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しおりを挟む授業を終え、美織はまっすぐ駅の方へ向かった。礼一と待ち合わせをしているのだ。学校の近くまで迎えに来るという彼に駅でお願いしますと美織が頼んだ。明らかに高級車だとわかる車に乗り込む姿を知り合いに見られ、色々と尋ねられるのを避けるために。駅から少し離れた場所で待ち合わせることになった。
こちらの都合で場所を変更してもらって、待たせるわけにはいかない。美織は急いで待ち合わせ場所に向かっていた。
そのとき、急に腕を掴まれる。驚いて立ち止まると、別の高校の制服を着た見知らぬ少年が緊張した面持ちで美織を見ていた。
「あ、あのっ、俺、池原っていうんだけど……っ」
「え、あ、は、はい……?」
名前を聞いても、誰だかわからない。
困惑する美織に、池原という少年は話を続ける。
「実は朝、いつも同じホームで地下鉄待ってて……あ、行く場所は逆で、同じのには乗ってないんだけど……でもずっと、可愛いなって思って見てて……」
池原はたどたどしく説明してくる。
美織は内心とても焦っていた。礼一はきっともう待っている。早く向かいたいが、かといって彼を無視することもできない。
「ほんとはずっと声、かけたくて、でも朝は慌ただしいし、引き止めるのも悪いなって思って、なかなか声かけらんなくて……」
「はあ……」
「もし違う時間に会えたら、絶対声かけようって思ってて、だから今、偶然見かけて、それで咄嗟に手ぇ掴んじゃって……あっ、ごめん、急に……痛くなかった?」
「だ、大丈夫です……」
池原は掴んでいた腕を慌てて離した。
戸惑う美織の姿を見て、彼はぐしゃぐしゃと髪を掻き回す。
「あー、ほんとゴメン! 絶対このチャンス逃がしたくないって思って、焦っちゃって……めっちゃ緊張して、言ってることワケわかんないし……」
「い、いえ……」
「つまりその、好きなんだよね、君のこと」
「えっ……」
「できたら、お付き合いしてほしいなって……」
はじめて告白された美織は、驚いてなにも言えなかった。そしてなによりもまず、頭に浮かんだのは礼一のことだ。
彼に飽きられるまでだが、一応、美織は礼一の恋人だ。だから、考える余地などなく、美織の答えは既に出ている。
しかし美織が口を開く前に、池原が言った。
「いきなりで驚かせたよね。返事はいつでもいいからさ、考えてみてくれる?」
「えっ……」
「ほんとはこの後遊んだりしたかったんだけど、バイト入ってて……結局バタバタして、ゴメン。また、声かけるから」
「あっ……」
言うだけ言って、池原は走って行ってしまった。
美織の返事は変わらないのだから、本当はすぐにでも断るべきだったのに。はじめての告白にビックリして言うべき言葉を言えなかった。
こんな風に告白されることなんて本当にあるんだと、感じるのは驚きばかりで嬉しいという感情はなかった。
礼一と出会っていなければ、違ったのだろうか。
「みーおちゃん」
後ろから聞こえてきた声に、心臓が飛び出るかと思った。
バッと振り返れば、そこにはスーツ姿の礼一が立っていた。
「れ、れ、れ、れ、ぃちさ……っ」
「あっは、美織ちゃん、驚きすぎ」
礼一はにっこりと微笑んでいる。笑顔は綺麗だが、眼鏡の奥の瞳は笑っていない。
池原のことを見られたのだ。きっと、会話を聞かれていた。
「遅いから心配して捜しに来ちゃったよ。ほら、車向こうだから、行こう」
「は、はい……」
青ざめる美織は手を引かれるまま、彼についていった。
美織との関係は礼一の気紛れだ。彼のお遊びに過ぎない。けれど礼一は、美織に他の男が近づいたりするのをとても嫌う。自分のものである内は、他の人に触られるのが嫌なようだ。
駅を通り過ぎ、少し歩いた場所に停めてあった車に乗せられる。後部座席に礼一と並んで座れば、車は静かに走り出した。
逃げ場のない場所に閉じ込められたような感覚に、美織はびくびくしてしまう。逃げ場があったとしても、逃げることなどできないのだけど。
「美織ちゃん」
「っ、はい……」
礼一はにこにこしていて、でも確実に機嫌がよくないのは伝わってきて、絶対に無事では済まないことを美織は覚悟しなければならなかった。
「さっき、告られてたよね?」
「は、はい……」
「嬉しかった?」
「いいえ……っ」
反射的にぶるぶると首を横に振る。思わず大袈裟に反応してしまったが、それは本当だ。
「告白されたのに、嬉しくなかったの? なんで?」
「わ、私は、礼一さんと、お付き合い、させていただいているので……」
尋問を受けているような気分で美織は答える。答えを間違えれば、なにをされてしまうかわからない。そんな恐怖に怯え、慎重に答えなくてはならなかった。
