26 / 40
26.side-あたしは手段を選ばない
しおりを挟む
「まぁ、そんな事が!」
「あぁ…まぁ…」
「ロザリア様には気をつけてくださいね!」
あれから度々訪れるパルロアだが、どうやら権力を笠に着てあたし達に会いに来ているらしい。
騎士達も大公の娘相手には強気に出れないらしく、渋々通しているようだ。というのは、メイド達の噂話を立ち聞きして得た情報だ。
そこまでしてあたし達に接触する理由としては、やはりジャスティンの事だろうと勘ぐれる。
となると、父親である大公はどうなのだろう?確かジャスティンの味方だったと記憶しているんだけれど…
「あぁ、しかし僕はロザリアと国へ帰ろうと思って迎えにきたんだ」
「えぇ、あたしもロザリア様を許しますから」
「なんてお優しいお二人なのでしょう」
色々考えつつも、口はスラスラ言葉を紡ぐ。いい加減慣れたものだ。
ロザリアを悪く言うのも、悪役に仕立て上げるのも、あたしが被害者ぶるのも。
そもそもロザリアの悪評を影で少しずつ仕立て上げ流したのはあたしだし、ゆっくり確実にロザリアを孤立させていったのもあたしだ。
気が付いた時には、もう手遅れのように。
「そんなロザリア様を側に置くジャスティン様の方が優しいわ」
軽く探りを入れてみる。
ジャスティンはそもそも不遇の皇子だ。今は皇帝にまでなっているけれど…
「そうですね…陛下はとてもお優しいのですが…今の話を聞いていると心配になってきましたわ…」
一瞬だけパルロアの目が睨むような形になったのを見逃さなかった。
が、返答から考えるにジャスティンを狙うライバルかもしれないが、今はロザリアという共通の敵がいると認識して良いのだろうか。
「なんとかしてロザリア様を連れて帰ろうと思う」
「ロザリア様とジャスティン様を説得したいのですが…二人別々なら説得に応じてくれるかしら」
「ですがエルガー譲は体調が…」
「ただの心労ですわ。心配で心配で…」
体調不良を心労で押し通す事にした。間違ってはいないし、貴族令嬢なら心労で倒れる事もあるだろうから、そんな状態での長旅なんて無理と押し通せば良いだけだ。
アーサーもロザリアが居なければ帰る気もないし、ディスタ国の王太子という身分を存分に使う気でいる。
「二人別々か…」
アーサーがあたしの言葉を復唱して考えるように手を口元にあてる。
「だってジャスティン様はロザリア様を離そうとしないじゃないですか。ロザリア様に帰ると言わせる事が出来れば良いと思うんです」
どんな手を使っても。
そんなあたしの言外に含まれる思いを汲み取ったのか、パルロアの口元が歪にゆがむ。
やはりパルロアもロザリアが邪魔だったのだ。ジャスティンを渡すつもりはないが、ロザリアを排除する為には是非とも役立ってもらいたい。
「それでしたら…私が何とかしましょうか?」
「本当か!?」
「ありがとうございます!」
くらいついてきた———
なかなか自由に動けないあたし達に代わって、二人をうまくおびき寄せる餌になってね。
「あぁ…まぁ…」
「ロザリア様には気をつけてくださいね!」
あれから度々訪れるパルロアだが、どうやら権力を笠に着てあたし達に会いに来ているらしい。
騎士達も大公の娘相手には強気に出れないらしく、渋々通しているようだ。というのは、メイド達の噂話を立ち聞きして得た情報だ。
そこまでしてあたし達に接触する理由としては、やはりジャスティンの事だろうと勘ぐれる。
となると、父親である大公はどうなのだろう?確かジャスティンの味方だったと記憶しているんだけれど…
「あぁ、しかし僕はロザリアと国へ帰ろうと思って迎えにきたんだ」
「えぇ、あたしもロザリア様を許しますから」
「なんてお優しいお二人なのでしょう」
色々考えつつも、口はスラスラ言葉を紡ぐ。いい加減慣れたものだ。
ロザリアを悪く言うのも、悪役に仕立て上げるのも、あたしが被害者ぶるのも。
そもそもロザリアの悪評を影で少しずつ仕立て上げ流したのはあたしだし、ゆっくり確実にロザリアを孤立させていったのもあたしだ。
気が付いた時には、もう手遅れのように。
「そんなロザリア様を側に置くジャスティン様の方が優しいわ」
軽く探りを入れてみる。
ジャスティンはそもそも不遇の皇子だ。今は皇帝にまでなっているけれど…
「そうですね…陛下はとてもお優しいのですが…今の話を聞いていると心配になってきましたわ…」
一瞬だけパルロアの目が睨むような形になったのを見逃さなかった。
が、返答から考えるにジャスティンを狙うライバルかもしれないが、今はロザリアという共通の敵がいると認識して良いのだろうか。
「なんとかしてロザリア様を連れて帰ろうと思う」
「ロザリア様とジャスティン様を説得したいのですが…二人別々なら説得に応じてくれるかしら」
「ですがエルガー譲は体調が…」
「ただの心労ですわ。心配で心配で…」
体調不良を心労で押し通す事にした。間違ってはいないし、貴族令嬢なら心労で倒れる事もあるだろうから、そんな状態での長旅なんて無理と押し通せば良いだけだ。
アーサーもロザリアが居なければ帰る気もないし、ディスタ国の王太子という身分を存分に使う気でいる。
「二人別々か…」
アーサーがあたしの言葉を復唱して考えるように手を口元にあてる。
「だってジャスティン様はロザリア様を離そうとしないじゃないですか。ロザリア様に帰ると言わせる事が出来れば良いと思うんです」
どんな手を使っても。
そんなあたしの言外に含まれる思いを汲み取ったのか、パルロアの口元が歪にゆがむ。
やはりパルロアもロザリアが邪魔だったのだ。ジャスティンを渡すつもりはないが、ロザリアを排除する為には是非とも役立ってもらいたい。
「それでしたら…私が何とかしましょうか?」
「本当か!?」
「ありがとうございます!」
くらいついてきた———
なかなか自由に動けないあたし達に代わって、二人をうまくおびき寄せる餌になってね。
108
あなたにおすすめの小説
婚約破棄を求められました。私は嬉しいですが、貴方はそれでいいのですね?
