無能と罵られパーティーを追放された勇者、実は最強

スフレト

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4話 精霊女王アウロラ

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今目の前にリズが作ってくれた、野菜スープとパンがある。

リズの料理はいつもうまい、王族は自分で料理など

するはずがないのに、とてもおいしそうにいつも出来上がっている。

野菜スープは具が盛りだくさんだ。

スプーンでスープを少し飲む。



「リズ!すごくおいしいよ!」

「えへへ、そ、それならよかった」



リズは少し恥ずかしそうにしながら喜んでいた。

リズが作ってくれたパンもとてもおいしかった。



朝食が食べ終わったので、とりあえず部屋に戻って

ステータスの確認をしようと思う。



(ステータスオープン)



__________________

名前:クロウ

種族:ヒューマン(神)

レベル:200

状態:半神

HP:6410/6410

MP:6320/6320

攻撃力:1030

防御力:1016

魔法力:980

俊敏 :850

精神力:800



―スキル―

「鑑定」

「ウェポンマスター」「下位神の領域」

「全能神の祝福」「千里眼」

「上位精霊召喚(一回のみ)」

―称号―

「神に愛されし者」

「真の勇者」「半神」



_____________________



まず称号の半神ってのは何なんだよ!



___________

「半神」

神に匹敵する程の力を

手に入れたが

神になりきれていない者に

与えられる称号

___________



まじかよ...

俺は神になりたくなかったから

まだ半神でよかったと思うけど...

そういえばもともとあった

≪???≫は何で無くなってるんだ?

まあ、わからないことは置いといて

とりあえずスキル名見ただけでわかる

上位精霊召喚から使ってみるか



「上位精霊召喚!」



そういった瞬間目の前に魔法陣が現れ

目を開けてられないほどに光り始める

光が収まって目を開けてみると

そこには肌が白く緑色の髪を腰のあたりまで垂れ下げている

大人の女性の体つきをしている人が立っていた



「子供たちを魔法陣から遠ざけたと思ったら

 ここはどこですの?」

「ここはこの町の隅にあるドリストの宿屋だ」



そう説明しても目の前の女性は状況を把握していないみたいだった。

ん?もしかして...



「あの、あなたが上位精霊さんですか?」

「いいえ、私は上位精霊ではなくて最上位精霊ですの」



最上位精霊?!ってことは精霊女王呼び出しちゃったの?!

でも使ったスキルは上位精霊召喚だったはずだよな?

一応本人に聞いてみることに..



「なんで最上位精霊様がこんなところに?」

「ああ、それはですね、自分たち精霊が住んでいた

 精霊の森に突如魔法陣が現れ、その上に立っていた

 上位精霊の子たちを無理やりその魔法陣から遠ざけた

 のですが、自分は気づいた時にはここにいましたの。」



あ、それたぶん俺のスキルの魔方陣だ...

どうしよう、どうやって謝ろう。

もう考えてもしょうがないから事実だけを言おう。

クロウは最上位精霊の精霊女王に自分の名前、

過去の出来事、職業、スキル、そして

なぜ精霊女王のあなたがここにいるのかを

すべて真実だけを並べて話した

話し終わったころには精霊女王が目じりに

涙をためていた。



「そんなにつらいことがあったのですね...」

「いえいえ、そんなにつらくありませんでしたよ。

 それより、召喚してしまった自分が言うのも失礼だとは

 思うんですけど、これから精霊女王さんはどうするんですか?」

「そのことなんですが、クロウさんと一緒に

 旅をさせてもらってもよろしいでしょうか」

「なんでですか?!」

「今まで、外に出たことなんて一度もなかったので

 この機会に外を見れたらな、と思いまして」

「それはいいですけど、出会って間もない自分と

 なんで旅してもいいという結論に至るんですか?!」

「私は相手が嘘ついてるかを見分けられまして、

 さっきあなたが自分自身のことを話してるときに

 一切うそを言わずに接してくれていたので

 一緒にいても安心かな、と思いまして」

「そ、そういうことなんですね。

 一緒に旅をすることはわかりました

 あと、精霊女王さんの名前は何ですか?」

「失礼ですが精霊には名前というものはありません。

 精霊は最初に契約してもらった方に名前を付けてもらえます。

 しかし私はまだ一度も契約などしたことがございませんので

 名前はございません。」

「名前についてはわかりましたが契約というのは

 なんという契約何ですか?」

「簡単に言えば、精霊からは力を与え

 力を与えられたものは、魔力を精霊に授ける

 というような契約です」

「その契約って誰でもできるんですか?」

「一応誰でもできますが...

 もしかして私と契約したいなんて思ってますか?」

「はい...」

「うーん、いいですよ」

「本当にいいんですか!」

「はい、あなたはいい人そうですし

 私は自分の力が誰かの助けになるのであれば

 喜んで契約いたします」

「そ、それではお願いします」

「はい、」



精霊女王はクロウから少し離れて目をつぶった。

足元に魔法陣が現れる

精霊女王がぶつぶつと何かを言い始めた。



『我は精霊の女王、最上位精霊である。

 我が主をクロウとする。

 契約に従って主を一生をかけてお守りすることを

 誓う。我が主、名を。』



ん?今名前を付けろだって?!

んーと、何がいいのかな。

おっ、似合いそうな名前思いついた!



『アウロラ』



すると、部屋の中で光っていた魔法陣が消えていく。

失敗したのか?

そう思っていると自分の胸に

アウロラが飛び込んできた。



「アウロラ?!」

「えへへー」



今までの大人の女性のようなたたずまいは消え

子供の用にデレ始めた



「ご主人様ぁ、これからは私、

 アウロラがお守りいたしますね」



耳元でそうささやかれる。

心臓の鼓動がとても早くなっていくのがわかる。



「ちょっと!アウロラいったん離れて!」

「えー、仕方ないですねぇ」



クロウはアウロラが離れてもアウロラと目を合わせるだけで

鼓動が早くなっていく。

クロウ自身は鈍感なので気づいていないが

クロウはこのときアウロラのことを

異性として好きになっていた。

対してアウロラは話しているうちに

クロウのことを好きになり、契約することを決めた。

アウロラは契約するまではこの好きという気持ちを抑えて

いたので最後一気に感情が爆発してしまった。







そして、クロウとアウロラは両片思いで旅の幕を上げる





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