「そうだよね。美織ちゃんは俺の彼女だよね」
「はい……」
「じゃあさ、なんですぐに断らなかったの?」
「っ、そ、それは……」
「彼氏がいるんだから、あの場で断んなきゃダメだよね?」
「ごめ、なさ……っ」
「ほんとは嬉しかったんじゃねーの? 俺に隠れてアイツと付き合おうとか考えてた?」
「違います……!」
とんでもない誤解だと、美織は大きくかぶりを振って否定する。
礼一はずっと笑顔だ。笑顔も、声も、ずっと穏やかだ。けれどそれが美織の恐怖を拭ってくれることはない。
「ほんとに、違います……っ」
「もったいないとか思って、断らなかった?」
「ちが、違います、びっくりして、いきなりだったから、それで、なにも言えなくなって……本当です……!」
「信じてほしい?」
「はい……っ」
「じゃあ、お仕置き頑張れるよね?」
「っ、おし、おき……」
うっすら微笑む彼の口から飛び出した不穏な言葉に背筋が震えた。
「こっちおいで」と手を引かれ、座席に座る彼の上に導かれる。彼の膝を跨ぐような体勢になった。
「キスして、美織」
「は、ぃ……っ」
数えきれないほど唇を重ねてきたが、慣れることはなく、真っ赤に染まった顔を恐る恐る彼に近づけていった。
そっと唇を触れ合わせる。それだけでも恥ずかしいが、これだけでは許されない。
散々教え込まれた通り、美織は自ら舌を伸ばし、彼の唇を舐めた。開いた隙間から、おずおずと舌を差し込む。
「んっ、ふっ……」
鼻から息を漏らしながら、礼一の舌に自分のそれを擦り付ける。粘膜が擦れ合う快感と強い羞恥に、ぞくりと肌が粟立った。
差し出された礼一の舌に、ちゅうちゅうと音を立てて吸い付く。
恥ずかしくて堪らないのに、背中がぞくぞくして、下腹部に熱が溜まっていく。
胎内が疼いて僅かに腰を捩れば、礼一の手がスカートの裾から潜り込み太股に触れた。
「ふぁっ……」
彼の手は焦れったくなるような手つきで太股を撫で、ゆっくりと内腿を指でなぞる。
すっかり慣らされ、彼の手の感触を覚えさせられた体は、少し触れられただけでもすぐに火照り、脚の間から蜜を漏らしてしまう。じわ……っと奥から愛液が滲んでくるのを感じ、美織は羞恥に身を縮めた。
それに気付き、礼一はクスリと笑う。
「ん……濡れてきた?」
「んぁっ……」
脚の付け根を辿っていた指が、ショーツのクロッチ部分の隙間から秘裂に触れる。ぬるっと指が滑り、くちゅりと水音が鳴った。
「ちょっとキスして、ちょっと脚触っただけでとろとろだなぁ」
「ご、ごめん、なさい……っ」
「別に怒ってねーって」
楽しそうに笑って、礼一はショーツをずらした。
「美織ちゃん、スカート捲ってまんこ見せて」
「っ、っ、っは、はい……っ」
死ぬほど恥ずかしくても、美織は礼一の言葉に逆らえない。
震える指でスカートの裾を持ち上げる。そうすると、濡れた秘所が彼の目に晒された。
「いい子だね、美織。そのままだよ」
「は、ひっ……」
ぬぷっと、割れ目に指を挿入される。濡れた膣内は、痛みもなくそれを受け入れた。
ぬちゅぬちゅと音を立て、二本の指で中を掻き回される。
「んんぁあっ、あっ、ひうぅうんっ」
はしたない声を上げるのは躊躇われた。運転席とはしっかりと遮断されているので声は聞かれていないらしいのだが、だからと言って同じ車内に人がいる状況で絶対に人には聞かれたくない声を上げるのは気が引ける。
けれど礼一は的確に美織の感じる箇所を攻め、声を我慢できないほど強い快楽で追い詰めていく。
「ひんんぅっ、うあっ、あっ、礼一、さ、あっ、ああぁっ」
「そろそろイきそう?」
中を擦りながら親指で陰核までこりこりと捏ね回され、美織は彼の手で絶頂へと駆け上がっていく。
「んひぁあっ、はっ、ひぅんっ、いく、いっちゃ、あっ、礼一さぁっ、んんんっ」
「いいよ、俺の目を見ながらイッてね」
「あっ、いくっ、んっ、~~~~~~っ!!」
美織は無意識に礼一の言葉に従い、彼の瞳を見つめながら絶頂へと達した。
ガクガク震え肩で息をする美織の体を、礼一が支える。美織に触れる彼の手は優しいけれど、その優しさに油断してはいけない。
「しっかりしてね美織ちゃん、お仕置きまだこれからだから」
にゅぽっと蜜口から指を抜き、礼一はにこりと爽やかな笑顔で残酷な言葉を突きつける。
嫌だ、なんて突っぱねることは美織にはできない。
なにをされるのかと怯える美織の目の前で礼一が取り出したのは卵形のローターだった。何度か使われたことがあるので、どういうものかは美織も知っている。
怯える瞳でローターを見る美織に、礼一は笑顔で言った。
「これ、おまんこに入れてデートすんの。それがお仕置きだよ。もちろんちゃんとスイッチ入れてね」
