親友の距離感って僕には面倒臭い。

殿と殿

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 はじめて会った時は『しもべ』宣告だった。

 それが次の日には『友人』に変わり、その日の夜に『親友』となった。
 少年の中でどんな経緯でそうなったのか、ジェノは歩きながら首を傾げる。基本関わりたくなくて、ひどい態度しかとっていない記憶があるのだが・・・

 やはりマゾ?貴族ってSMのイメージが少しあるんだよねー、偏見かな?
 抱きつかれるのとか本当に困る。少しのスキンシップとかならまだいいが、あまりの密着度に戸惑うばかりだ。

 僕が知らないだけで友人の距離感とはあんなものなのだろうか?
 確かにメロスとカンバヤシは普段よくじゃれ合ってくっついているが『まるで猿ですね、馬鹿は放っておきましょう』そう毎回執事のファストに呆れられている。

 ああいうのは駄目なんだと思っていた・・・けど、
 『ファストは辛口だ』ってメロスがぼやいていたこともあったし、後で皆に聞いてみよう。

 しっかし普通出会って二日目で「親友になりたい」って思うものかなぁ?
 稀に「一目でこの人と結婚するのがわかった」って言う人もいるし、所謂第六感みたいなものか?単に思い込みが激しいだけという可能性も・・・うーん。
 考えても全くカルシェンツに懐かれた要因が解らず、ジェノはグシャグシャと頭を搔く。

 本人にはもちろん聞いた。
 が、「ジェノ君は特別だから」とか「後光が見えた!」とか「新世界へ導いてくれる存在だ!!」と騒ぐ始末。
 ついていけない・・・ 本音を言うと、ジェノは出会った当初よりカルシェンツのことが苦手になっていた。

 一緒にいるたびに彼から離れたくなっていく気持ちが増していく。それなのに何故か二人が仲良くなっていっていると周りの人間は思っているようなのだ。
 「解せない・・・」
 毎日一緒にいるからか?勝手にへばり付かれているだけだ!あぁ、頭痛くなってきた。

 最近頻繁に起こる頭痛に顔を顰めていると、上の表示板に描かれたトイレマークを発見する。
 「トイレに行く」と言ったジェノに、付いて行くとカルシェンツは訊かなかったが、これ以上我が儘言ったら帰ると脅しなんとか一人で抜け出せたのだ。手早く用を足し、誰も傍にいないのを確かめて外に出る。

 あれ、こっちから来たっけ?なんか柱の色が違うような・・・通路を一本間違えたかもな。
 戻ろうとして近くの売店にジェノは目を留めた。
 飲み物でも買って少し休憩しよう。あの美少年の相手は疲れるし。
 変わったデザインの椅子に腰をおろし、林檎ジュースを飲みながら先程入ったトイレをぼんやりと眺めた。

 トイレは一番困る。
 世間から男の子だと思われているジェノにとって、トイレは鬼門である。
 だからジェノはあまり外出せずに屋敷に籠っているのだが・・・まぁ、ただ屋敷が楽だから出ない出不精なだけですけどね。

 
 ――でも、女だとバレても実はそれほど問題は無かったりするんだよねぇ。
 実際戸籍上ジェノの性別は『女』と記されている為、本気で調べればすぐ判明する事柄だ。ジェノの外見や言動、使用人が「坊ちゃん」と呼んでいることから男の子だと思われているだけで、特に隠蔽工作等はしていない。

 だが五年前、ジェノの戸籍は「男」となっていた。
 跡取りにするため母親が嘘の申請をした為だ。
 スラムで非公認で産まれたジェノにはそれまで戸籍は無く、あちこちに根回ししてその申請が受理されたのだという。

 飲み終わったジュースの缶を素晴らしいコントロールでゴミ箱へ投げ入れ、吹き抜けの天井を見上げ目を瞑る。

 ――出会って三週間目でジェノが「女の子」だと気付いたメロスは、慎重に聞いてきた。

 『どう生きたいか』と
 好きに生きていい。男でも、女でも、やりたいようにしていい・・・ジェノには休息が必要だ。
 ちゃんと「心」を休めよう。
 そう言われた記憶がぼんやりと残っている。

