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220. 学園祭が終わった俺
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休日を挟んで、学園に登校したミカエルとアルヴィスは、学園祭のクラスの出し物の立役者、ルシュディー王子とアーヤ王女を労った。
全クラスで最も売り上げを上げたとして表彰され、ルシュディー達は得意げでありながらも、少し照れたように笑った。
「あ、そうそう。ホントは、ミカの休憩時間に売り子やってもらおうと思って、服も用意してたんだけどさー。生徒会、忙しかったみたいだな。全然顔見せなかったじゃん」
「色々トラブルがあって。僕もここで、ティータイムを過ごしたかったよ」
ルシュディー王子にもらったゲームの攻略チャートには、ちゃんと学園祭でのイベントが、書かれていた。
にも関わらず、ミカエルはそれほど警戒していなかった。
強くなったから、と、油断していた。
アルヴィスがいなければ、致命的な失態となっていた。
席に着きながら、何事もなかったかのように苦笑すれば、アーヤ王女が隣の席で肩を竦めた。
「あなたがいたら、もっと売り上げが上がったと思うけれど。でも忙しかったなら、しょうがないわね」
「ごめんね、アーヤ王女」
「い、いいのよ。去年の劇は、ちゃんと観に来てくれたじゃない。本場のかき氷やアイスが食べたければ、いつでも我が国に来ればいいのよ」
「そうするよ。ありがとう」
「アルヴィス王子も、お忙しかったようね?」
「申し訳ない」
「謝る必要はないわ。あなたもいつでも、我が国に遊びに来てくれたらいいんだから」
「そうします」
三年になってから、アーヤ王女の後ろの席を根性で獲得したルシュディーが、マジックバッグから大きめの紙袋を二つ取り出し、それぞれをミカエルとアルヴィスに手渡した。
「とりあえずせっかく作ったからこれ、持って帰れ。ホントはこれを着て客寄せパンダして欲しかったけど、しょうがない。予算内で作ったヤツだから、遠慮すんな」
「ぱんだって何?」と、アーヤ王女とアルヴィスが首を傾げていたが、ミカエルは軽く聞き流したフリをして、紙袋を受け取った。
「もしかしてカフェの執事服?ありがとう。あれ?でも採寸なんてしたかな」
「第二王子に聞いた」
しれっと言われ、ミカエルはアルヴィスを見たが、アルヴィスは自分の紙袋の中を確認し、満足したように頷いていた。
「着る機会があるかはわからないけど、せっかく作ってもらったし、頂くよ」
「絶対着てくれよな。あ、別に見せてくれとは言わねぇよ?俺、ナマモノは趣味じゃないんだよな」
「…ナマモノ…」
以前にも聞いたことのある、謎の言葉だった。
結局聞いても意味は教えてもらえなかったので推測だが、おそらくオタク関係の用語なのだろう。
…と、いうことは。
ミカエルが恐る恐る紙袋の中を見ると、ピンク色のふりふりの衣装が入っていた。
この世界のメイドは、職業であってコスプレではない。
よって、制服は黒か紺などの落ち着いた色であることが、ほとんどである。
ルシュディーは、「カフェ店員なんだから、可愛い色にしようぜ!」と提案し、上がってきたデザイン案を見て、聖女のご友人が大賛成をしていた。
実際に、ピンク色のメイド服を着た店員は大好評だったのだが、それがなぜ、ミカエルの紙袋の中にあるのか。
思わずルシュディーを睨みつけたが、彼はにやにやと口元を緩め、サムズアップした。
「おたのしみください!」
「殴って良い?」
「いいわけねぇだろ自重しろ」
アーヤ王女は諦めたようなため息をこぼしているが、アルヴィスはこれまた満足そうに頷いていた。
「…アルヴィス、おまえもか…」
シェイクスピアの演劇に出てくる、カエサルの気分になったのは、なぜだろう。
ルシュディーがメイド服作る気だって、知ってて協力したな?
