【完結済】サバイバル奮闘記 転生悪役令嬢の逆転劇

忠野雪仁

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本編

25.サバイバル生活 二日目 その後② ルシエル

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ルイード様も仲間になった事で
飛躍的に探索の能率があがる予定だったのだが意外にも揉めに揉めた。

ルイードさんとしては、お義兄様が拠点に残り錬金で色々作る
その間にルイードさんと私で目ぼしい物に鑑定をして
必要であれば拠点に持って帰るの組合せが最も高率的だと主張した。

私もこの案で問題ないとおもったのですが
お義兄様が断固反対して来た。

主な理由が、今は錬金する資材があまりない
魔法鞄もお義兄様の名前で登録しているので
一度解除して義兄様以外の名前で登録し直すしかないらしい
複数の魔物に囲まれた際に、転移するまでの間が危険だなど

ルー君だけを置いていく案も出たのだがそれは私が大反対した。
もう暫くすればダン様よりも強くなるらしいのだけど
見た目どう見ても子犬にしか見えない。
私でも餌で釣って後ろからヒョイと抱き上げれば簡単に連れ去る事が出来そうだった。

「お前とルシエルを二人きりにさせるなんてありえない」
「ですから、何度も言っている通り、その為の魔法契約書でしょう」
「感情などの複雑な拘束は出来ないんだろう?
物理的な害があるとか無いとかの問題では無い」
「仮にそうなったとしてもそこはもう自由恋愛の範囲でしょう、
一生妹を嫁にやらないつもりですか」
「ああ、そうだが何か問題でもあるのか?
俺とルシエルは、血は繋がっていない
何故、嫁に出さなければいけないのか、さっぱり分からんな」
「・・・このどシスコン」
「監禁が趣味な人間にどうこう言われたく無いな」
「人を変態扱いしないで欲しいですね、
私は監禁が趣味な訳ではありませんよ。
好きな人を監禁するのが趣味なんです。」
「同じだろう?」
「やれやれ全く分かってませんね、
あれですか?貴方は絶対に夫婦共働きでないと許せない派ですか?
私は好きな人に家にいて欲しいだけですよ。
その延長線上で私がいない間に物騒な人間が来ても平気な様に鍵を掛けるだけです。
ほら、何にも問題無いじゃ無いですか?」
「問題だらけだ、少なくともこの島にいる男の中で一番お前が物騒な事を再認識したよ」
・・・
・・

ずっと終わりそうにないし、
段々なにを争っているのかさっぱり分からなくなって来たので洞窟の奥の方で
本日の収穫物に鑑定をかけた。

【鑑定結果】
名称:びわ
分類:植物
その他:果実甘くは生食可、種子は生薬となる

【鑑定結果】
名称:ツキミソウ
分類:植物
その他:種子にリノレン酸、根は喉の痛みに用いる。

中略

【鑑定結果】
名称:アユ
分類:魚
その他:生食も可であるが寄生虫がいる場合がある為
   焼いて調理する方が良い

最近気づいた能力なのであまり意識して無かったが
本来の能力の使い道は今回の様な使い方が正しいのかも知れない。

この生活に置いて、食べられる食べられないが分かるのはかなり役立つ
キノコなど毒キノコかどうかなどわかったものじゃ無い。

後は、薬草などの効能を説明してお義兄様に渡せば、
簡単な薬ならお義兄様の『調合』ですぐに出来るかもしれない
両手に別々の物を持てば合成した調合も分かるかと思ったが
うっすらと良いものが出来るかどうかくらいのイメージは湧くが詳しくは分からない。
もう少しなれればいけそうな感覚はあるのだけど・・・

お義兄様の『調合』でも能力発動時にある程度結果が分かるみたいだけど
材料が無駄になるし、単純に調べるだけなら私の能力の方が上の様だ。

人間にかけたらどうなるだろう?
【鑑定結果】
名称:ルシエル・ヴァレンシア
階級:侯爵家長女
状態:健康 やや栄養失調気味
その他:『鑑定』能力所有

まだ爵位を除名されていなかったのね。
陛下不在時でその直後遭難で決めかねているって事かしら?
そうならまだお父様もお母様も平気でしょうね。
王家出席の茶会とかは招待されないかもしれないけど・・・ごめんなさい
能力がわかるのか、後で二人に相談しよう

健康状態が分かるのは最高ね。
何の症状か分かれば、効く薬もある程度は特定出来る。

「ルシエル、とりあえずルイードの『転移』で大きな石で洞窟の入り口を囲って
出入り用の隙間に草でカモフラージュして誤魔化す様にした。
フェンリルがある程度育つまでは、全員行動、以上だ。」

「・・・はい」

二人とも疲れ果てた顔をしていたので私は素直に返事をして
夕食の準備をする事にした。

・・・洞窟の入り口近くで料理するつもりだったけど雨の日はどうしよう。
また下手に今口を出すと不毛な言い争いが始まりそうなので、後で少し考えよう。

夜寝る前に今度は誰がどこで寝るのかの言い争いが始まったけど
自分が加わると更に揉めそうなのでさっさと洞窟の奥に行って一人で寝始めた。
ルイードさんの寝袋が無くて床で固いから多めに毛布は残しておいた。


ーーーーーー
かなりの強攻軍となってしまいましたが、一旦きりの良いとこまでかけたと思います。
明日以降は、一日一話を目安に投稿していこうかと思っています


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