 「・・・ジェノは、おとこのこ・・・です」

 当時のジェノは周りの大人の顔色を伺うように、おずおずと答えた。
 男の子じゃないと必要とされない・・・捨てられる。
 絶対の存在だった母親の影は死してなおまだ幼いジェノを蝕み続け、深い傷跡を残していた。

 そんな少女の不安を払拭する様に、事ある毎にメロスは優しく抱きしめ『傍に居るから』と囁いてくれた。
 いつも明るく、気楽に、時に真剣に・・・
 まるで包まれる様な温かい時間の中でジェノは笑い、泣き、怒り、経験した事のない喜びを次々に知ることが出来た。

 その二年後にもう大丈夫だと判断したメロスが戸籍の性別を変更し、現在に至る。
 今も昔のなごりで坊ちゃん呼びをされているだけで、周囲を騙そうとしているわけではない。跡取りなのは事実だし、ジェノという男っぽい名前のせいで『男の子』だと誤解されているだけだ。

 ・・・まあ、こちらがちゃんと訂正しないのが一番の要因なんだけどね。
 男の子だと肯定はしたことないが、否定もしていない。いまさら女の子だとは言い出しずらいし、わざわざ説明するのも少し恥ずかしい。

 公の場に出た際にはその場に見合った格好をしなければいけないのだが、パーティの類に欠席し続けているジェノは『ドレス』を着た経験がない。だから未だに男の子として通っているのだ。

 そもそも女の子が着るような服を着たことないなぁ。 
 スカートって動きずらそうだしスウスウしそう。
 今着ている茶色いチェックのズボンを見下ろし考える。

 僕が「女の子」だと言ったら・・・カルシェンツはどうするんだろう?
 彼は男同士の熱い友情に憧れがあるようだから、ジェノに興味を無くすだろうか。それとも関係ないと言って、これまで通り接してくるのだろうか。

 『あなたは男の子なのよ』

 優しく笑う母親。

 『女の子はいらないの』

 突如母の言葉が頭を過ぎり、ジェノは息が詰まった。
 周りに男の子だと認められていく度、優しく撫でてくれた母親。

 『女の子ではダメよ・・・男の子だから価値があるの』

 ――ちがう、女でもいいんだ。

 『男の子だからここにいられるのよ』

 ―――そんなことない、女でもあの屋敷が僕の家だ!

 『男の子が必要なの』

 メロスは女の僕を可愛がってくれる、一緒にいてくれるっ!

 『愛しているわ、ジェノ。私の息子』

 ・・・・・・。


 ママにとって女として生まれた僕は・・・価値のない子だったの?
 女の子の僕は、愛してくれないの?

 僕は僕なのに・・・性別が違うというだけで生まれる大きな差にジェノは苦心し、母親に愛されなかった事実に打ちのめされる。
 カルシェンツも『男のジェノ』が必要で・・・『女のジェノ』はいらないのだろうか。彼に言おうとしたことは何度もあったが、それは言葉にならなかった。

 『女の子の君とは友達になりたくない』 
 あの冷たい目でそう言われたら・・・
 いつもより心臓の鼓動が速くなり、嫌な汗が背中をつたい落ちる。
 細かく手が震えているのに気付き、自分の身体を抱きしめた。

 ――大丈夫だ、落ち着け。
 ママはもういない、女の子でもメロスは僕を愛してくれる。使用人の皆もずっと傍にいてくれる! 大丈夫、大丈夫だからっ!ちゃんと息を吸わなきゃ、くるしい・・・震えが止まらないっ!!

 たまに起こる過呼吸。
 ここ一・二年は殆どなかったのに・・・こんな時にっ! 落ち着け、まずは紙袋を――
 お店の人に言おうと横を向くと、ジェノの隣の椅子に何故か白く四角い紙袋が置かれていた。

 ・・・!?