「っ、そ、そんな……む、むりです……」
そんなものを入れて、外を出歩けというのだろうか。しかもスイッチが入った状態でなんて、絶対に無理だ。
できない、と首を振る美織に、礼一は悪辣な笑みを浮かべる。
「へえ……お仕置きなのに? できないって? それじゃあ美織のこと、信じてあげられないよ。美織はあのガキと浮気するつもりだったって認めんの?」
「違っ、そんな……」
「もしそうなら、ちゃんとわからせねーとな。美織が誰のものかって、美織にも、あのガキにも」
眼鏡の奥の双眸は冷酷な輝きを帯び、まっすぐに美織を見つめる。怖いのに、目を逸らすことも許されない。
「ちょーっと時間はかかるけど、今からあのガキ連れてこようか」
「っ……」
「名前も顔もわかってるし、学校もすぐ調べられる。美織ちゃんが誰のものなのかわかるまで、アイツの前でぐっちょぐちょに犯してやろうか」
笑顔で、冗談みたいなことを決して冗談とは思えない声で言われる。そして実際に、冗談では済まないのだろう。本気でやろうと思えば、礼一は簡単にそれができるのだ。
「や……それは、やめてください……お願いします……っ」
美織自身そんなことをされたくはないし、無関係の池原を巻き込むことはしたくない。
美織は涙を浮かべ必死に礼一に縋った。
「むりって言って、ごめんなさい……礼一さん、お願いします……っ」
「じゃあ、どうしてほしいのかちゃんと言って教えてくんねーと」
「お、お仕置き、してください……ろ、ローター、入れて、デート、します……っ」
震える声で懇願すれば、礼一は唇の端を吊り上げた。
「そっかー。よかった。俺もセックスしてるときのエロくてカワイー美織ちゃん、誰にも見せたくねーし。じゃ、お仕置きしよーね」
「は、ぃ……っ」
目尻から涙を零し、美織は頷く。
泣いても礼一は決して容赦しない。そんなことで同情などされない。
躊躇いもなく、涙を流す美織の膣孔にローターを当て、押し込めていく。
ローターはコードのついていない、スイッチと別になっているタイプのものだ。
「んっ、はっ、あっ、ひぅうっ、んんんっ」
「落ちてこないように、奥に入れとこーな」
「んひっ、はぁぅううっ」
ぬぐぬぐと、硬いプラスチックの塊が胎内に埋め込まれていく。
「じゃあ指抜くよ? 落とさないように気を付けてね」
「は、ひ……っ」
ローターを残して礼一の指が中から抜けていく。引き止めるように内壁を締め付けたのは無意識だった。
「スイッチ入れるよ」
「ひっ……」
ヴヴヴヴヴッ……とローターが振動をはじめる。
「ひゃぁああっ、ひあっ、あっ、んあぁああっ」
「はは、えっろい顔。どーお、美織ちゃん。どんな感じ?」
「ひうっ、うぅうっ、おっ、おくっ、ぶるぶる、ひてぇっ」
「うんうん、気持ちい?」
「きもち、いっ、あっ、あ~~~~~~っ」
美織はぎゅうっと礼一の肩を掴み、体を痙攣させ絶頂を迎えた。
落としてはいけないと膣内に力を入れれば当然ぎゅっとローターを締め付けることになり、振動が膣内全体に広がり強烈な快感に襲われる。それを何度も繰り返し、終わらない快楽に美織は涙を流して身悶えた。
「美織ちゃん、イキっぱなしだなぁ。そんなんじゃデートできないよ?」
「んひぁっ、あっ、ごぇ、なひゃ、あっ、んんっ、はぅうんっ」
「しょーがないから、振動一番弱くしてあげる」
膣内の振動が弱くなる。けれど微弱な振動が絶えず中を刺激し、快感はずっと続いたままだ。
「あ、着いたよ。じゃ、降りようか」
快楽で呆けていた美織は、車が停まったことにも気づかなかった。
礼一はショーツを穿かせ、美織を膝から下ろす。
「ほら、行くよ」
「は、はひ……」
礼一に体を支えられながら、震える足で車から降りる。
礼一の腕に掴まっていなければ、まともに歩くこともできない状態だった。
どこに行くのかもわからず、そんなことを気にする余裕もない美織は、ただ礼一に縋り歩く。
足を前へ進めるたびに、ローターが膣壁に擦れた。きゅうぅっと中を締めても、絶頂に達するには至らない。中途半端なもどかしい快感に苛まれ、美織の思考はどんどん霞んでいく。
気づけば店の中に入っていた。
「美織ちゃん、どれがいい?」
「ふ、ぇ……?」
「この後ホテルで食事するから、着替えないと」
「着替え……」
周りを見れば、いかにも高級そうな衣服が並んでいる。
店員は近づいてこない。恐らく礼一がなにか言ったのだろう。
「そ、それなら、前、前に、礼一さんに、買ってもらったので……」