コスチュームプレイ、なんてしないからな。
絶対。
昼休みには、一般向けのレストランの生徒会役員の専用席で、風紀委員のメンバーも交えて打ち上げをした。
庶務補佐は体調不良との届け出が出ており、学園を欠席していた。
昼休みに集合したのは、放課後はどちらも事後処理に追われて多忙な為である。
グレーに近い銀髪に、翡翠色の瞳をした風紀委員長は、神妙な顔でミカエルの隣に座り、「お疲れ様でした」と話しかけてきた。
「お疲れ様。昨日一日、風紀委員は大変だったろう」
穏やかに返すと、窺うような視線を向けてくる。
「そうですね。ですが生徒会の皆様にご協力頂いたおかげで、大きな事件は起こらなかっ…いえ、起こりましたが、手はもう離れたので…」
「ああ、そうだね」
強姦未遂事件のことを言っているのだろうと思ったが、ミカエルは風紀委員長から視線を外し、テーブルを見渡して、和やかな食事会になっていることを確認した。
今日の為に、テーブルや椅子を追加してもらったので、専用席は手狭になってはいたのだが、窮屈な印象はなかった。
ミカエルの両隣に座る風紀委員長と、アルヴィスに会話が聞こえるくらいでちょうど良い。
「…その、良かったのですか?」
「何がかな?」
「騎士団に引き渡してしまって」
「事件だからね。学園内で処理できる範疇を超えている」
「…生徒達の未来を考えると…」
風紀委員長の表情は気遣わしげなものだったが、それはミカエルに向けられているわけではないことを、その時理解した。
ミカエルはグラスの水を飲み、少し間を置いてから、風紀委員長へと微笑みかけた。
好意的に映るよう計算されたものだったが、風紀委員長は一瞬、ミカエルに見惚れたようだった。
「風紀委員長は優しいね。自分がそんな目に遭っても、加害者達には未来があるから、と、許してあげるんだね」
「…え、…と…」
「未遂だから構わない、と、言ってあげられるなんて、そうそう出来ることではない。全裸にされ、尊厳を踏みにじられるような写真を多数撮影されても、卿は許容出来るんだね」
「……それは…」
「その写真が、不名誉極まりない噂と共に拡散されたとしても、未遂だったからいいじゃないか、と言えるんだね」
「……」
「尊厳を踏みにじられた被害者に、未遂だったから許してやれと、言うんだね」
「……」
「私には出来ないな。これは許されて良い罪ではない」
「……」
口調も表情も変えず、穏やかに微笑んだまま言ったが、風紀委員長は視線を食事の上へと落とし、沈黙した。
その表情は納得したものでも、恥じ入ったものでも、なかった。
むしろどう言い返してやろうかと考えているようで、ミカエルは失望が胸を浸していくのを、静かに感じていた。
一年の頃からクラスメートであり、風紀委員として活動してきた伯爵令息は、目立つ容姿ではなかったものの、穏やかで落ち着いた雰囲気を持っていて、ミカエルに対しても偏見は持っていないように、見えていた。
クラスメートとしても、生徒会と風紀としても、敵対したこともなく、友好的に接してきたつもりだった。
それが本当に「つもり」でしかなかったことを、今思い知らされている。
風紀委員長は、真面目で有能である、と評判だった。
だがミカエルは、疑問だった。
彼が積極的に動くのは、取り締まり対象が自分よりも、身分が下の者に限られている。
王太子がここで暴行事件を起こした時、隠れて傍観していた。
公平で公正であるべき風紀委員としては、失格である。
相手の立場に遠慮したのかもしれないが、あのまま放置していたら、被害者が取り返しのつかない事態になっていたかもしれないし、王太子の立場も悪くなっただろうし、風紀委員長、という彼の立場も悪くなったに違いないのに。