 え、なんでこんなところに紙袋が都合よく?
 何も入っていない袋を不思議がりながらも手に取り、ジェノは天の助けとばかりにそれを使わせてもらう。

 持ち主の方ごめんなさい。いたら後で弁償します!
 あまりに都合のいい出来事に、ジェノは訝しみながらもあまり深く考えない。

 ・・・おそらく妖精さんの仕業かな。
 いままでも困ったことがあると、今回の様な事がジェノの周りではよく起こった。どこからともなく助けてくれる姿なき存在を、ジェノは『妖精さん』と呼んでいる。
 これをメロスに話したら腹を抱えて大爆笑された。

 なんだよ、メロスは夢がないなぁ 本当なんだぞ。きっといつも僕のことを見守ってくれているんだ!
 妖精さんのおかげでだいぶ呼吸が楽になってきた・・・昔は屋敷全体を巻き込んで、使用人を大慌てさせていた過呼吸だが、今では独りで対処出来る様になった。
 でも、やっぱり苦しいから慣れないなぁ。
 深呼吸を繰り返しながらジェノは、少年に打ち明けるのは先延ばしにしようと決め一人頷く。

 そろそろ戻ろうかな、カルシェンツのやつ心配するかもしれないし。

 「きみぃ、ちょっといいかね」

 椅子から立ち上がろうとするのと、離れたところからジェノに声がかかるのは、ほぼ同時だった。

 「確か、モーズリスト君だったかな?」

 あ・・・さっきの太った人――

 「んんっ、殿下のことで、お互いうまい話があるんだがねぇ」

 男は肉付きのいい照かった顔にニヤニヤとした笑みを浮かべ、ジェノに近寄ってくる。

 「私から話を持ちかけ誘ってやるなんてなかなかないんだぞ?君は運がいい」

 うっわぁ、面倒くさそー
 まだ話は解らないが、その上からの態度や口元を厭らしく釣り上げた歪んだ笑みに嫌な予感が過ぎり、ジェノは内心で盛大な溜め息を付いた。

 「一人かね、殿下はどうしたんだ?」

 「え、あぁテラスの方に・・・僕はト、いえお手洗いに」

 ふむ。と顎を撫でる男。
 この人カルシェンツに相手にされなかった太ったおじさんだよな・・・その後ろから歩いてくる痩せた人は誰だろう?
 ステッキを持った60歳前後のご老人。ピシッと伸びた背筋が美しい紳士的なな佇まいだ。

 ジェノの疑問に答えるように一歩前に出て「美術園へようこそ。総支配人のクルドールです」と自己紹介してくれた。太った方は絵画施設の支配人だと紹介される。

 「顔色が優れないようですが、大丈夫ですか?」

 「あ、はい。今休んだので大丈夫です」

 「そうですか、何かありましたら直ぐお申し付け下さい」

 丁寧な口調でクルドールさんは、椅子に座るよう促してくれる。
 少しふらふらしていたから助かるなぁ。

 「お飲み物でもお持ちしましょうか?」

 「えっと・・・」

 「そんなことより、殿下は何か仰っていたか!?この美術館は素晴らしいとか、また来たいとか!」

 そんなことって・・・総支配人の男性との会話に、強引に割って入ってきた太った男に眉を顰める。
 男の隣でクルドールさんも窘めるような視線を向けているが、鼻息の荒い男はそれに気が付かず、矢継ぎ早にジェノに質問してきた。内容は全てカルシェンツのことで、彼にどう思われているかが気がかりらしい・・・

 「私が案内して差し上げられれば、よりこの美術園を気に入っていただけるのに。ひいては私も今後、目を掛けてもらえればっ!」 

 目をギラつかせて捲し立てる男に一歩後ろにさがりたい気持ちになるが、座っているため適わない。

 「君、殿下に掛け合ってくれんか。この機を逃す手はない・・・上手く私が取り入れるように進言してくれ!」

 「え・・・いや、あの」

 なんで僕に振るんだ!やめてくれっ。

 「御忍びで連れて来るんだ、ある程度気に入られているのだろう?モーズリストという名は聞いたことないが、一応は貴族の様だし・・・上手くいったら勿論それ相応の対応をしよう。我がストジル家の方が、だいぶ大きいだろうしねぇ」

 お互い利益があるからいい話だろう?と、口の端を上げて笑う男にげんなりする。

 「興味ないです」

 「ふはっ、悪いようにはしないさ!話す時間がほしい・・・ガードが固くてね、少し口添えしてくれるだけでいいんだ!相手はあの殿下だぞ?次期国王陛下だ!贔屓してもらえれば家柄の地位も様々な事柄が今後は安泰だ・・・君もそれが目当てで仕えているのだろう?どうやって取入ったのだ!?」