ゆるり
恋愛
アリシエラは聖女であり、婚約者と結婚して王太子妃になる筈だった。しかし、ある少女の登場により、未来が狂いだす。婚約破棄を求める彼にアリシエラは答えた。「はい、喜んで」と。
王太子が悪役令嬢ののろけ話ばかりするのでヒロインは困惑した
葉柚
恋愛
とある乙女ゲームの世界に転生してしまった乙女ゲームのヒロイン、アリーチェ。
メインヒーローの王太子を攻略しようとするんだけど………。
なんかこの王太子おかしい。
婚約者である悪役令嬢ののろけ話しかしないんだけど。
【完結】王太子に婚約破棄され、父親に修道院行きを命じられた公爵令嬢、もふもふ聖獣に溺愛される〜王太子が謝罪したいと思ったときには手遅れでした
まほりろ
恋愛
【完結済み】
公爵令嬢のアリーゼ・バイスは一学年の終わりの進級パーティーで、六年間婚約していた王太子から婚約破棄される。
壇上に立つ王太子の腕の中には桃色の髪と瞳の|庇護《ひご》欲をそそる愛らしい少女、男爵令嬢のレニ・ミュルべがいた。
アリーゼは男爵令嬢をいじめた|冤罪《えんざい》を着せられ、男爵令嬢の取り巻きの令息たちにののしられ、卵やジュースを投げつけられ、屈辱を味わいながらパーティー会場をあとにした。
家に帰ったアリーゼは父親から、貴族社会に向いてないと言われ修道院行きを命じられる。
修道院には人懐っこい仔猫がいて……アリーゼは仔猫の愛らしさにメロメロになる。
しかし仔猫の正体は聖獣で……。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
・ざまぁ有り(死ネタ有り)・ざまぁ回には「ざまぁ」と明記します。
・婚約破棄、アホ王子、モフモフ、猫耳、聖獣、溺愛。
2021/11/27HOTランキング3位、28日HOTランキング2位に入りました! 読んで下さった皆様、ありがとうございます!
誤字報告ありがとうございます! 大変助かっております!!
アルファポリスに先行投稿しています。他サイトにもアップしています。
地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
皇太子殿下の御心のままに~悪役は誰なのか~
桜木弥生
恋愛
「この場にいる皆に証人となって欲しい。私、ウルグスタ皇太子、アーサー・ウルグスタは、レスガンティ公爵令嬢、ロベリア・レスガンティに婚約者の座を降りて貰おうと思う」
ウルグスタ皇国の立太子式典の最中、皇太子になったアーサーは婚約者のロベリアへの急な婚約破棄宣言?
◆本編◆
婚約破棄を回避しようとしたけれど物語の強制力に巻き込まれた公爵令嬢ロベリア。
物語の通りに進めようとして画策したヒロインエリー。
そして攻略者達の後日談の三部作です。
◆番外編◆
番外編を随時更新しています。
全てタイトルの人物が主役となっています。
ありがちな設定なので、もしかしたら同じようなお話があるかもしれません。もし似たような作品があったら大変申し訳ありません。
なろう様にも掲載中です。
未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~
キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。
その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。
絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。
今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。
それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!?
※カクヨムにも掲載中の作品です。
そちらがその気なら、こちらもそれなりに。
直野 紀伊路
恋愛
公爵令嬢アレクシアの婚約者・第一王子のヘイリーは、ある日、「子爵令嬢との真実の愛を見つけた!」としてアレクシアに婚約破棄を突き付ける。
それだけならまだ良かったのだが、よりにもよって二人はアレクシアに冤罪をふっかけてきた。
真摯に謝罪するなら潔く身を引こうと思っていたアレクシアだったが、「自分達の愛の為に人を貶めることを厭わないような人達に、遠慮することはないよね♪」と二人を返り討ちにすることにした。
※小説家になろう様で掲載していたお話のリメイクになります。
リメイクですが土台だけ残したフルリメイクなので、もはや別のお話になっております。
※カクヨム様、エブリスタ様でも掲載中。
…ºo。✵…𖧷''☛Thank you ☚″𖧷…✵。oº…
☻2021.04.23 183,747pt/24h☻
★HOTランキング2位
★人気ランキング7位
たくさんの方にお読みいただけてほんと嬉しいです(*^^*)
ありがとうございます!
悪役令嬢は伝説だったようです
バイオベース
恋愛
「彼女こそが聖女様の生まれ変わり」
王太子ヴァレールはそう高らかに宣言し、侯爵令嬢ティアーヌに婚約破棄を言い渡した。
聖女の生まれ変わりという、伝説の治癒魔術を使う平民の少女を抱きながら。
しかしそれを見るティアーヌの目は冷ややかだった。
(それ、私なんですけど……)
200年前に国を救い、伝説となった『聖女さま』。
ティアーヌこそがその転生者だったのだが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる