夢の国から

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夢の国から

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 ここはどこかの研究所、そして我々は被検体である。しかしこの施設の様子は明らかに普通ではない。何らかの研究をしている場所であることは確かだが、研究設備のようなものにお目にかかったことはついぞ今までなかった。建物はいくつかに分かれているようだが総じて民家ほどの高さで、例えるなら小学校、いやむしろ幼稚園のような場所なのだ。そしてその建物の間にある中庭のような場所で我々は普段過ごしている。しかしそれだけだ。何の研究をしているのか、我々が何の被検体なのかも知らされていない。非検体といっても、今まで何かの研究に協力した覚えはない。何もさせられていない。せいぜい、こうして中庭で日向ぼっこをしているだけの毎日である。我々が被検体であるというのも、それらしい格好をしているからそう認識しているに過ぎない。おおかた、世間に公表できないような研究でもしているのだろう。そうであった方がむしろ納得するし、そうでなければおかしい。そういった風貌なのだ。そしてなによりも、ここの警備設備は監獄のそれに酷似している。素人目にも分かる。これは外部からの侵入者を防いでいるものではなく、明らかに内部からの脱走者を防ぐための設備だ。四六時中、怪しげな白い制服に身を包んだ施設の人間がそこらじゅうをうろつき、施設周辺には要塞よろしく厚く高い壁がある。研究所としてはどう考えても異常だ。当然、今まであの壁を越えて脱走に成功した被検体はいなかった。
 しかし今、俺はその壁の外へ出た。
 帰らなければいけない場所があるわけではない。帰りを待つ家族はいないし、行方を心配されるような友達もいない。というより、思い出せない。月並みな言い方をすれば、頭に靄がかかったように何も思い出せない。いや、靄というより雪だろうか。記憶の引き出しが降り積もった雪に覆い隠されて引き出そうにも引き出せない。引き出しがどこにあるのか、そもそもそんな引き出しがあるのか、ということすら定かではない。一般的な知識としては、家族がいて、友達がいて、幼少期は保育園へ通い、成長して小学校に上がり、勉強して遊んで暮らすことは知っている。自分にもきっとそれがあったはずなのだ。しかし自分の過去がまるで思い出せない。この施設に来たのはさして昔ではないはずだが、なぜかずっと前からここにいる気がするのだ。幼少期からここで暮らし、ここで成長して時を刻んできた気がするのだ。なのに丁寧に記憶を辿ろうとすると、ここで過ごした記憶もない。この施設の外での生活も思い出せない。いつ、どんな経緯でここに連れてこられたのかということも分からない。いや、誰かに連れてこられたのかどうかさえ、正確には分からないのだ。かといって、記憶喪失になったという感じでもない。強いて言うのなら、今ここで、この状態でこの世界に生まれ落ちたかのようだ。
 それでも俺は壁の外へ出た。外の世界に帰りたいわけではない。ただ、この施設に居てはいけない、そう本能が語り掛けてくるのだ。こうして常に状況を整理しなければ自分というものが無くなってしまいそうな不安が漠然と存在する。精神の奥底に眠る恐怖が呼び起こされるのだ。理由は分からないのに、ここに居てはいけないという真理だけがそこに在る。ここは自分の本質さえ揺らいでしまうような危険な場所であると。だが、それだけの理由で無謀な脱走を決行したというわけではない。確証はないが、勝算はある。俺は以前、この壁を越えて脱走に成功したことがあったのだ。そんなことをした記憶はないが、脱走したことがあるという事実だけははっきりと覚えている。いや、知っている。何のために脱走したのかも、なぜ再びここにいるのかも分からない。連れ戻されたのか、それとも何らかの理由で自分から戻ったのかもしれない。しかし確かなのは、一度このルートで安全に壁を越えることができたということだ。今はそれだけで十分だ。正直に言えば、この壁を越えることはそう難しいことではない。監視の目も、人数をただ持て余しているだけのようで、そこまで行き届いてはいない。というより、白服たちは我々に無頓着なのだ。
 この壁を越えると、目の前には牧場、右手には荒れた畑がある。前回は確か、牧場を迂回し、畑を超えて行ったんだ。そしてその先には施設裏から続く暗い森と、大きな川があったはずだ。それ以上は覚えていないが、ひとまずそこを辿る必要があるだろう。記憶に従って畑の脇をすり抜け、小道に走り出る。
そこで、畑で作業していたと思しき老人が声をかけた。・・・おかしい。明らかに不自然な風貌の俺が、不自然な建物から不自然な方法で出て来たはずなのに、その老人はさも当然のように世間話を始めようとしている。だいたいこんな場所に建てられた不自然な建物に疑問を抱かないはずがない。いやちがう。そもそもおかしい。自分のものではないかのような記憶であったからここまで気が付かなかった。なぜ前回、俺は壁を越えることに成功したのにも関わらず、その後のことを警戒していたのだろうか。よく考えたら壁を超えた後のことなんて、どうでもいいはずだ。適当に遠くへ走ればいいのだ。この施設からの脱走が目的なのだから。そうか。おかしいのは、この施設だけではない。
 俺はまっすぐ走った。畑を超え、小道を渡り、小さな用水路を飛び越えようとした。そこで見たことのない物が目に入る。用水路の手前あたりに機械的な何かが施設を囲うように張り巡らされているのだ。太いワイヤーのようなものだろうか、用水路を超えるため跳躍した俺は同時にその機械も飛び越えた。何も起こらない。しかし安心して着地し歩を進めようとした瞬間、不可視の網が顕在化した。現れた網は同時に弾性を取り戻し、網に突っ込んで引き延ばしていた俺を勢いよくはじき返した。嫌な予感がする。俺は施設を取り囲んでいるその機械をあらゆる場所から飛び越えてみる。結果は同様、テニスボールかバドミントンのシャトルのように俺ははじき返され、無様に地面に転がった。これは明らかに前回の脱走時にはなかったものだ。この施設の何かが、変わっているのだ。
 だが先の一件で思い出した。壁を越えた、明確な目的を。俺は前回、解毒剤を入手するために壁を越えたのだ。解毒剤、そう呼ばれるものを求めてはいたことは思い出したが、それが何かは皆目見当もつかない。解毒剤、ということは我々は何かに侵されているのだろうか。遅効性の毒物の類であろうか。それとも何かしらの精神汚染でも受けているのだろうか。しかしその、解毒剤とやらを入手しなければ、たとえこの施設を脱したとしても俺に未来はないということだけは分かる。解毒剤は、施設内からはアクセスできない。壁を越え、施設の裏に廻った所に隠されているのだ。だから前回は壁を越えたのだ。あれは、この施設としては不自然に厳重な保管がされている。そういう意味では、あの不可視の網も不自然である。言うなれば、この施設が本気になっているという凄みを感じる。
 施設の裏手には古い小屋やガラクタが転がっており、森に面していてあらゆる方向から死角になっている。そのガラクタの一つ、錆びてひびの入った古いタッチパネル。これは、他のがガラクタ同様に転がっているように見えて、実際は施設の壁に固定されている。これを操作するのだ。操作方法は体が覚えている。前回も同じことをしようとしたのだ。そして、前回は解毒剤を手に入れ、たのだろうか。覚えていない。それ以上の記憶がぷっつりと存在しないのだ。しかしこの隠し場所を暴いたことは確かである。前回と同じようにすれば良いのだ。