以前もドレスコードのあるレストランで食事をするからと、洋服を買ってもらった。美織が着るには高すぎるドレスで、遠慮したかったが、こういうときは恋人に素直に甘えるものだよと言われ、強く断れば機嫌を損ねてしまう可能性があったので買ってもらうしかなかった。それも一回だけではない。衣服だけでなくアクセサリーなどもプレゼントされる。これ以上礼一になにかを買ってもらうのは遠慮したい。前に購入したもので美織は充分だった。
しかし、礼一はそれで納得しない。
「だーめ。前は前。今は今。俺は可愛い恋人を着飾りたいの」
「で、でも……」
「美織ちゃんは嫌なの?」
それを肯定すれば、また恋人の自覚が足りないと責められる恐れがある。
こんな場所でもうそんなやり取りはしたくない。ローターの責め苦はまだ続いているのだ。今は一刻も早くここを出たい。
「嫌じゃ、ないです……。嬉しい、です……」
「よかった。美織ちゃんに喜んでもらえて俺も嬉しいよ」
礼一は嬉しそうに微笑む。周りから見れば、それはそれは優しい恋人に見えるのだろう。だが、美織にとっては決してそうではない。
「どれにしようか? 前は可愛い感じの選んだし、今日は大人っぽいのにしてみようか」
「は、はぃ……っ」
どれがいいと訊かれても、美織は自分で選べない。どれも高過ぎて、デザインよりも値段が気になってしまう。それに、ローターのせいで商品を見る余裕もない。
「れ、礼一さんに、選んでほしい、です……」
早く店を出たい美織は礼一に頼んだ。
礼一は、そんな美織の心情をわかった上で咎めることもなく、それ以上追い詰めてくることもしなかった。
「じゃあ、ちょっと待ってて」
「はい……っ」
美織はほっとして、礼一から離れ彼が商品を選ぶのを待った。
楽しそうにドレスを手に取る礼一を見つめる。彼は本当に、美織を着飾るのが好きなようだ。なにかと理由をつけ、衣服やアクセサリーを贈りたがる。
礼一を見ているだけで、異物を咥え込んでいる膣内がきゅんと蠢いた。
こんなところで思い出しては駄目なのに、彼に抱かれているときのことが脳裏に蘇り子宮が疼く。
彼のことを好きなわけでもないのに、何度も彼に抱かれたこの体は、ローターを埋め込まれた膣孔は、彼を求めていた。
物足りない。彼の熱で満たしてほしい。中を擦って、奥を突いて、頭がおかしくなりそうなほどめちゃくちゃに犯してほしい。
美織は知らず知らずの内にきつくローターを締め付けていた。火照った体を持て余し、呼吸はどんどん荒くなる。
「美織ちゃん、お待たせ」
声をかけられ、美織はハッと我に返る。
礼一はわざと時間をかけたりなどはせず、長く待たされることはなかった。
「じゃ、試着しようか」
そう言って礼一は美織を試着室へ促し、そして当然のように自分も入ってくる。店員は気づいているのだろうが、なにも言ってこない。
「れ、礼一さ……」
「ほら、脱がせるよ」
礼一は美織の制服を脱がせていく。
美織は慌ててそれを止めようとした。
「わ、私、自分で……」
「美織ちゃん、そんな状態で一人で着替えられんの?」
「っ……」
確かに、歩くだけでも擦れて辛いのだ。身を屈めたりできないかもしれない。
「ね? 俺が着替えさせてあげるから」
「お願ぃ、します……」
礼一の手がスカートのホックを外し、チャックを下げる。礼一は床に膝をついてスカートを足元まで下ろした。「足少し上げて」と言われ、慎重に片足ずつ上げればスカートをそこから抜かれた。
上はワイシャツ、下はショーツだけを身に付けている状態になる。
「あーあ、美織ちゃんのパンツ、もうぐっちょぐちょだなぁ」
「っ、っ……」
見て明らかにわかるほど、ショーツは溢れた蜜で濡れてぴったりと張り付いていた。そして今も、蜜は漏れ続けている。
床に膝をついている礼一は、それを間近で見ていた。
自分で汚してしまった下着を見られるのが堪らなく恥ずかしく、泣きそうになった。
「下着も取り替えようね」
「っえ、でも……」
「この店、下着も売ってんの」
礼一は手に新品の下着を持っていた。気づかなかったが、下着も選んでいたようだ。黒いレースの、美織が自分では絶対選ばないような色っぽい下着だ。
「じゃ、パンツも脱ごうか」
「あっ……」
止める間もなく、するりとショーツを下ろされる。ねっとりと蜜が糸を引く様を見られ、美織は更なる羞恥に襲われた。
「美織ちゃん、おまんことろとろ。すっげーうまそう」
「ひぅっ……!?」
秘所に熱い吐息がかかり、それだけで大袈裟に反応してしまう。
後退しようとする美織の脚を、礼一ががっちりと掴んだ。
「じっとして。大きな声出しちゃダメだよ?」
「れ、れぃいちさ……っ」
「その泣きそうな顔、めちゃくちゃ股間にクるなー」
楽しそうに目を細め、礼一は濡れそぼった秘裂を舐めた。
「んっ……!!」
美織は慌てて両手で口を塞いだ。
ぴちゃりぴちゃりと音を立てながら、礼一の舌が秘所を舐め回す。花弁を濡らす蜜を舐めとり、じゅるっと啜る。