風紀委員長が黙ったままなので食事を再開したミカエルだったが、ようやく考えがまとまったのか、顔を上げた男の発言に、明確に失望することになった。
「人の上に立たれる方は、寛容であるべきでは?」
「…ふ、寛容」
鼻で笑ったのは、アルヴィスだった。
ミカエルの右隣にいるアルヴィスは、当然風紀委員長の言葉も聞こえていた。
いつものように無表情で食事をしていたのだが、ついに堪えきれなくなったのか、嘲笑した。
その感情を理解したのはミカエルだけで、逆隣に座る風紀委員長は、滅多に喋らない男の発言に、純粋に驚いただけのようだ。
それきりアルヴィスは口を閉ざし、視線を向けることもなかったので、風紀委員長は不快げに眉を顰めたものの、問い正すことはせず、ミカエルへと視線を向けた。
「…生徒会長は、どう思われますか?」
「卿の下にいる者達は、息がしやすいことだろう」
「それは当然です」
風紀委員長は、堂々と胸を張った。
ミカエルは言外に、「それは寛容ではなく怠惰だ」と言ったのだが、伝わらなかった。
人の上に立つというなら、寛容だけではいられない。
規範を示し、自らもそれを体現する厳しさが必要だ。
ラダーニエから受け取った報告書を思い出し、憂鬱になった。
犯罪行為を容認する、この男。
自分より下の者にしか、強く出れない、この男。
寛容と怠惰をはき違える、この男。
この国、大丈夫か。
もう、知ったことではないけれど。
魔王討伐に出立するまでには、全ての片をつけてしまわなければ。
王位継承争いに巻き込まれるのは、真っ平御免だった。
翌日の昼休み、ミカエルは少し時間が欲しいと聖女に教室に残ってもらい、ミカエルを昏倒させた道具を返却した。
「なーんだ。何食わぬ顔して登校してっし、おかしいなって思ったらコレかよ。失敗かよーだっせぇ~!…あ、もしかしてスタンガン、動かなかった?電池切れてたかぁ~」
「……」
やっぱり、この男のことは絶対に、許せそうにない。
ミカエルは沸き上がる怒りと嫌悪を、必死に抑えなければならなかった。
全クラスで最も売り上げを上げたとして表彰され、ルシュディー達は得意げでありながらも、少し照れたように笑った。
「あ、そうそう。ホントは、ミカの休憩時間に売り子やってもらおうと思って、服も用意してたんだけどさー。生徒会、忙しかったみたいだな。全然顔見せなかったじゃん」
「色々トラブルがあって。僕もここで、ティータイムを過ごしたかったよ」
ルシュディー王子にもらったゲームの攻略チャートには、ちゃんと学園祭でのイベントが、書かれていた。
にも関わらず、ミカエルはそれほど警戒していなかった。
強くなったから、と、油断していた。
アルヴィスがいなければ、致命的な失態となっていた。
席に着きながら、何事もなかったかのように苦笑すれば、アーヤ王女が隣の席で肩を竦めた。
「あなたがいたら、もっと売り上げが上がったと思うけれど。でも忙しかったなら、しょうがないわね」
「ごめんね、アーヤ王女」
「い、いいのよ。去年の劇は、ちゃんと観に来てくれたじゃない。本場のかき氷やアイスが食べたければ、いつでも我が国に来ればいいのよ」
「そうするよ。ありがとう」
「アルヴィス王子も、お忙しかったようね?」
「申し訳ない」
「謝る必要はないわ。あなたもいつでも、我が国に遊びに来てくれたらいいんだから」
「そうします」
三年になってから、アーヤ王女の後ろの席を根性で獲得したルシュディーが、マジックバッグから大きめの紙袋を二つ取り出し、それぞれをミカエルとアルヴィスに手渡した。
「とりあえずせっかく作ったからこれ、持って帰れ。ホントはこれを着て客寄せパンダして欲しかったけど、しょうがない。予算内で作ったヤツだから、遠慮すんな」
「ぱんだって何?」と、アーヤ王女とアルヴィスが首を傾げていたが、ミカエルは軽く聞き流したフリをして、紙袋を受け取った。