 無機質な電子音と共に、手順が進んでいく。操作を完了すると、武骨なパネルは白煙を上げながら開き、中から数本のアンプルが姿を現した。これが、今俺に必要な物のはずだ。記憶通りにいった安堵か、未知なるモノへの恐怖か、震える指を携えアンプルに手を伸ばす。瞬間、施設全体にアラームが鳴り響く。慌ててアンプルだけでも回収しようとするが、固定されていて取り外せない。逃げようにも、外は不可視の網で囲われていて逃げられない。計画は中断せざるを得ない。こうなってしまったら一度施設内に戻る他ない。自分でも不思議なほどに冷静に、かつ迅速に踵を返し、元来た道を辿り始めた。一つ一つルーティーンをこなすように、丁寧に、正確に自分の軌跡を辿る。「失敗すれば全てを失う」という緊張感、そしてそれと矛盾する「無事に戻れる」という確信、それらを平行に感じる。しかしそれが俺に異常なまでの冷静さを与えたからか、安全に壁を越え施設内に戻ることを許されたようだった。
 施設内に戻る頃にはアラームも鳴り止み、いつも通りの光景が広がっていた。今までけたたましく鳴り響いていた警報音とは裏腹に、施設の人間は平然としている。俺が壁を越えて脱出し、再び戻ってきたことにも気が付いていない。いやもしかしたら帰ってきたところは見られたかもしれないが、彼らには一切反応がなかった。そもそもこの施設の人間には、およそ人間味というものがないのだ。
 先の脱走計画は失敗した。理由は分からない。しかし、この異常な施設から脱走する手段としては選択肢がもう一つある。前回は壁を越えて脱走を試みたという記憶を頼りに今回も脱走を図ったが、この施設には他に脱走できる場所が存在することを俺は知っている。いやむしろ、こちらがRPGでいうところの正規ルートなのだ。この施設の一角に存在する異様な空間、ゲームセンターにありそうな派手な機械が天井まで所狭しと積み重なり、迷路のような通路を形作っている部屋。部屋というより大きな倉庫のようだが、機械が並んでできた道は複雑に曲がり、奥の様子が外からは確認できない。今まで俺は、ここに人が入っていくところを見たことは何度かあるが、人が出てくるのは一度も見たことがない。しかし、だからここが出口だ、と断定したわけではない。なぜか俺はここが確かに出口であることを知っている。根拠はないが、なぜかそう確信できる。知っている。ここから外へ出られるということ、そして、この手段であれば件のアンプルを入手する必要がないということも。
 ならばなぜまずここからの脱出を試みなかったかといえば、俺がまだ正常な精神を保っているからだろう。一言で言うならば、この施設にいる人間、白服たちも非検体らもどうやら狂っている。しかし俺はこのように、なぜか一人だけ理性がある。いや、俺だけが違うということは、ここでは俺がおかしいのだ。もはやどちらが正しいのか、正常なのか、分からなくなってしまっている。ただ言えるのは、俺以外の被検体は施設の人間と同じような表情をしているということだ。彼らは、まるで既に死んでいて、死体が動いているかのような生気の無さである。きっと少し前までは俺もこんな様子だったのだろう。この機械迷路へ入っていく被検体らもまた、皆トイレにでもいくような様子で自然に入っていく。だがその様子は、俺の目にはアンコウの口に自ら入っていく小魚のように映った。あの場所はこの施設の中でも抜きんでて異常だ。異常で、超常で、非常だ。俺と同じ正常な人間であれば誰でも共感できるだろう。あれはこの世のものではない。
