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第二章
05.自由な人
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「もう収穫できそうだね」
神力の力、恐るべし。
毎回、訓練の如く神力を垂れ流す畑を用意されており、私達三人は毎回自分の畑へと神力を流す。今の所、皆が同じスピード……否、キィの畑が少し早いかな? 位で差はない。
デイルと共に野菜を収穫しながら明日収穫できそうな野菜を見つけ、いっそ神力を流して一気に実が付けば良いのになんて思ってしまう。
いや、これが自給自足というものなのは分かっているけれど……面倒だな。私には農業も向いていないのかもしれない。
しかし最低限、自分の食い扶持ならば育てて生きていけるだけの自立は出来る。
……一人分くらいならば面倒ではない……?
「瑞希様? お疲れですか?」
「あ、瑞希ー!」
思考に耽りながら野菜が収穫し終わろうとした時、デイルの声を遮るよう叫びながらやってくる真が見えた。
「どうしたの?」
「何か遠くの国からの商品を乗せた船が今朝来たらしいよ。真新しい商品がないか街に行かない?」
え。
一体、真ってば、どこでそんな情報を仕入れてくるわけ?
「瑞希様、お疲れでは?」
「疲れてない。行こう! 行きたい!」
便利な生活道具とか。食事の味をもっとバリエーション豊富に出来るだけの調味料とか。
ゲーム、スマホ……パソコン……いや、ないか。あれば良いのに。
「少しはお給金も出ていますし、何か美味しい物でも食べますか?」
「あ、食べたい!」
最近、少しデイルとも打ち解けてきた。
衣食住を面倒見てもらっているから、お給金なんて貰えていないと思っていたのだけれど、微々たるものでも貰えるらしい。娯楽を奪っては奴隷と同じとか、そんな感じの事を枢機卿も言っていたけれど、まぁ確かにと思う。
そして貰えるものは、しっかり貰うけどね!
……財布を握っているのはデイルだけれど。
「あ、なら新しく出来たカフェがあるから、そこ行こうか」
「……真、どれだけ街へ行ってるの……? そんな時間ある?」
私達がこうやって神力で野菜育てている間、真は何をやっているんだと思う。
これで一緒のようにお給金が発生していたら、何か悔しいというか、解せない。
「剣術とかの合間にかなー。そんな長時間やってないし」
「剣術!?」
「ほら、いこいこ」
危険な言葉に驚いたが、そいや勇者かもとか言われていたと勝手に納得する。
確かに訓練とか厳しそうだし、大変なイメージがあるけれど、目の前に居る真は飄々としていて、そんな苦労を一切感じさせないのだけれど。
「……自由って、真の事を言うんだろうな……」
琴子の言葉を思い出しながら、ポツリと呟けば、真は首を傾げて口を開いた。
「完全な自由で過ごしてるのは、こっちに来てからかも?」
神力の力、恐るべし。
毎回、訓練の如く神力を垂れ流す畑を用意されており、私達三人は毎回自分の畑へと神力を流す。今の所、皆が同じスピード……否、キィの畑が少し早いかな? 位で差はない。
デイルと共に野菜を収穫しながら明日収穫できそうな野菜を見つけ、いっそ神力を流して一気に実が付けば良いのになんて思ってしまう。
いや、これが自給自足というものなのは分かっているけれど……面倒だな。私には農業も向いていないのかもしれない。
しかし最低限、自分の食い扶持ならば育てて生きていけるだけの自立は出来る。
……一人分くらいならば面倒ではない……?
「瑞希様? お疲れですか?」
「あ、瑞希ー!」
思考に耽りながら野菜が収穫し終わろうとした時、デイルの声を遮るよう叫びながらやってくる真が見えた。
「どうしたの?」
「何か遠くの国からの商品を乗せた船が今朝来たらしいよ。真新しい商品がないか街に行かない?」
え。
一体、真ってば、どこでそんな情報を仕入れてくるわけ?
「瑞希様、お疲れでは?」
「疲れてない。行こう! 行きたい!」
便利な生活道具とか。食事の味をもっとバリエーション豊富に出来るだけの調味料とか。
ゲーム、スマホ……パソコン……いや、ないか。あれば良いのに。
「少しはお給金も出ていますし、何か美味しい物でも食べますか?」
「あ、食べたい!」
最近、少しデイルとも打ち解けてきた。
衣食住を面倒見てもらっているから、お給金なんて貰えていないと思っていたのだけれど、微々たるものでも貰えるらしい。娯楽を奪っては奴隷と同じとか、そんな感じの事を枢機卿も言っていたけれど、まぁ確かにと思う。
そして貰えるものは、しっかり貰うけどね!
……財布を握っているのはデイルだけれど。
「あ、なら新しく出来たカフェがあるから、そこ行こうか」
「……真、どれだけ街へ行ってるの……? そんな時間ある?」
私達がこうやって神力で野菜育てている間、真は何をやっているんだと思う。
これで一緒のようにお給金が発生していたら、何か悔しいというか、解せない。
「剣術とかの合間にかなー。そんな長時間やってないし」
「剣術!?」
「ほら、いこいこ」
危険な言葉に驚いたが、そいや勇者かもとか言われていたと勝手に納得する。
確かに訓練とか厳しそうだし、大変なイメージがあるけれど、目の前に居る真は飄々としていて、そんな苦労を一切感じさせないのだけれど。
「……自由って、真の事を言うんだろうな……」
琴子の言葉を思い出しながら、ポツリと呟けば、真は首を傾げて口を開いた。
「完全な自由で過ごしてるのは、こっちに来てからかも?」
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