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卒業パーティーで婚約破棄宣言
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「マリアクリスティナ・シルバーレーク伯爵令嬢!!今、この場で、貴様との婚約を破棄する!!」
騒然とするギャラリーに囲まれて、私、赤と白のぱっきりとしたコントラストのフリルドレスに身を包んだ白金髪紅眼のマリアクリスティナ・シルバーレークは愕然と赤毛の美青年を見つめた。
ティンバーレク王国第2王子クリスタ・イザル・ティンバーレク。
燃え盛る松明のように天へとうねり輝く見事な赤毛の青年は、美しい顔を怒りで歪ませ、鮮やかな碧緑の瞳で私を睨み付ける。
その横には、鮮やかなピンクとシャンパンゴールドのフリルをふんだんに使った愛らしいドレスに身を包んだ、ミュリアリー・ミューズリー男爵令嬢が、子鹿のように黒い瞳を潤ませて寄り添っている。
そっと、背後からそんな彼女に歩みより、カフェオレ色の髪を一房掬うのは、王子の側近候補、憎らしい銀髪碧眼片眼鏡の腹黒インテリ野郎マッケナ公爵子息。
王子の背後から威圧的にこちらを睨み付ける焦げ茶の短髪とライトグリーンの瞳の脳筋巨躯は王国騎士団長の息子ウォーハンマー伯爵令息。
王子の横で、ふわふわの金髪巻き毛を揺らし、ワクワクした紫の瞳でこちらを見ているリボンとフリルの塊の毒舌腹黒ショタは宰相の息子のジュディマ侯爵令息。
これからの展開が楽しみなのだろう。その場で1人ピョンピョンとマサイ族みたいに跳ねている。
王子は今も何か、私の罪状のようなものを語り断罪しているが、水の中に居るようにくぐもってよく聞こえない。
自分や周囲の息遣いや衣擦ればかり、
ハァハァ、さらさら、チャリチャリと鋭く耳に刺さる。
周囲が緊迫した面持ちで間合いを詰めてくるのが判る。
嗚呼、どうしてこうなってしまったのだろうか。
私が、暇潰しにインストールしてみた乙女ゲームの悪役令嬢に転生していると気付いたのは7歳のお見合い茶会の時だった。
そこから、何とか断罪を回避しようと足掻き続けてきたがゲームの強制力は恐ろしく、
ゲーム通りに王子と婚約し、学園に入学し、男爵令嬢を虐めてないのに虐めたとしか思えない状況に何度も陥り、
とうとう、この卒業パーティーで婚約破棄と断罪の憂き目となった。
只、足掻き続けた結果、
シナリオ以外のところがとんでもない程拗れたのが予想外だった。
ゲーム通りなら修道院送りのハズだが、果たして。
果たして、
普通に王子に惚れたフリでもして、嫉妬で男爵令嬢を虐めた方が良かったのではないか、と内心独り言ちて、鋭い視線を向けてくる周囲を見回す。
まるで逃げ場がないようにぐるりと囲まれている。
すがるように、王子を、ショタを、片眼鏡を、見る。
王子が口上を述べ終わり、満足気に男爵令嬢を抱き寄せる。
ショタは嬉しそうにピョンピョンし、
片眼鏡はおもむろに内ポケットから懐中時計を出し時間を確認し、
意地悪い笑みを浮かべてパチンと音を鳴らして時計の蓋を閉めた。
騒然とするギャラリーに囲まれて、私、赤と白のぱっきりとしたコントラストのフリルドレスに身を包んだ白金髪紅眼のマリアクリスティナ・シルバーレークは愕然と赤毛の美青年を見つめた。
ティンバーレク王国第2王子クリスタ・イザル・ティンバーレク。
燃え盛る松明のように天へとうねり輝く見事な赤毛の青年は、美しい顔を怒りで歪ませ、鮮やかな碧緑の瞳で私を睨み付ける。
その横には、鮮やかなピンクとシャンパンゴールドのフリルをふんだんに使った愛らしいドレスに身を包んだ、ミュリアリー・ミューズリー男爵令嬢が、子鹿のように黒い瞳を潤ませて寄り添っている。
そっと、背後からそんな彼女に歩みより、カフェオレ色の髪を一房掬うのは、王子の側近候補、憎らしい銀髪碧眼片眼鏡の腹黒インテリ野郎マッケナ公爵子息。
王子の背後から威圧的にこちらを睨み付ける焦げ茶の短髪とライトグリーンの瞳の脳筋巨躯は王国騎士団長の息子ウォーハンマー伯爵令息。
王子の横で、ふわふわの金髪巻き毛を揺らし、ワクワクした紫の瞳でこちらを見ているリボンとフリルの塊の毒舌腹黒ショタは宰相の息子のジュディマ侯爵令息。
これからの展開が楽しみなのだろう。その場で1人ピョンピョンとマサイ族みたいに跳ねている。
王子は今も何か、私の罪状のようなものを語り断罪しているが、水の中に居るようにくぐもってよく聞こえない。
自分や周囲の息遣いや衣擦ればかり、
ハァハァ、さらさら、チャリチャリと鋭く耳に刺さる。
周囲が緊迫した面持ちで間合いを詰めてくるのが判る。
嗚呼、どうしてこうなってしまったのだろうか。
私が、暇潰しにインストールしてみた乙女ゲームの悪役令嬢に転生していると気付いたのは7歳のお見合い茶会の時だった。
そこから、何とか断罪を回避しようと足掻き続けてきたがゲームの強制力は恐ろしく、
ゲーム通りに王子と婚約し、学園に入学し、男爵令嬢を虐めてないのに虐めたとしか思えない状況に何度も陥り、
とうとう、この卒業パーティーで婚約破棄と断罪の憂き目となった。
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