 しかし選択肢があるとはいえ、最低限策は練り直さねばなるまい。脱走の失敗を経て、多少変化したこともあるのだ。今一度、先の一件で思い出した記憶を踏まえて状況を整理すべきだろう。・・・まず最初に俺は、例の機械迷路が出口である、施設周囲の壁を超えることができる、という記憶を頼りに脱出計画を立て、消去法的に後者を選んだのだ。そして結果的にそれは叶わず、その道中で思い出した解毒剤についても入手に失敗した。大まかにに状況を見れば、これは前回の俺の脱走を経てこの施設の警備が強化されたと考えることができる。しかし本当にそうだろうか。断片的な記憶だが、少なくとも前回は施設周辺にあのような不可視の網が設置されていたことはなかった。つまり、前回俺が解毒剤の回収に成功したと仮定すれば、その後は施設から離れることもできたはずなのだ。そのまま遠くに走り続け、いつかは俗世に帰ることができたはずなのだ。にもかかわらず俺はこうして再びここにいる。単純に解毒剤の入手に失敗したという可能性もあるが、その線は薄い。なぜなら、機械迷路の先に例の解毒剤があることを知っているからだ。
 自分の記憶を解読するというのは何とも奇怪な話ではあるが、「機械迷路が施設の出口であり、そこを経由する場合解毒剤の奪取は不要である」という記憶は、解毒剤が必要ないという意味ではないはずだ。解毒剤自体は絶対に必要だ。絶対的に不可欠、何にも代えられないピースなのだ。そういうものとして俺の記憶は解毒剤を定義している。ともすれば、機械迷路の先にはまた別に解毒剤があり、それは俺が前回奪取に成功したものだ、とは考えられないだろうか。俺は前回解毒剤の奪取に成功した、しかしそのまま脱走せずにこの施設内に戻った、そうは考えられないだろうか。この推測は俺にとってとてもしっくりくる。しかし同時に、出したくなかった結論でもある。この推論が正しければ、この施設だけではなく周辺地域、延いては今居るこの世界を否定することになるのだから。
 薄々感じてはいたが、自分で理屈を詰めた結果そこに行きついてしまうとどうしようもなく確信してしまう。確定していないのに確信してしまう。前提として、脱走に必要なのは解毒剤と脱走経路。そして前回俺は解毒剤を奪取した。しかしそのまま脱走しなかった、できなかった。ということは、脱走経路がなかったのだ。あれは、壁を越えることは、脱走経路足りえなかったのだ。「壁の外」とは、「施設の外」と同義ではない。壁の中も、外も、等しく尋常ではない。何かがおかしいのだ。壁の内側、壁の外側にあるもの全て。それは即ち、この世界だ。
 自我がはっきりした時点からずっと抱いていた違和感の正体はこれだったのだろう。壁の外に出ても、頭の中に沈殿した粘着質の不快感が消えないのだ。壁の外へ出ても、施設から出られた気がしない。本質的に、壁の内側と外側に差異がない。やはり、この世界に俺の求めた日常はどこにもないのだ。たとえこの壁を越え、千里先まで走ることができたとしても。ともすれば、あの機械迷路は出口というよりこの世界と元の世界を繋ぐ通路だということなのだろう。しかしその、俺の思う「元の世界」なんて本当に存在するのだろうか。俺は先程この世界を否定し、そして俺の知っている世界を共有できる人間が、ここには一人として存在しない。俺の信じる、ここではない世界を肯定できるのは、もはや俺の曖昧な記憶だけなのだ。それも、俺自身のいない曖昧な世界の記憶。
 とはいえ、それだけならば良いのだ。何の問題もない。なぜなら、もとより俺には元の世界への思い入れがないのだから。元の世界の記憶はあっても、元の世界で過ごした自身の記憶がないのだから。極論、俺の期待する元の世界というものがあろうがなかろうが、この施設から脱することができればそれで十分だ。なんなら、そんなことは戻ってから確かめれば良い。問題は、先程の思案によって脱走の手段があの機械迷路に限られてしまったということなのだ。元々選択肢など無かったのだろうが、不確定な事象というのはそれだけで希望足りうる。それ以外に手段がないという事実を突きつけられてしまって、既に絶望すら感じている。それくらい、あの機械迷路は尋常ならざる邪気を垂れ流しているのだ。