「ふぅうんっ、んっ、ふっ、ううぅっ」
ガクガクと脚が震える。
陰部の表面だけ舐められ、中を弱い振動で刺激され、気持ちよくても絶頂に達するには足りない。
放っておかれているクリトリスが切なく疼いた。舐めてほしいと訴えている。
礼一の舌で丁寧に執拗にぬるぬると舐められ、食まれ、吸われる快感を体はもうしっかりと覚えていた。あの快感を味わいたい。
いきたいのにいけなくて、自分で腰を動かし、彼の舌に陰核を擦り付けそうになる。
美織はそれを必死に耐えていた。
こんなところで、そんなことしてはいけない。
──では、こんなところじゃなかったらいいのだろうか。いつもの礼一の家やホテルの部屋の中だったら、そんなはしたない真似もできたのだろうか。好きでもない相手に快楽を求め、縋り、もっととねだって、こんなローターじゃなくて、中を奥までいっぱいに満たしてほしいと。そんな願望を口にしていたのだろうか。
美織は礼一のことを恋人だなんて思っていない。
それなのに、快感だけ与えてもらおうなんて、あまりにもはしたなく浅ましい。
でも、我慢できない。
「れ、ぃいちさん……っ」
縋るように名前を呼べば、礼一は目を細め口にうっすらと笑みを浮かべる。
「お仕置き、まだ終わってねーよ?」
「っ、は、はぃ……」
言われて、これがお仕置きだったということを思い出す。デートが終わるまで、お仕置きを終わらせてもらえないということだろうか。こんな状態でずっと耐えなければならないのかと思うと、彼に縋りついて許しを請い、抱いてほしいと懇願してしまいたくなる。今すぐ、ここで抱いてほしいと。
美織は強く掌を握り締め、自分を戒める。
きつく握る手を、礼一にほどかれた。
「ローターのスイッチは切ってあげる。でも入れたままこれから食事して、それが終わったらホテルの部屋に移動して、そこでお仕置きはおしまい」
「はい……」
「我慢できるよな?」
「でき、ます……っ」
じっと見つめられて確認され、美織は彼の瞳を見つめ返しながら頷いた。ここで縋ることは許されない。
美織の返事に、礼一は満足そうに唇に笑みを乗せる。
「じゃ、着替えよう」
ローターのスイッチは切られ、着替えが再開された。
礼一の手でショーツを穿かされ、ワイシャツを脱がされ、ブラジャーを外されそれもショーツとお揃いの黒のレースのそれと交換される。
美織は普段身に付けることのない、黒いセクシーな下着姿になり恥ずかしくなった。
「うん。いつもの可愛い下着もいいけど、こういうのも新鮮でいいね」
そう言って礼一は、美織を壁に設置された鏡と向かい合うように立たせる。
下着姿の自分が目に入った。子供っぽい自分には、こんな色気のある下着は合っていないような気がする。
けれど礼一は、情欲を孕んだ双眸で鏡越しに美織を見つめた。
「似合ってるよ、美織」
彼に向けられる視線に、その一言に、胸と下腹がきゅんと締め付けられた。
好きでもない人に下着姿を褒められて喜ぶなんておかしいのに。
美織はとろんと瞳を潤ませ、無意識に太股を擦り合わせた。
そんな美織に礼一はクスリと秘めやかな笑みを零し、それから太股丈のストッキングを穿かせてくれる。彼の指が脚を掠め、いちいちぴくんと反応すれば、礼一は意地悪そうに唇を歪めた。
そのあと、彼はドレスを手に取る。
「はい、これ着ようね」
礼一に促されるまま足や腕を動かし、それを身につける。
彼が選んだのは落ち着いた色の大人っぽい、フォーマルなドレスだ。ドレスに下着を合わせたようだ。
背後に立つ礼一は、鏡に映る美織を見て満足げに笑みを深めた。
「いつもと雰囲気が違って見える。可愛いっていうより綺麗だね。よく似合ってる」
耳元で囁き、礼一の手が美織の腕を撫でる。それだけでぞくぞくして、体が火照った。
「あ、ありがとう、ございます……」
それから店を出て、別の場所で軽くメイクとヘアメイクをしてもらい、それが終わってからレストランへやって来た。
綺麗な夜景の見える、高級レストランだ。
食事はどれも美味しいのに、美織はそれを味わえない。
食事が終われば、部屋に行って、そこでお仕置きも終わりで、礼一に抱いてもらえる。
早く、と催促するように膣内が疼き、中がぎゅうっと締まった。もう動いていないローターが内壁に擦れて、美織は内腿をすり合わせる。
もう頭の中は礼一に抱いてもらうことしか考えられなくなっていて、食事や景色を楽しむ余裕などない。
「美織」
「っは、い……!?」
名前を呼ばれ、美織の意識は現実に引き戻される。
顔を上げれば、蕩けるような瞳でこちらを見つめる礼一と目が合った。
「そんな顔、こんなところでしちゃダメだろ?」
「っえ……?」
「発情してんの丸わかりの顔」
