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第四章
28.女だと認識され
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……いいのか。
謁見の場で剣を抜いていていいのか。
流血沙汰を起こしていいのだろうか。
……まぁ言い出したのは国王なのだけれど。
色々と突っ込みたいというか、思う所はあるけれど、それを口に出した所で止められないだろう。
そんなふざけた事を思っている間に、近衛騎士団長の剣は真に向かって振り下ろされる。それを容易に避けた……かと思えば、近衛騎士団長は剣の軌道をすぐに戻して、またも真へと斬撃を繰り出した。
「!」
真は少し驚いたのか、少しだけ目を見開いた後、次々と繰り出される攻撃を躱していく。
けれど、それ以上は何もせず……むしろ周囲に居た貴族達がこぞって壁際へと逃げているだけだ。
「キャァア!」
「ヒィイ」
悲鳴を上げるだけの貴族達。高見の見物をしている王族。
近衛騎士団長は必死に真を捉えようと剣を繰り出し、真は素早い剣の動きをかわすだけだ。
――まさか、それで精一杯?
そこで私はハッとした。
私達は神力を授かって、その力があるだけなのだ。神力で身体を強化したとして、そもそも身体能力的なものは近衛騎士団長と比べたら、遥かに劣っているじゃないか!
むしろ、避けられる事が凄くて……神力での攻撃まで、出来ないのではないか……?
「!」
「瑞希?」
私は瞬時に手を近衛騎士団長の持つ剣けと向ければ、琴子が疑問気に名前を呼んできた。しかし、それに返答する余裕なんてない。
殺すわけではないからか、私は神力で剣を攻撃する事に成功して、真に向かっていた軌道を反らした。これで少しでも真が立て直せれば良いのだけれど……。
「ナイス! 瑞希!」
嬉しそうなキィの声。
そして真も少し安堵の表情を見せた……が、鍛えられた近衛騎士団長の身体能力は凄まじかったのだろう。
反らされた剣の軌道を無理矢理正そうとし、そしてその剣先は真へと向かった。
「!」
「真!」
一瞬の隙。
それを見逃さない近衛騎士団長。
――ザッ!
何とか軌道を正せたのだろうけれど、その剣先は真に届いた……けれど、それは服だけだった。
「!」
しかし、それを目の前で見た近衛騎士団長は目を見開いて、そこから微動だにしなくなった。
「……」
「……え」
「……嘘……」
見事に見えているだろう人々は驚き狼狽え、絶句している中でも何とか声を絞り出したという人も居る。
「あーあ……」
真が自分の服を見て、溜息をつけば、更に声は大きくなった。
「何で……」
「そ……そんなわけ……」
恐怖に慄き、膝から崩れ落ちる貴族達。
国王も目を見開いて、玉座の上で小さく震えているようだ。
――しっかりと、真の女の部分を皆が見たわけだからね。
謁見の場で剣を抜いていていいのか。
流血沙汰を起こしていいのだろうか。
……まぁ言い出したのは国王なのだけれど。
色々と突っ込みたいというか、思う所はあるけれど、それを口に出した所で止められないだろう。
そんなふざけた事を思っている間に、近衛騎士団長の剣は真に向かって振り下ろされる。それを容易に避けた……かと思えば、近衛騎士団長は剣の軌道をすぐに戻して、またも真へと斬撃を繰り出した。
「!」
真は少し驚いたのか、少しだけ目を見開いた後、次々と繰り出される攻撃を躱していく。
けれど、それ以上は何もせず……むしろ周囲に居た貴族達がこぞって壁際へと逃げているだけだ。
「キャァア!」
「ヒィイ」
悲鳴を上げるだけの貴族達。高見の見物をしている王族。
近衛騎士団長は必死に真を捉えようと剣を繰り出し、真は素早い剣の動きをかわすだけだ。
――まさか、それで精一杯?
そこで私はハッとした。
私達は神力を授かって、その力があるだけなのだ。神力で身体を強化したとして、そもそも身体能力的なものは近衛騎士団長と比べたら、遥かに劣っているじゃないか!
むしろ、避けられる事が凄くて……神力での攻撃まで、出来ないのではないか……?
「!」
「瑞希?」
私は瞬時に手を近衛騎士団長の持つ剣けと向ければ、琴子が疑問気に名前を呼んできた。しかし、それに返答する余裕なんてない。
殺すわけではないからか、私は神力で剣を攻撃する事に成功して、真に向かっていた軌道を反らした。これで少しでも真が立て直せれば良いのだけれど……。
「ナイス! 瑞希!」
嬉しそうなキィの声。
そして真も少し安堵の表情を見せた……が、鍛えられた近衛騎士団長の身体能力は凄まじかったのだろう。
反らされた剣の軌道を無理矢理正そうとし、そしてその剣先は真へと向かった。
「!」
「真!」
一瞬の隙。
それを見逃さない近衛騎士団長。
――ザッ!
何とか軌道を正せたのだろうけれど、その剣先は真に届いた……けれど、それは服だけだった。
「!」
しかし、それを目の前で見た近衛騎士団長は目を見開いて、そこから微動だにしなくなった。
「……」
「……え」
「……嘘……」
見事に見えているだろう人々は驚き狼狽え、絶句している中でも何とか声を絞り出したという人も居る。
「あーあ……」
真が自分の服を見て、溜息をつけば、更に声は大きくなった。
「何で……」
「そ……そんなわけ……」
恐怖に慄き、膝から崩れ落ちる貴族達。
国王も目を見開いて、玉座の上で小さく震えているようだ。
――しっかりと、真の女の部分を皆が見たわけだからね。
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