BL短編まとめ(現) ③

よしゆき

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めちゃくちゃタイプの先輩に抱いてもらう話 ②

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 あれから、椎名は不破とセックスをする関係になった。
 一度きりのことだと思っていた椎名は大層驚き、そして喜んだ。
 外で会って一緒にご飯を食べることもあるが、椎名と不破の関係はセフレのようなものだ。
 もちろん椎名は現状に満足している。彼の顔と体に惚れ、セックス目当てで近づいたのは椎名の方なのだから、不満などあるはずがなかった。
 セックスは不破の部屋ですることが多い。体力が尽きるまでセックスして、いつもそのまま部屋に泊めてもらっていた。椎名は申し訳なく思っているのだが、不破は特に気にした様子もなく風呂を貸してくれてご飯まで用意してくれる。そしてシーツを取り替えたベッドの上で一緒に横になり、またセックスして疲れてそのまま眠ってしまう。毎回大体そんな流れだった。
 朝、椎名が目を覚ませば不破の寝顔がある。お互い全裸で同じ布団の中だ。最初の頃は隣で寝ている不破の姿にいちいち驚いていたが、何度も繰り返したのでもう驚くことはなくなった。
 だが、こうして先に目覚めたとき不破の寝顔をうっとり眺めるのは最初から今も継続している。
 ワイルドな容姿の不破の寝顔はちょっとあどけない。けれど見惚れるほどかっこよくて、椎名はこうして飽きることなく見つめ続けてしまうのだ。綺麗に焼けた肌もいい。
 男らしくて逞しい、でもむさ苦しくはなく、色気に溢れ野性的で素敵だ。
 顔も体も、椎名にとって最高の存在だ。
 AV男優になってくれないだろうか。そうしたら、彼の作品をオカズにできる。一生オカズに困ることなく生きていける。
 AVならではの色んなシチュエーションでセックスする不破を見てみたい。様々な体位で相手を犯す不破の姿を見たい。不破ならば、駅弁もできるのではないか。軽々相手を持ち上げて、ゆさゆさ揺さぶって、それで──。

「っ、くは……っ」

 寝ていた不破が突然吹き出した。
 びっくりする椎名の前で、彼は笑いながら体を起こす。

「お前、鼻息荒すぎ」
「へぁっ? あっ、す、すみません……!」

 どうやら妄想に興奮して鼻息が荒くなっていたようだ。鼻息のせいで起こしてしまったのかもしれない。
 羞恥に顔を真っ赤に染める椎名を見て、不破は意地悪そうに唇の端を吊り上げる。

「人の寝顔視姦しながら、なに興奮してたんだ? あ?」
「ししし、視姦、なんて、そんな……っ」
「じゃあなに考えてたんだよ」
「俺はただ、不破先輩なら駅弁できそうだなって、そう思って……っ」
「へえ……」

 焦るあまり言い訳にならない言い訳をする椎名に、不破はニヤリと笑う。

「つまり、俺としたいわけだ」
「違っ、そんな……! いえ、もちろんしてほしいですけど、俺は男ですし重いですから、俺がしてほしいわけじゃなくて……っ」

 不破が駅弁しているところを見て、自分がされる妄想をして楽しみたかっただけだ。

「別にいけるだろ、お前ちっこいし」
「無理ですよ! 重いですから!」
「この前、風呂まで抱えて運んでやっただろーが」
「そっ、そうですけど、それとは違いますよ! 俺としたら、先輩の腰が悪くなってしまいますよ!」
「お前、俺を年寄りみたいに言うなよ」
「ちが、違うんです! そ、そんなつもりはなくてっ……ホントに、先輩の腰が心配なんですよ……っ」
「それが年寄り扱いしてんだろーが」
「誤解で、あっ、んっ、んんっ」

 腕を掴まれ身を引き寄せられ、噛みつくように口付けられた。
 椎名は抵抗もせず彼のキスを受け入れる。引き出された舌をちゅるっぢゅるっと音を立ててしゃぶられ、柔らかく歯を立てられると蕩けるような快感が生まれた。
 キスだけでぐずぐずになり力の抜けた椎名の体を不破が抱え、ベッドの上を移動する。
 不破は床に足をつけベッドに腰掛ける。
 椎名は対面する形で彼の膝を跨いだ。

