神となった男

ぴっさま

文字の大きさ
上 下
24 / 24

第24話 女性記者④と痴漢被害②

しおりを挟む
女は若い新聞記者である。

神がこの日本に居る。
これを証明するためにある事件を追っていた。
だが、テレビを見ていたら「痴漢し放題」というキーワードが目に入った。

女は考える。
今までの天罰の傾向だとかなりテレビとかマスメディアの情報とリンクしている。
恐らく神はテレビなどを見ているのではないか?
ならばここで痴漢をすると、おそらく神に裁かれるに違いない。

そう考えた女は次の日、早朝から痴漢が多いと思われる某駅で事を待った。
乗車率が高い時間になり、降りてくる人達を探偵のように眺めていた。

「きゃ~っ!」
ある車両に悲鳴が響き渡る

女はこれだ!と思った。
急いで用意していたスマホのカメラアプリを立ち上げ、動画を撮る。
人集りに近付いていく女。

車両の中にはハゲた中年男性が、右手を変に伸ばした状態で硬直していた。
その周りには男性の物と思われる荷物と髪の毛?が散乱している。

(痴漢をしたからハゲて硬直した? これが天罰?)

女は驚愕しながらも一部始終を動画に収めた。
身動き出来ない痴漢男は駅員に運び出され、救急搬送されていった。

その後、似たような騒動が同じ駅内だけでも数十回起こった。
その日のニュースで日本全国の駅で同様の被害者?が相当数出た事が報道された。
皆ハゲて主に利き腕をそうとう苦しい角度で曲げ、固まっているのである。

女は上司にこれは被害者ではなく、痴漢の加害者だと訴えた。
特ダネとして扱えと。
だが、上司には確定していないとして却下された。

まあ仕方がない。
恐らくはまた誰かが研究して男達の功罪が暴かれるだろう。

とりあえず想定通りの結果にはなった。
一歩前進したと思う事にする女であった。


ーーーーー
ファンタジー小説も書いています。
「半神の守護者」
※目次の下のフリースペースにリンクを置いています。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...