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第三章
07.伸び悩み
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「……私は向こうの世界の事なんて全く分かりませんけれど……キィ様の心には一体何があるというのでしょうね……」
私にだけ聞こえるような呟く声で、枢機卿は困った表情を見せて言った。
枢機卿はキィの今までが気になるようだけれど、それは私も知らない。
確か、人の気質は生まれつきのものだけれど、性格は後から周囲の環境によってつくられるものだとは聞いた事がある。
「……どうしたものでしょうかねぇ」
「……私達では、訓練を止めさせる事すら出来ませんよ」
頼りになるだろうと思った枢機卿も頭を悩ませているのだけれど、そこにかけるのは優しい言葉ではなく事実の方が良いだろう。
でないと、キィの為にはならない。
こんなにキィの為を思って動いてくれている人がいるのに、今のキィには全く見えていないのは何となく寂しい気もする。
「私の方でも、こうやって訓練の最中にでも休息の声かけをしますね……それでも図書館に行かれるのであれば、あまり意味はないかもしれませんが……」
「身体を酷使して神力を使い続けるよりマシだと思いませんか……?」
まぁ、勉強に集中して徹夜を繰り返してしまえば意味のない事だけれど、身体酷使に比べると……いや、もはやどちらがマシとか分からないな。
それでもベストではなくベターな選択が出来るように、周囲の人達も気を配ってくれるだろう。
「私の方から神官達にも周知徹底を図りますね」
枢機卿の言葉に頷き、私も休息の為に部屋へと歩き始めた。
……キィのように努力しているわけでもないし、私は成果も出せていないけれど、あえて突っ込まない。
存分に乗っからせてもらう。
ちなみに、琴子も訓練を止めて休息となったようで、後ろから追いかけてきて私と共に部屋へと戻った。
それからも、どれだけ寄り添おうとしても、頑なに訓練を止めないキィ。
枢機卿の言葉もあり、訓練を中止しても図書館へと行き、集中力が下がるからとウィルが寝るのを促す日々が続いていた。
そのかいもあってか、キィの能力はどんどん伸び続け、攻撃力だけでなく後方支援まで学び始め、今や私達の中で断トツだと言われている程だ。
強化の精密さも琴子以上のものがあるだろう。
だけれど……ある時から、それも伸び悩むようになった。というか、止まったというのが正しいのかもしれない。
それは見ていれば分かる理由があるのだけれど、当の本人は納得のいかない様子だ。
「まだできます……」
「いえ、もうキィ様は休んでください」
集中力がないのか、もはや神力を上手く操る事も出来なくなったようで、神官からストップがかかった。
私にだけ聞こえるような呟く声で、枢機卿は困った表情を見せて言った。
枢機卿はキィの今までが気になるようだけれど、それは私も知らない。
確か、人の気質は生まれつきのものだけれど、性格は後から周囲の環境によってつくられるものだとは聞いた事がある。
「……どうしたものでしょうかねぇ」
「……私達では、訓練を止めさせる事すら出来ませんよ」
頼りになるだろうと思った枢機卿も頭を悩ませているのだけれど、そこにかけるのは優しい言葉ではなく事実の方が良いだろう。
でないと、キィの為にはならない。
こんなにキィの為を思って動いてくれている人がいるのに、今のキィには全く見えていないのは何となく寂しい気もする。
「私の方でも、こうやって訓練の最中にでも休息の声かけをしますね……それでも図書館に行かれるのであれば、あまり意味はないかもしれませんが……」
「身体を酷使して神力を使い続けるよりマシだと思いませんか……?」
まぁ、勉強に集中して徹夜を繰り返してしまえば意味のない事だけれど、身体酷使に比べると……いや、もはやどちらがマシとか分からないな。
それでもベストではなくベターな選択が出来るように、周囲の人達も気を配ってくれるだろう。
「私の方から神官達にも周知徹底を図りますね」
枢機卿の言葉に頷き、私も休息の為に部屋へと歩き始めた。
……キィのように努力しているわけでもないし、私は成果も出せていないけれど、あえて突っ込まない。
存分に乗っからせてもらう。
ちなみに、琴子も訓練を止めて休息となったようで、後ろから追いかけてきて私と共に部屋へと戻った。
それからも、どれだけ寄り添おうとしても、頑なに訓練を止めないキィ。
枢機卿の言葉もあり、訓練を中止しても図書館へと行き、集中力が下がるからとウィルが寝るのを促す日々が続いていた。
そのかいもあってか、キィの能力はどんどん伸び続け、攻撃力だけでなく後方支援まで学び始め、今や私達の中で断トツだと言われている程だ。
強化の精密さも琴子以上のものがあるだろう。
だけれど……ある時から、それも伸び悩むようになった。というか、止まったというのが正しいのかもしれない。
それは見ていれば分かる理由があるのだけれど、当の本人は納得のいかない様子だ。
「まだできます……」
「いえ、もうキィ様は休んでください」
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