。

「植民地ねぇ」

興味なさそうにカイルが答える傍ら、セインは少し考え込んだ様子で、アリシアは少し不安そうな顔でセインを見る。
レイドワーク領は守りの要であるが故、長男であるカイルはひたすら武術・剣術・体術を学び領民の為に腕を奮っていたが、次男であるセインはカイルがほぼ魔獣を倒しきってしまう為、兄を支える為にと参謀として色んな知識を学んできていたのだ。

「…簒奪」

ポツリとセインが呟いた。

「別にアズールの国が欲しいわけじゃないなら、簒奪すれば良いのでは?」
「誰が次の王になるんだよ」
「ラルド殿下」
「嫌です。人間に囲まれるより獣人に囲まれたいです」

兄二人の話題に、即答で断りを入れるラルド様の理由も気になるが、簒奪という結論に至ったセイン兄の考えも気になる。
セイン兄曰く、第一王子から王太子の座を第二王子に変えるのは現状十分出来ることだが、どうしても国王が邪魔になるだろうとの事で、国王もろとも退いてもらうという事らしい。
ルフィル国の配下に置いたとしても、誰が統治するのかに問題が残るし、アズール国は獣人を認めて居ない為、国が乱れるだけで統治など出来ないだろうという。
レイドワークに人々が流れてくる事は予測しているが、どれだけの人数が来るのかもわからず、受け入れ可能な人数もそんなに多いわけではない。
このまま国が廃れていくが、獣人の配下になったとしてもレイドワーク領土に人間全てが集ってしまって結局受け入れる事も出来ず魔獣に襲われるという最悪な未来予測もあるのだ。

「狙ったかのように、ちょうど良くラルド殿下がいらっしゃるのなら、存分に活用すれば良いと思います」
「一応、私に殿下という敬称を使って目上だと理解しているのに、扱いが雑すぎますね」

セインのサラっと言ってのける不敬に対し、肩を震わせ笑いを嚙み殺しながらラルドが答える。

「脳筋長男、腹黒次男、破天荒妹か~」
「マユ?喧嘩売ってる?」
「いや、何かうまい具合な兄妹だから、どうにかなるかな~って」

マユが視線を彷徨わせながら、少し言いにくそうにしているのを、とっとと先を述べろと言わんばかりにジッと見つめる。

「うん。すでに王都の3割ほどが移動開始してるみたいね。レイドワーク領土に。……………王妃様も含めて」

最後の一文にとんでもない爆弾発言を付けて、マユが覚悟を決めたように答えた。
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