「もしかしてカフェの執事服?ありがとう。あれ?でも採寸なんてしたかな」
「第二王子に聞いた」
しれっと言われ、ミカエルはアルヴィスを見たが、アルヴィスは自分の紙袋の中を確認し、満足したように頷いていた。
「着る機会があるかはわからないけど、せっかく作ってもらったし、頂くよ」
「絶対着てくれよな。あ、別に見せてくれとは言わねぇよ?俺、ナマモノは趣味じゃないんだよな」
「…ナマモノ…」
以前にも聞いたことのある、謎の言葉だった。
結局聞いても意味は教えてもらえなかったので推測だが、おそらくオタク関係の用語なのだろう。
…と、いうことは。
ミカエルが恐る恐る紙袋の中を見ると、ピンク色のふりふりの衣装が入っていた。
この世界のメイドは、職業であってコスプレではない。
よって、制服は黒か紺などの落ち着いた色であることが、ほとんどである。
ルシュディーは、「カフェ店員なんだから、可愛い色にしようぜ!」と提案し、上がってきたデザイン案を見て、聖女のご友人が大賛成をしていた。
実際に、ピンク色のメイド服を着た店員は大好評だったのだが、それがなぜ、ミカエルの紙袋の中にあるのか。
思わずルシュディーを睨みつけたが、彼はにやにやと口元を緩め、サムズアップした。
「おたのしみください!」
「殴って良い?」
「いいわけねぇだろ自重しろ」
アーヤ王女は諦めたようなため息をこぼしているが、アルヴィスはこれまた満足そうに頷いていた。
「…アルヴィス、おまえもか…」
シェイクスピアの演劇に出てくる、カエサルの気分になったのは、なぜだろう。
ルシュディーがメイド服作る気だって、知ってて協力したな?
コスチュームプレイ、なんてしないからな。
絶対。
昼休みには、一般向けのレストランの生徒会役員の専用席で、風紀委員のメンバーも交えて打ち上げをした。
庶務補佐は体調不良との届け出が出ており、学園を欠席していた。
昼休みに集合したのは、放課後はどちらも事後処理に追われて多忙な為である。
グレーに近い銀髪に、翡翠色の瞳をした風紀委員長は、神妙な顔でミカエルの隣に座り、「お疲れ様でした」と話しかけてきた。
「お疲れ様。昨日一日、風紀委員は大変だったろう」
穏やかに返すと、窺うような視線を向けてくる。
「そうですね。ですが生徒会の皆様にご協力頂いたおかげで、大きな事件は起こらなかっ…いえ、起こりましたが、手はもう離れたので…」
「ああ、そうだね」
強姦未遂事件のことを言っているのだろうと思ったが、ミカエルは風紀委員長から視線を外し、テーブルを見渡して、和やかな食事会になっていることを確認した。
今日の為に、テーブルや椅子を追加してもらったので、専用席は手狭になってはいたのだが、窮屈な印象はなかった。
ミカエルの両隣に座る風紀委員長と、アルヴィスに会話が聞こえるくらいでちょうど良い。
「…その、良かったのですか?」
「何がかな?」
「騎士団に引き渡してしまって」
「事件だからね。学園内で処理できる範疇を超えている」
「…生徒達の未来を考えると…」
風紀委員長の表情は気遣わしげなものだったが、それはミカエルに向けられているわけではないことを、その時理解した。
ミカエルはグラスの水を飲み、少し間を置いてから、風紀委員長へと微笑みかけた。
好意的に映るよう計算されたものだったが、風紀委員長は一瞬、ミカエルに見惚れたようだった。
「風紀委員長は優しいね。自分がそんな目に遭っても、加害者達には未来があるから、と、許してあげるんだね」
「…え、…と…」
「未遂だから構わない、と、言ってあげられるなんて、そうそう出来ることではない。全裸にされ、尊厳を踏みにじられるような写真を多数撮影されても、卿は許容出来るんだね」
「……それは…」