「ぁっ……」
頭の中を覗かれてしまったような居たたまれなさに、美織は顔を真っ赤にして顔を伏せる。
だが顔を隠すことを許さないというようにもう一度名前を呼ばれ、美織は再び顔を上げた。
礼一の視線にとらわれ、体の熱がどんどん上昇していく。息が上がる。本当に動物のように発情してしまっている自分が恥ずかしいのに、体は昂っていく一方だ。
「どうしてほしい、美織?」
「え……?」
「俺にどうしてほしいのか正直に言えたら、すぐに部屋に行っていいよ」
「部屋……すぐに……?」
「うん。今すぐに」
期待に下腹部がじんじんと熱を持つ。とろとろと溢れる蜜で、既に新しい下着はべっとりと濡れている。
正直に言えば、このもどかしい状態から解放される。満たしてもらえる。
美織はごくりと喉を鳴らした。
「ぁ……わ、私……」
「うん?」
「へ、部屋で、礼一さんと、二人きりになって……それで……」
「うん」
「れ、礼一さんに……」
なんと言えばいいのだろう。どう表現すればいいのかわからなくて迷う。けれど早く言わなければ礼一の気が変わってしまうかもしれない。
焦燥に駆られ、迷いながらも口を開く。
「ぁ、あの、だ、抱いて、ほしい、です……っ」
それが美織の精一杯だった。
「ま、今の美織ちゃんにはそれが限界か」
ぽつりと呟いてから、礼一は優しく微笑んだ。
「いいよ。じゃあ、部屋に行こう」
言葉と共に差し出された手に、美織は躊躇うことなく手を重ねた。
「美織ちゃん、お風呂どうする?」
「つ、使いたい、です……」
今すぐにでも抱いてほしいが、体が熱くてここに来るまでずっと汗をかいていた。少しだけ冷静さを取り戻し、そういうことを考える余裕ができたので一回汗を流したかった。
「じゃあ、準備してくるからちょっと待ってて」
礼一は浴室に消え、一人残された美織は窓に近づいた。
天井から床まで一面窓になっているそこから、外を見下ろす。レストランでは全く見られなかった、綺麗な夜景が広がっていた。
思わず見入っていると、戻ってきた礼一に後ろから抱き締められた。
「あっ、れ、礼一さ……」
「気に入った? この景色」
耳に吹き込むように囁かれ、ぞくんっと背筋が震えた。
「は、はい、すごく、綺麗で……」
素直に答えれば、クスリと笑われた。耳に吐息がかかってぞくぞくと肌が粟立つ。
「さっきは全然見てなかったのに」
からかうように言われて、かあっと頬が熱を持つ。
「す、すみ、ません……」
「怒ってないよ」
クスクスと笑いながら、腰を抱く礼一の手が下腹部を撫でる。ゆっくりゆっくりと、優しい手付きで下腹を擦られて、口から熱い息が漏れた。
「夜景も目に入らないくらい、他のことで頭がいっぱいだったんだよな?」
「んっ……」
ねっとりと耳の裏を舐め上げられ、びくんっと体が跳ねた。
少しだけ冷静さを取り戻したはずなのに、またすぐに思考は霞み、彼に犯されたいという欲求で満たされていく。
ローターを埋め込まれたままの膣孔から、とぷりと蜜が溢れた。窓に反射して映る自分のはしたなく蕩けた顔が目に入る。
「そ、そう、です……」
「俺に抱かれたくて、そればっかり考えてたんだろ?」
「ひゃあんっ、んっ、は、はぃっ」
ちゅっと耳朶を吸われ、甘い声を上げてしまう。
恥ずかしいのに、否定することもできず、恥ずかしいことを素直に認めてしまっている。
「いい子だね、美織ちゃん」
はしたないことを言っているのに、礼一は優しい声音で美織を褒める。まともに頭が働かない美織は、彼に褒められて素直に喜んでいた。
「お仕置きはおしまいだよ。よく頑張ったね」
「は、はい……っ」
「ローター出してあげる。腰突き出して」
「は、いっ……」
美織は上半身を前に傾け窓に手を突き、臀部を後ろに突き出すポーズをとる。自分がどれだけいやらしい体勢になっているか自覚していなかった。
礼一にドレスの裾を捲り上げられる。
「新しい下着ももうぐっちょりだな」
「あ、ご、ごめんなさ……っ」
「謝んなくていいよ。こんなに我慢して偉かったな、美織」
「あ……ありがとう、ございます……」
レースの下着が、ゆっくりと下ろされていく。たらりと蜜が滴った。
「はは、おまんこくぱくぱさせちゃって、エッロ」
「うぅっ……」
「泣くなよ」
「だって、恥ずかし……っ」
「褒めてんだよ、可愛いって。言ってるだろ、俺にはいやらしいはしたない姿、いくらでも見せていいって」
「で、でも……」
「俺が見たいんだよ、ぐずぐずになっちゃってるエロい美織を。俺だけが見れる、俺の前でだけ見せてくれる美織を。美織が恥ずかしいところを見せてくれることが、俺は嬉しい」
嬉しい? はしたない姿を晒しているのに? 軽蔑されるのではなく、喜ばれる?
礼一に喜んでもらえるのだと思うと、美織も嬉しくなった。
「わかったか、美織」
「は、はい……」
素直に頷けば褒めるように頭を撫でられ、更に心は喜んだ。
ずらされたショーツが足首まで落ちていく。
「ローター取るから、指入れるよ」
「はい、んっ、はっ、あっ、んあぁあっ」
二本の指が、ぬぐぬぐと中に差し込まれる。
「締めんなって、取れねーだろ」
「ごめんなしゃ、あっ、あっ、ひうぅうっ」
内壁を擦られるとどうしても中をきゅうきゅうと締め付けてしまう。
狭い肉筒の中を、二本の指が掻き分けるように奥へ進む。
「ん、あった。ずーっと美織ちゃんの中に入れてたからあったかくなってんね。ぬるっぬるだし」
「んひゃっ、あっ、あっ、あぅっ、ぅんんっ」
指に挟まれたローターが、ゆっくり引き出されていく。膣内がそれを引き止めるようにぎゅうぅっと収縮する。
「はは、だからそんなに締めたら取れねーって。それとも入れっぱなしにする?」
「んゃっ、らめ、抜いて、抜いてくらさ、あっ、ひぁあっ、あぁっ」
「すっげー締め付け。ちんぽ入れたら気持ちよさそ」
「んああぁっ」
礼一の言葉にそれを想像してしまい、更に激しく膣内が蠢めいた。
早く。早く中を彼でいっぱいにしてほしい。入り口から奥まで、彼の熱でいっぱいに満たされたい。
美織は荒い呼吸を繰り返し、期待に体を疼かせる。
しかしあともう少しで抜けるというところで、ローターを残して指だけが抜けていってしまった。
「っあ、れ、れぃいちしゃ……?」
どうして、と顔を後ろへ向けると、礼一は悪辣に唇の端を吊り上げる。
「美織ちゃん、あとは自分で出して」
「ふぇっ……?」
「中がぬるぬるのびしょびしょで、指が滑って取れねーの。あと少しだから、美織ちゃんがうーんって力入れて自力で出して」
「そ、そんな、できな……っ」
「じゃあやっぱりこのまま入れとく? 入れたままちんぽも突っ込む? 俺はそれでもいいけど」
「やあぁっ、そんな、怖い……っ」
「じゃあローター取らないと。それともちんぽ入れなくていいの?」
「やっ、や、礼一さん、出す、自分で、出します……っ」
美織が必死にそう言えば、礼一はにんまりと唇に笑みを浮かべる。
「いい子だね、美織ちゃん」
礼一の指が、陰唇を左右にくぱりと広げた。
「ひぁっ……!?」
「ほら、こうしててあげるから。出してみて」
「っ、っ……」
そんな恥ずかしいこと、できない。そんなはしたない姿を、礼一に見せるなんて……。でも、礼一は美織が痴態を晒せば喜んでくれる。
だから、見せても大丈夫なのだ。
蕩けた思考でそう考える。
「はっ、はひっ、うっ、んくっ、ふっ、ふぅうっ、んっ、んんんぅっ」
美織は懸命に下腹に力を入れた。にゅるっと、中でローターが動く。
「んっ、くふっ、うぅっ、はっ、はあっ」
「出てきたよ、美織ちゃん。ほら、もう少し、頑張って」
「はひ、ひっ、ひぅうっ、んっ、んんんっ」
ゆっくりと、ローターが中から出ていく。半分ほど抜けたところで、ちゅぽんっと音を立てて滑り落ち、床に転がる。
「んはっ、は、はーっ、はっ、ふっ……」
肩で息をする美織の背中を、礼一は労るように撫でる。
「上手にできたね、美織ちゃん。偉い偉い」
「は、はぃ、礼一さ……」
「じゃあお風呂行く?」
「っえ……」
自分で言ったことを、美織はすっかり忘れていた。
「連れていってあげようか?」
「やっ、礼一さん……っ」
「ん?」
美織は後ろに顔を向け、微笑む礼一に懇願する。
「お願、お願いします……も、我慢できないの……っ」
「なにを?」
「い、入れてほし……礼一さんの、今すぐほしぃ……っ」
「今すぐ? ここで?」
「ここでっ……お願い、礼一さ、あっ、あああああっ……!!」
強く腰を掴まれ、背後から一気に肉棒を突き入れられた。奥まで貫かれ、美織は深い絶頂に達する。
痙攣する美織の体を揺さぶり、礼一はぐちゅんぐちゅんと中を掻き回した。
「ほんと、美織ちゃんのおねだりたまんねーな。今度はおちんぽ欲しいって言わせたい。恥ずかしくて言えねーのも可愛いけど、少しずつ練習しような」
そんなことを言いながら、じゅぽっじゅぽっと剛直を出し入れする。
美織は未だ絶頂から下りてこられず、彼の言葉も理解できない。
「ひあぁあっ、あっ、ひうっ、いくっ、いってぅの、とまらなっ、あっ、れ、ぃちしゃ、んひあぁああっ」
