【完結】私が奏でる不協和音

かずきりり

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「あれ~? ともっち、疲れ果ててない?」
「バイトが忙しい?」
「今日、テストだけど……」
「あ……うん……」

 東さん達が声をかけてくれたのだけれど、何とか肯定するだけで精一杯だ。
 頭がボーッとするというか、本当に疲れ果てている。どれだけ寝ても寝たりない位なのだ。
 平日は学校が終われば、夜まで塾もしくはバイトなのだ。休日もバイトか塾。時間があれば歌を撮ったり配信をしたり……休みというのは、どこへ行ったのか。
 既に予習と復習なんてものを家でする時間はなく、塾と学校の授業だけだ。……段々とついていけなくなっているのは自分でも分かる程だ。

「しんどい……」
「さすがに保健室……とか言いにくいなぁ~」
「サボれとも早退しなとも……言えないよねぇ」

 流石にテストを受けないという選択肢はない。追試扱いになってしまう。
 高熱が出たとかいうわけではなく、心身ともに疲労が溜まっているだけなのだから。
 ……バイトでは、今まで以上に気をつかっている。周囲に気を配って、ちょっとした事にも気が付いて動けるように。そしてメモを取って、同じ事は二度質問しないよう。一度で覚えるように。
 それでも、まだ影で何か言われているのではないかと思い、バイトへ行く足取りは重いのだけれど……。機材を買うためだと自分を奮い立たせていた。

「流石に……成績落ちるかな……」

 私の苦し気な一言に東さん達は、かける言葉がないようで、チャイムと共に自分達の席へと戻った。
 そう、ほんの少しだけ成績が落ちるだけだと……いつものような点数が取れないだけなんだと……思っていた。






「何なのよ! この点数は!!」

 罵声と共に、脳が揺らいだ。
 意識が飛びそうになって、ぐらぐら脳が揺れているせいか視界が定まらない。
 ……何が起こったのか、理解するのも追い付かない程で、ただゆっくりと目の前に視線を戻す。

「いきなり反抗期にでもなったのかと放置していたら! この体たらく!」

 喚き続けるモンスター。これは何だったかと思えば、揺らいだ視界が戻ってきた時に母親であるという事を思い出す。
 ……頬が、痛い。
 口を開けようにも、痛みで痺れて思うように動かない。

「塾をサボった事があるのだって知ってるのよ! いい加減にしなさい! 赤点なんて取って、内申点どうするのよ!!」

 ……あぁ、そうだ。
 そうだった。
 ジンジンと痺れる痛みが大きくなるにつれ、脳の揺れは収まり、現状を理解できる程になってきた。
 私は、赤点を取る程に成績を落とし、それを危惧した担任により母親へ連絡がいったのだ。
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