「その写真が、不名誉極まりない噂と共に拡散されたとしても、未遂だったからいいじゃないか、と言えるんだね」
「……」
「尊厳を踏みにじられた被害者に、未遂だったから許してやれと、言うんだね」
「……」
「私には出来ないな。これは許されて良い罪ではない」
「……」
口調も表情も変えず、穏やかに微笑んだまま言ったが、風紀委員長は視線を食事の上へと落とし、沈黙した。
その表情は納得したものでも、恥じ入ったものでも、なかった。
むしろどう言い返してやろうかと考えているようで、ミカエルは失望が胸を浸していくのを、静かに感じていた。
一年の頃からクラスメートであり、風紀委員として活動してきた伯爵令息は、目立つ容姿ではなかったものの、穏やかで落ち着いた雰囲気を持っていて、ミカエルに対しても偏見は持っていないように、見えていた。
クラスメートとしても、生徒会と風紀としても、敵対したこともなく、友好的に接してきたつもりだった。
それが本当に「つもり」でしかなかったことを、今思い知らされている。
風紀委員長は、真面目で有能である、と評判だった。
だがミカエルは、疑問だった。
彼が積極的に動くのは、取り締まり対象が自分よりも、身分が下の者に限られている。
王太子がここで暴行事件を起こした時、隠れて傍観していた。
公平で公正であるべき風紀委員としては、失格である。
相手の立場に遠慮したのかもしれないが、あのまま放置していたら、被害者が取り返しのつかない事態になっていたかもしれないし、王太子の立場も悪くなっただろうし、風紀委員長、という彼の立場も悪くなったに違いないのに。
風紀委員長が黙ったままなので食事を再開したミカエルだったが、ようやく考えがまとまったのか、顔を上げた男の発言に、明確に失望することになった。
「人の上に立たれる方は、寛容であるべきでは?」
「…ふ、寛容」
鼻で笑ったのは、アルヴィスだった。
ミカエルの右隣にいるアルヴィスは、当然風紀委員長の言葉も聞こえていた。
いつものように無表情で食事をしていたのだが、ついに堪えきれなくなったのか、嘲笑した。
その感情を理解したのはミカエルだけで、逆隣に座る風紀委員長は、滅多に喋らない男の発言に、純粋に驚いただけのようだ。
それきりアルヴィスは口を閉ざし、視線を向けることもなかったので、風紀委員長は不快げに眉を顰めたものの、問い正すことはせず、ミカエルへと視線を向けた。
「…生徒会長は、どう思われますか?」
「卿の下にいる者達は、息がしやすいことだろう」
「それは当然です」
風紀委員長は、堂々と胸を張った。
ミカエルは言外に、「それは寛容ではなく怠惰だ」と言ったのだが、伝わらなかった。
人の上に立つというなら、寛容だけではいられない。
規範を示し、自らもそれを体現する厳しさが必要だ。
ラダーニエから受け取った報告書を思い出し、憂鬱になった。
犯罪行為を容認する、この男。
自分より下の者にしか、強く出れない、この男。
寛容と怠惰をはき違える、この男。
この国、大丈夫か。
もう、知ったことではないけれど。
魔王討伐に出立するまでには、全ての片をつけてしまわなければ。
王位継承争いに巻き込まれるのは、真っ平御免だった。
翌日の昼休み、ミカエルは少し時間が欲しいと聖女に教室に残ってもらい、ミカエルを昏倒させた道具を返却した。
「なーんだ。何食わぬ顔して登校してっし、おかしいなって思ったらコレかよ。失敗かよーだっせぇ~!…あ、もしかしてスタンガン、動かなかった?電池切れてたかぁ~」
「……」
やっぱり、この男のことは絶対に、許せそうにない。
ミカエルは沸き上がる怒りと嫌悪を、必死に抑えなければならなかった。
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