「あー、おまんこすっげー痙攣してる。入れたばっかで連続でイッちゃってんの?」
「はひぅうっ、いくっ、またぁっ、れぃちしゃ、あっ、ずっといって、あっ、ひぁあっ、あっ、ああぁああっ」
「うんうん、ずーっと我慢してた分、いっぱい気持ちよくなっていいからな」
背後から回された礼一の手が、ドレスの襟をずり下げた。慣れた手付きでブラジャーのフロントホックを外し、乳房を露にする。
ぶるっとまろびでた膨らみを掌に包まれ、揉み込まれ、きゅうっと先端を摘ままれる。
「ひはぁああんっ」
敏感な乳首を刺激され、美織は激しく体を震わせた。
「ちょっと乳首摘まんだだけですげーイき方。乳首気持ちい?」
「いいっ、きもちいぃっ、あうっ、んんぁあっ、あっ、ひゃあぁううっ」
「こっちも弄ってあげる」
そう言って、片方の手を美織の下肢へと滑らせる。
雄蘂を咥え込んだ蜜口の上にある肉粒を指の腹で擦られた。
「きゃうぅんっ」
「クリ、触ってないのにこりっこりに膨らんでんな。ちんぽみたいに勃起しちゃって、かぁわい」
「んにゃあぁあっ、ひあぁっ、あっ、れいぃちしゃ、あっ、んんんっ」
溢れる蜜にまみれたクリトリスを、くちゅくちゅと扱かれる。
乳首とクリトリスを弄り回され、膣壁を擦り最奥を穿たれ、与えられる強烈な快感に涙を流してよがった。
窓に映る快楽に溺れる自分の顔を見ながら、美織は嬌声を上げ続ける。
「ひはっ、あっ、んひぅうんっ、れぃ、ちさぁっ、んんっ、はっ、あぁっ、れ、ぃちしゃ、ぁああんっ」
礼一の名前を呼び、何度も絶頂を繰り返す。
「はー、かわい。もーっと、何回でもイッていいからな。もっともっと気持ちよくなろうな」
「んぁああっ、れぃちさ……あっ、あっ、れぃいちさん、もぉっ、きもちよく、なってほし……っ」
「…………」
「わたしだけじゃなくて、れいいちしゃ、もっ、いって……あっ、ひっ、ひあっ、あぁっ、んひゃううぅんっ」
ガッチリと両手で腰を掴まれ、本格的な律動がはじまった。美織はただ体を揺さぶられ、快楽に喘ぐことしかできなくなる。
「っはー、もー、煽るようなこと言って……めちゃくちゃにされてーの?」
「んひっ、ひっ、ひうっ、んんっ、れぃ、ちしゃぁんっ」
「っはあ、クソ可愛い、こっち向け、キスさせろ」
美織が首を曲げれば、すぐに唇を塞がれた。
「はむっ、んんぅうっ、んっ、はっ、ぁんんっ」
口の中をぐちゃぐちゃに蹂躙され、貪るようなキスを美織はおとなしく受け入れた。大きく口を開いて、全てを明け渡すように。だらだらと唇の端から唾液を零し、自らも懸命に舌を動かした。
胎内は、抉るような動きで内奥をぱちゅぱちゅと貫かれる。
「くふぅうんっ、れい、ぃちさぁ、んんんっ、ふっ、れぃ……さぁんっ、んっ、んっ」
「っは……甘えてくんの、ほんとかわい。早く完全に堕としてーなー」
「んはぁああっ、ふあっ、んっ、んっ、んううっ、れ、ちしゃ、んっ、はんんっ」
「はあっ、みお、みお、美織……っ」
余裕なく、求めるように何度も名前を呼ばれると、全身が満たされるような感覚になる。
美織の体も彼を求めるように、膣内の剛直にきつく絡み付いた。
その締め付けに息を詰め、礼一は避妊具の中に精を吐き出す。
ぐっと下腹部を外側から掌で押され、美織もまた絶頂を迎えた。
肉筒が精液を搾り取るようにきゅんきゅんと蠢き男根にしゃぶりつく。
「ははっ、美織ちゃんちんぽしゃぶるの上手だなぁ。出したばっかなのにもう勃ってきた」
下腹部を優しく撫でさすられ、美織はうっとりと瞳を蕩かせる。
「んっ、はっ……あぅ……」
「ほら、一回抜くよ。そんな名残惜しそうにしがみつかなくても、またすぐに入れてやるから」
「あっ、あっ……」
ぢゅぽんっと、肉棒が引き抜かれる。
途端に、中が寂しそうに蠢動した。
力が抜けくずおれそうになる美織の体を、礼一が支え、抱き上げる。
「ベッド行こう。そこでたっぷり可愛がってあげる」
艶を帯びた囁きを耳に落とされ、ぞくぞくと期待に体が震えた。
この先、礼一に飽きられ彼から解放されることになっても、もう彼と出会う前の自分には戻れないのだろう。
そんな考えが頭を過り、しかしそれもすぐにまた快楽に塗り潰されていった。
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