「俺にしてほしいなら、そう言えばいいだろ」
「で、でも、本当に、不破先輩の腰が……」
「大丈夫だっつってんだろ」
「む、無理しないでくださいね……?」
「わかったから、してほしいって言えよ」

 ギラギラと情欲の浮かぶ双眸に間近から見下ろされ、椎名はぞくんっと期待に胴震いした。

「し、したい、です……っ」
「っは……エッロい顔。まだなんもしてねーのに」
「んっ、んっ、んぁっんんっ」

 再び唇を重ねられ、口腔内を貪られる。椎名も必死に舌を伸ばし、彼の舌に絡ませた。ぬるりと差し込まれる彼の舌に音を立てて吸い付く。
 互いに全裸なので、密着すれば肌のあちこちが擦れた。彼の熱い肌に触れるだけで椎名は陶然となる。
 不破の手が胸を撫でた。キスに興奮して固く尖りはじめていた乳首を避けるように、指の腹がくるりと乳輪を這う。

「んっ、ふぅんっんっ、うぅっ……」

 焦れったい刺激に、椎名は塞がれた唇からくぐもった声を漏らす。
 すりすりと乳輪だけを撫でられ、触れられてもいない乳首がどんどん固く張り詰めていった。
 物足りなさに身を捩る。

「んゃっ、んっ、ゃっ、せんぱ……やぁ……っ」
「やじゃねーだろ、感じてるくせに」
「うぅ……ち、くびが、いいっ……おねが、あっ、せんぱ、ちくびいじってぇ……っ」

 懇願すれば、不破は満足そうに笑みを浮かべた。

「ほんとエロいよな、お前」
「んぁああっ」

 ピンと尖った乳首をくにっと押し潰され、椎名は快楽に嬌声を上げる。

「あっあっあんっ、きもちぃっ、あぁっ、ちくびきもちいぃっ、あっんっあぁんっ」
「乳首こりっこりだな。気持ちよさそうな声上げて、そんなイイのか?」
「いいっ、きもちいっ、あっあっ、すきっ、ふわせんぱいにぃっ、ちくびくりくり、されるの、あっあぁっ、すきぃっ」
「これは?」
「んひぃっ」

 きゅうっと乳首を引っ張られ、ピリピリとした痛みと紙一重の快感に椎名は身悶える。

「すき、すきっ、それもすきっ、ぃああっあっ」
「んじゃ、これは?」
「ひあっあっあっあぁんっ、すきぃっ、ちくび、さきっぽぉっ、かりかりすきぃっ、あっひぁんっ、ふわせんぱいに、されるの、ぜんぶすきぃっ」

 とろとろに蕩けた顔を晒し快楽に耽溺する椎名を、不破が舌舐めずりしながら見下ろす。
 片手にローションを垂らし、濡れた指でアナルに触れた。もう片方の手は再び乳首を嬲りはじめる。

「んぁっあっ、指、はいって、んっんっ」
「昨日もヤりまくったから、まだ柔らかいな」

 不破の指が後孔をぐちぐちと捏ねる。柔らかく綻んだそこは、彼の指に悦んで絡み付いた。
 不破はローションを塗りつけるように内部を指で掻き回しながら、乳首を摘まんでぐにぐにと捩る。

「あっあっはっひぁあっ、きもちいぃっ」
「っは、腰振って、俺の腹にちんぽ擦り付けんの気持ちいいのか?」

 指摘されて、自分が情けなく腰をへこへこと前後させ、彼の綺麗に割れた硬い腹筋に自分の性器を擦り付けてしまっていることに気づいた。

「んひっひっあっ、ご、ごめんなさぁっ、あっあっあっ、せんぱ、ごめんなさいぃっ」
「ごめんなさいっつって腰止まってねーし」

 自身の下腹部が椎名の先走りで汚れても、不破はそれを咎めることなく寧ろ楽しそうに唇を歪めていた。
 情けない痴態を晒す椎名を嗜虐の滲む瞳で見下ろし、椎名はそんな彼の視線に興奮してますます止められなくなる。

