【完結】ネットゲームで知り合った配信者に恋をした

かずきりり

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 応援しているのか、していないのか。
 悲しくて、今にも泣きそうなのに、皆とのやり取りで笑みが零れる。

 しぃ:ありがとう! 会わない(笑)
 あすやん:なら会うな(笑)
 シン:そうしとけ。
 りっぷ:嫌なら会わない! 会いたければ会う! それだけ!

 そんな皆が大好きで、私の心は救われているのだと思う。
 でなければ、会った事もない人を好きだと言う気持ちを吐露する場所もなく、心が苛まれていっていただろう。

 しぃ:ありがとう! みんな大好き!
 あすやん:それ、ロイナルに言ってやれ(笑)
 しぃ:言えるか!(笑)

 友達だからこそ言える言葉。
 とても大事な言葉だけれど、可愛いと簡単に言うかのごとく、簡単に放てる人と、そうでない人が居る。
 私は、ロイさんには言わないだろう。否、言えない。
 このままの関係で、ずっと友達で居たいから。離れたくないから。
 変わる事が怖いから。



 ◇



「あぁあ疲れた」

 派遣とはいえ、責任感はそれなりにあるし、疲れは溜まる。
 帰ってベッドに倒れ込んだ瞬間、スマホの通知音が鳴り、慌てて鞄の中を漁る。

『やっと動画の編集が出来たよ!』

 待ちわびたロイさんからの連絡。
 それだけで、心の疲労は吹っ飛んでいく。

『待ってました~!』
『ゲーム入らない? 感想を聞かせて欲しい!』
『いきます! いつもの所ね!』

 パソコンを立ち上げている間に、携帯食と飲み物を準備し、ゲームにログインすれば、最初の町から遠く離れた場所に位置していた。
 皆と素材集めをしていた場所のままログアウトしたからだろう。慌てて私はチャットを打ち込む。

 しぃ:離れてるから、少し待っていて!
 ロイナル:了解~! 招待だけ送っとくね。

 器用にキャラを動かしながら、部屋着へと着替える。
 このままゆっくり、夜遅くまでロイさんとゲームをするのだと胸を躍らせながら準備をした。

 しぃ:お待たせ~! 今から見てくるね!
 ロイナル:うん。動画編集って結構大変だった(笑)
 しぃ:お疲れ様(笑)

 今や無料で動画を作るサイトやアプリが多々あるけれど、作業は細かいだろうなと、デザイン作業を思い出しながら想像する。
 切り抜き、文字入れ、音声など、レイヤーみたいなものを多数使うだろう。それに見やすい画面と考えれば、そこにデザイン的な要素まで組み込まれる。
 楽しみにしながら、ロイさんのチャンネルへ行ってアップされたばかりの動画をすぐにクリックする。
 概要欄を読んでいれば、ふとコメントが既にある事に気が付いた。

「単体ボス戦のポイント」

 ロイさんの声が画面から流れ、動画はまず、アイテム紹介へと進む。
 耳はロイさんの動画に傾けながらも、私の視線はコメント欄に釘付けとなっている。
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