 この機会迷路の入り口は、画だけ見れば不気味なほど賑やかだ。通路を形作っている無数の機械から零れるカラフルな光は、複雑に交差し合って手前の廊下を華やかに照らしている。何も感じなければ、街灯に群れる羽虫のように本能的に惹かれてしまうだろう。実際、他の非検体らがここに入っていくのはそういう理由なのかもしれない。ただその先に待っているのは鬼か蛇か、何にせよここがただの出口であるはずはない。慎重に歩を進めるのは当然のこと、何か起こることを前提に行動しなければなるまい。
 他の被検体が機械迷路に入っていく。その後ろを、少し距離を開けてついていく。他の比検体をカナリヤにするのは少々心が痛むが、そうもいっていられない。人が入るばかりで出てこないというのは、最悪の場合も想定できるからだ。
 機械迷路を進むと、景色が徐々に変わっていく。地下鉄のような白く狭い通路に薄汚れた蛍光灯、はたまた終業後の薄暗いデバート。他にも、俺の知らない何らかの施設。いや、それらの施設を模した、というような通路であり、実際に機能している様子はない。そして、最初の機械迷路から言えることだが、一貫性がない。混沌としている。長く果てしない通路である以外に、この構造物には用途や意図といったものが全く感じられないのだ。
 ただ、しばらく進んでから妙な置物が増えてきている。マネキン、というより色々なキャラクターをデフォルメしたような置物。最初のうちは気にも留めなかったが、やはり不自然である。周りの景色は一貫性がないが、少なくともそれぞれ統一された世界観、のようなものがあった。しかしこの置物はどこにでもある。周りの景色が変わっても、その置物はそれらで独立した世界観を放っているようだ。どの置物もデザインが違い、どの置物も何かをしているような体勢をしている。そして、・・・どの置物も出口を向いている。
 瞬間、足が重くなる。セメントがこびりついたように足が重く、動かしずらい。周囲を警戒するのに必死で忘れていたカナリヤに目を向けるも、いない。ここまでくれば、彼がどうなったかなど確認するまでもない。早く、解毒剤を、見つけなければ。いや、一度戻るべきか。前回も同様の失敗をしたのなら、引き返せば間に合うのかもしれない。いや、無理にでも解毒剤だけは回収すべきだ。いや、・・・いや・・・。・・・思考がまとまらない。腕も思うように動かせない。重くなっていく足にふらつく。戻るべきだ。このままでは何をすることもできない。戻ろう。
その時、踵を返す俺を何かが引き留めた。
 いや、感覚の鈍った腕に何かがぶつかったのだ。置物。数ある中でも不自然な格好をしたその置物は、しかしながらとても見覚えのあるもの、俺が探し求めていたものをその手に持っていた。
想定はしていた。俺は前回の失敗の際、なぜ解毒剤を置いてきたのか。なぜ持ち帰らなかったのか。なぜ使用しなかったのか。それは、協力者がいたからだ。共にこの施設からの脱出を計画し、実行に移した協力者。この協力者のことも、もう朧げにしか覚えていない。だが、俺にとっては、相棒ともいえる存在だったはずなのだ。それもきっと、元の世界からの。こいつは、分かっていたのだ。一度失敗すれば、もう解毒剤の入手ができないことを。分かっていて、俺を戻らせたのだ。自分はもう手遅れだと悟ったときに。自分はここで待つ、そういって。
 解毒剤を見つけた。なのに、この置物から目が離せない。きっと顔の造形も、元の姿とは似ても似つかないものだろう。いや、同じ顔だったとしても、今の俺にはもう分からないだろう。なのに。こいつは最後に、世界から、そして俺の記憶から消えてしまうというときにも、・・・俺に嘘をついたことを、懺悔していたのか。
 置物の手からアンプルを抜き取り、蓋を開け、飲み干す。手足のしびれが消え、自由に動く。先ほどは気が付かなかったが、少し先が開けていて光があふれていた。それはこの迷路の終着点、この世界の出口。直感的に動かす足が、少しづつ光に溶けていく。

 俺は目を覚ました。
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