「んひぁっあっあっ、ふわせんぱ、ぁあっ、いいっ、きもちぃっ」
「ホント、気持ちよさそうな顔するよな、お前」
「んむっ、んっんっぁんんっ」

 だらしなく開いた唇を、はむりと不破の大きな口で食まれる。
 快楽で思考は蕩け、椎名は夢中で彼の唇を舐め、舌を差し込んで唾液を啜った。

「ふぁっんっんっ、しぇんぱ、ぁんっんっんんっ」
「はっ……ちっちぇー舌」

 唇が離れ、追い縋るように目一杯舌を伸ばせば、れろれろと不破の肉厚の舌でねぶられる。
 いやらしくて、堪らなく気持ちがいい触れ合いに椎名は陶酔した。
 弄くり回された乳首はぷくんと赤く膨らみ、じんじんと熱を持ち、もう軽く撫でられただけでも痺れるような快感が走る。
 二本、三本と増やされた指で執拗に解され、すっかり蕩けた後孔は物欲しげにきゅんきゅんと収縮していた。
 ねっとりと収斂する肉筒から、不破は指を引き抜く。

「んあぁっ、せんぱいぃっ」
「お前のその、ちんぽ欲しくてたまんねーって顔、スゲー興奮すんな」
「ふぁんっ」

 ぐりっと、ゴムを纏った太い亀頭がアナルに押し付けられる。

「あっあっ、ほひぃ、れすっ、ふわせんぱいの、おちんぽ、入れてくらひゃ、あっあっあっああああっ」

 ずぶずぶずぶずぶっと、下から熱い楔に貫かれる。
 その刺激に、椎名のぺニスからぴゅくっと精液が吐き出された。

「っ、また入れただけでイッたな」
「んひっひっうぅっ、あっひぃんっ、いっ、てる、おまんこ、こしゅられるのぉっ、おっ、きもちぃっ、いくっ、めしゅいきするぅっ」
「はっ……っ、まんこぎゅうぎゅう締め付けて、そんなちんぽイイか?」
「いいぃっ、きもちいぃっ、れすぅっ、ふわしぇんぱぃのっ、おっ、ちんぽぉっ、おっおっ、いくっ、またいくぅっ」
「まだトぶなよ。お前がしてほしいって言ったんだから、しっかり楽しめよ、椎名」
「んひぃいっ……!?」

 椎名の両脚を抱え臀部を支えた不破が、ベッドから立ち上がる。

「おおぉっおっ、おっ、ひぃっ……」

 ずぶんっと更に奥へ亀頭がめり込み、椎名は強い衝撃に目を見開く。

「おっおっ、ひゅご、ぉっ」
「っと、しっかり掴まっとけよ」
「はひっ、ひっひぐっ、ひっはっあっあぁっ」

 後ろに傾いてしまわないよう、椎名は不破の太い首に腕を伸ばした。
 腹の奥深くまでずっぷりと剛直が埋め込まれ、本当に「貫かれている」という感覚だった。
 地に足がつかないことは落ち着かないが、不破の腕にがっちり抱えられているので不安はない。
 身動きなど取れず、逃げることもできない。彼に支配され、されるがままの現状に椎名はこれ以上ないくらい昂った。

「しぇんぱっ、あっあっあっひっ、ふわ、しぇんぱぁっ、んぉっ、しゅごっ、おっ、おちんぽっ、おくまれっ、んひっ、ひっうぅっ」
「ははっ、気持ちよさそうだなぁ、椎名……っ」

 ゆさゆさと揺さぶられる。体が完全に浮いている状態で下から突き上げられると振動が大きく、軽く動かされるだけで強烈な刺激となった。

「んおぉっ、おっ、い、くっ、いくっいくっぅう~~~~っ」
「っあー、スゲー締め付け、まんこの痙攣きもちー……っ」
「んっんっ、あっひぃっんんっ、らめっ、うごいちゃっぁああっあっあーっ」
「こうやって、ガンガン突き上げられたかったんだろーが……っ」
「おぉっ、おっ、っ、ひっ、くぅっ、んんっ」

 ずんずんずんずんっと最奥を穿たれる快感に椎名ははしたない声を上げよがり泣く。

「んああぁっ、きもちぃっ、あっあっ、うれしっれすぅっ、しぇんぱ、おちんぽ、おっおっ、きもちいぃっ、しゅきっ、しゅきぃっ」
「っ、はあっ、ホント、椎名は俺のちんぽ、好きだよな……っ」
「すきれすっ、ぅううっ、んっ、ひぃんっ、おちんぽしゅきぃっ」

