【完結】婚約破棄された令息を婿に迎えますが、その人は私の最推しです!

かずきりり

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 泣いて喚こうが、起こった事には変わりない。
 罪悪感で胸が引き裂かれそうになる夜を超え、私は朝一番で賢いエディの元へ相談に行った。

「エ~ディ~」
「ぎゃああ!!!?」

 まだ陽も完全に昇りきっていない中、私は扉からではなく窓からエディの部屋へ失礼しようとしたのだけれど、まさかの悲鳴が返って来た。

「エディ! そんな大声出したら、誰か来る……」
「どうしたエディ!?」

 言うと同時に開かれた扉。
 そこにはお兄様が剣に手をかけてやって来て、エディと共に私を凝視している。
 バルコニーの窓を隔てて、しばしの時をお互い見つめ合い……先に口を開いたのはエディだった。

「……まさか、姉上?」
「ソフィア……なのか?」
「ちょっと。二人とも失礼じゃない?」

 どういう意味かと怒りを込めつつも、とっとと開けろと窓を叩くと、脱力したエディが寄って来て窓を開けた。

「普通に扉から来て下さいよ……そんな恰好で来られたら驚きます」
「酷い顔だな、分からなかったぞ」
「へ?」

 あまりの言い分に、怒りより先に呆けてしまった。
 え? どういう意味?
 キョトンとする私に、エディは黙って鏡の方を指さした。
 視線を向ければ、そこにはラフなワンピースを着て髪の毛ボサボサ、かろうじて見える目は窪んで隈まである女が……。

「私!?」

 そりゃエディも叫びたくなるわ! パッと見、お化けかと思った! ……私の姿だけど。

「そんなになる姉様なんて……ノエル様の事ですか?」
「どうした? 何があった?」
「……実は……」

 お兄様が居るのは計算外だけれど、とりあえず話を聞いてもらって解決策が欲しかった私は、洗いざらい全部吐き出した。
 話を進めていくにつれ、エディの肩がどんどん落ちて、最終的には頭を抱え出していたのだけれど……。
 え? そんなに私やらかしてる? と一抹の不安がよぎった時、エディはバッと顔を上げた。

「まず一日一緒に過ごしてみて下さい! 辺境伯領を案内するとか! 生活を教えるとか!!」
「え」
「何も知らないのだから不安は当然! 姉上ももっと親しくなれるようにしないと! ただ不安と孤独に押しつぶされてもおかしくないでしょう!」
「あ」

 どうしよう。
 弟なのに頼りになる。
 確かに、辺境伯領を案内するのは良いと思うが、生活……? そうか、私の一日を見せれば良いのか……?
 でも! 二人っきりなんて! どうしよう緊張しちゃう!

「二人っきりなんて何か間違いがあってはいけない。俺も同行する」
「……」

 キャー! なんて乙女心から一転。
 お邪魔虫が来る事になって、安心と不服の入り交じる心で、一気に表情が抜け落ちた顔で兄を見た。 

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