【完結済】サバイバル奮闘記 転生悪役令嬢の逆転劇

本編

１３．サバイバル生活 一日目 ルシエル

ルシエルがあらかじめ島を鑑定していたおかげで
条件の良い拠点の場所が確保出来た。

「これから一緒に生活して行く上で
俺にもここの場所を選んだ利点を教えてくれるかい？」

「まず第一に手頃な大きさの洞窟がある事です。
雨は体力を奪うので病気になりやすいから
早急に雨風を防げる場所の確保が必要です。
木々で建物を作る事も出来ますが時間がかかってしまいます。」

デュークは言われてみると崖山に洞窟らしき物を見つけた。
「成る程、確かに洞窟は頑丈だし、
色々やる事が多い中で建物の建築に時間を取られないのは良いね」

「次にその洞窟の周りの水捌けが良さそうなことです。
大小の小さな石が敷き詰めれれていて
雨が降っても水がたまらなそうです。」

(もしかしたら、洞窟といい、砂利といい
大昔はここは川か海の側だったのかもしれない。
乙女ゲームなのでそこまで考えてはいないだろうから
偶然かも知れないけど。)

「水がたまらないとなぜ良いんだい？」
「流れのない水は澱んで、虫や病気の原因になります。
虫は野外で生活する際で、病気と同じくらい危険なのです」

「その他は何かあるかい？」
「ここからは見えませが、ある程度離れた所に大きな湖があります。
距離的にも地形的にも台風がきたとしても
ここまで水が来ることも無さそうですし
毎日水をくみに行くのも比較的楽そうです。」

「水は俺が魔法で作れるけど水汲みの必要があるのかい？」
「私もそこまでは分からないのですが、
あまり継続的に魔法で作成した水を摂取しない方が良い気がします。」
「魔力酔いか、確かにそんな研究をしている学者がいたな。
ところで、ご令嬢のルシエルが何故そんな知識を持っているのかな。」

「えっと、流刑になったら必要かなと思いまして・・・」
「そこまで気が回るのなら、そうならない努力をして欲しかったけど
備えあればって事で追求はしないよ」

私はぎこちない雰囲気に居た堪れなくなって目をそらした。
まさか前世でたまたま海外のサバイバル動画やラノベの知識などと
言えるはずがなかった。

「さてと早めに色々着手した方がいいけど
資材もふんだんに手に入れたし、日も暮れたので今日は早めに寝て
体力を回復しよう
水魔法で水を出して火魔法で温めた石を入れて
程よい温度にしてあげるから。

海水で気持ち悪いだろう。

水浴びはあまりはなれると心配だから
洞窟の入り口近くで済ませて欲しい。
私もからだを洗ったら最後に魔法で乾かしておくから」

「ありがとうございます。」

私も正直クタクタだった。
溺れて、濡れたままの服で作業したし
精神的にもギリギリまで追い詰められていた。
今も気を抜けば直ぐに寝落ちしてしまいそうだった。

・・・・コンテナの荷詰めと移動はほとんどお義兄様だよりだったけど

「あーあと、あの船のコンテナに積んであった衣類だけど、
あの女の衣類しかなくてね、ドレスも寝巻きも、服もかなり露出が高い。
せめて聖職者の服は持っているかと
思っていたんだがそれも無かった。

かなり大きいが服に関しては私の服を着た方がマシだ
マントも夜に干しておくから恥ずかしかったら
それを服の上から羽織ると良い
色々魔術で加工しているから快適だよ。」

「・・・何から何までありがとうございます・・・」

罪人の私の服を積んでないのは分かるけど
聖職服を持ってない聖女ってなんなのよ。

その後二人で体を清め
兄が逃走する上で野外に便利な寝袋を二人分と
簡易結界ランプを用意してくれてた。

このランプは非常に優秀で
ランプの周りに虫や弱い魔物を寄せないようだ。

ルー君と名付けた子犬を抱いて寝袋に入ると
私は直ぐに眠りについてしまった。

想像していたより遥かに良い環境で一日目を過ごせたのだ。