 後孔を蹂躙される快楽に椎名は歓喜の声を上げた。
 しっかりと鍛えられた不破の太い腕に抱かれ、がっちりと体を支えられている。よろけることもなく安定していて、余裕の表情で椎名を攻め立てる不破に胸がときめいた。
 なんてカッコいいんだ、と胸をきゅんきゅんさせると、連動して後孔もきゅんきゅんと締まる。
 太く硬い剛直が胎内いっぱいに埋め込まれているのを感じ、椎名はまた甲高い声を上げて絶頂を迎えた。
 不破と自身の腹の間で揉みくちゃにされているぺニスは何度も精を漏らし、互いの下腹部は既にどろどろに汚れている。
 不破が動くたびに彼の胸板に乳首が擦れ、痺れるような快感が駆け抜けた。

「ひっくぅっんっ、あっ、あっ、おぉっ、おくぅっ、ぐりぐりっ、しゃれたら、ぁあっあっあーっ」

 不破は腰を回し、嵌め込まれた亀頭で最奥をごりゅごりゅと捏ね回す。

「ここ、好きだよな……こうやって、ちんぽでぐりぐり掻き回されんの」
「おぉっおっ、しゅきっ、あっあっあっ、らめっ、しょんなされたらぁっ、おまんこおかひくなっちゃうぅっ」
「もうなってんだろ、ずっとイきっぱなしじゃねーか……っ」
「んぉっ、おひっ、おかひく、なってりゅっ、うぅっうぁあっあっ、おれのおまんこぉっ、しぇんぱぃのおちんぽれ、おかしくなってうぅっ」

 ずっと絶頂が止まらない。
 痙攣する後孔を犯されながら、椎名の顔は恍惚としていた。不破に快楽で支配される法悦に浸る。

「んああぁっ、あっ、きもちっ、ゆっくりぃっ、ぬきしゃし、しゅきっ、ぃいいっ、きもちぃっ、ひっあっあっあああっ」

 ゆっくり体を持ち上げられ、ぬろーっと剛直が抜ける。そしてまた、ぬぷぬぷぬぷぬぷっと奥まで埋め込まれる。
 雁の部分で腸壁を刮げるように繰り返し擦り上げられ、椎名は強烈な快楽に身を震わせた。

「あーあ、スゲーだらしねー顔」
「おぉっおっ、ごめ、なひゃっぁあっ、きたにゃい、かおぉっ、みしぇて、ごめんなしゃいぃっ」
「んなこと、言ってねーだろ……椎名は、その顔が、可愛いっ、んだろ……っ」
「んおぉっ、おっ、~~~~っ」

 嘘でも可愛いと言われて喜んで、また激しく絶頂する。

「っは、まんこの締め付けヤバッ……可愛いって言われて喜ぶとか、ホント、かわいーなっ」
「んへぁぁっ、あっあっ、はひぃっんんっ、はげしっ、ぃいっ、おちんぽちゅよいぃっ、おっおっ、しゅごっ、おぉっ、しぇんぱっ、ふわしぇんぱいぃっ」

 ばちゅばちゅばちゅばちゅっと激しい突き上げに椎名は喉を反らせて快楽に喘ぐ。

「あーっ、いく、俺もっ、出る……っ」
「おっおっおっおっおぉっ」

 射精に向けた本能的な腰振りに、胎内をぐちゃぐちゃに抉られる。
 精液を搾り取るように直腸が蠢動し、やがて不破が果てた。直接注がれることのない彼の体液を欲するように肉筒が剛直に絡み付く。
 不破は椎名の体を抱えたまま、振動を与えないようにゆっくりと、再びベッドに腰かけた。ぐったりと肩で息をする椎名の体を持ち上げ、陰茎を引き抜く。

「大丈夫か?」
「はひぃ……」

 椎名はとろとろに蕩けたままの双眸を不破に向ける。

「しゅっごく、きもちよかった、です……ありがと、ございますぅ……っ」

 はあはあしながら礼を言えば、不破は唇の端を吊り上げ笑った。

「お前ってホントおもしれーよな」
「ど、どうも……?」
「あー、腹減った。メシ食うか」
「はい……っ」

 不破を遠くから眺めているだけだった頃は、彼とこんな風に過ごせることになるとは思っていなかった。
 勇気を出して良かったと、椎名は心からそう思った。




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