 仕える?僕がまるで「しもべ」の様に、カルシェンツのご機嫌取りでもしていると思っているのか?
 この男の言っている事、初対面時にカルシェンツに言われた口説き文句と殆ど一緒だな。
 あの時自分で言ってて虚しくならないのかな?って思ってたけど・・・やっぱり、そんなことで人の傍に居ようとするのは間違ってる。

 少なくとも、僕には絶対まねできない。

 「仕えていません、対等です。取入ったりもしてない・・・ただいつも一緒にいて他愛無いおしゃべりをしているだけで」

 「ふはっ、そんなわけないだろう、殿下は類まれな天才なんだっ!そこら辺の人間とは格が違う、石ころ同然で相手にすらしない!どうせすぐ君にも飽きるだろ。その前に出来るだけ協力してくれっ!・・・私程の人間でも挨拶が出来ればいい方なんだぞ。パーティでさえ一言も誰とも会話をなさらずにご退出なさるから、取入る隙がなくどの家柄の貴族も苦労しているんだ」

 ・・・飽きるって。
 諌めるクルドールさんの言葉に耳を貸さない太った男は、更にジェノに詰め寄る。

 「その殿下と対等?むはっ、笑い話にもならないぞ!構ってもらえる今の内に得られるものは全部得ておけ。それが君の将来の為だっ!」

 ・・・こんな男だと分かってたからカルシェンツは冷たくしたのか?いや、男の口ぶりだと誰にでもあんな態度をとっているようだな。

 「笑い話にしなくて結構です、僕は嘘は言っていませんから。――とにかくお断りします」

 関わり合いになりたくない男を見上げ、ジェノは淡々と考える。
 自分に近づいて来る人間がこういう思惑を抱いた人ばっかりって、僕なら絶対に嫌だ。

 だから地位とかに興味がない、「王子様」から逃げようとする僕を選んだのかもしれないな。
 自分に利益を求めて来ない・・・こういう面では安心だろう。
 そう思うと、納得は出来るが――

 少し、胸が「ちく」っと痛んだ。
 ・・・まだ具合悪いのかな?とりあえずここから去りたい。

 「チッ、気に入られたのがこんな分別もつかない子供ではなく私だったならっ!」

 子供だからこの有益さが解らないのだと更に近づいてきた男は、ジェノの寸前で動きを止めた。

 「それ以上、我が美術園の大事なお客様に失礼をはたらく様なら、しかるべき罰を与えることになりますよ。子供の前で恥ずべき行為は止めていただきたい・・・仮にも君はここの施設の支配人ではないのですか?貴族が聞いて呆れますね、恥を知りなさい!」

 目にも留まらないスピードで男の喉元にステッキを突きつけたクルドールさんは淡々と、しかし否も言わせぬ迫力で男を黙らせた。男は間抜けな悲鳴を上げ三歩程後退し、目を白黒させている。

 「大変申し訳ありません」
 と頭を下げる総支配人を見て、太った男は肩で息をしながらバツが悪そうに横を向く。
 クルドールさんの方が完全に地位も格も上だな・・・後で大変だろうなー このおじさん。

 大丈夫ですと言ってクルドールさんに顔を上げてもらうと、困り顔だが優しい微笑みを向けられる。
 クルドールさんカッコいいなぁ!さっきのも老人とは思えない見事な動きだった。
 それに比べてこのおじさんは・・・上司が頭下げているんだからあんたも謝るべきなんじゃないの?

 まあ、別にもういいけどね。 終わったことは気にしないタイプだし――

 「謝ったらどうだ」

 突然怒気を孕んだ声が後ろからかかり、ジェノは飛び上がりそうになった。
 うおっ、心の声が漏れたかと思った!僕じゃない、僕じゃないぞ!

 後ろを振り向くと、見るからにご立腹なカルシェンツ王子が腕を組んでいる。
 あー 面倒臭い奴が来てしまった。ややこしくなるから、大人しく待っていてほしかったなぁ。でもトイレに行ってからもう15分以上も経っているし、心配して迎えに来るのは当然か。

 「遅くなってごめんな」

 「ジェノ君は何も悪くないよ。無事で本当に良かった!」

 素直に謝ると、先程の怒気が嘘のように綺麗に微笑まれる。僕には怒ってない・・・やっぱあの男に対してか。怒っている雰囲気が伝わったのか、10歳の少年に睨まれただけで『蛇に睨まれたカエル』状態で大量の汗を流し慌てふためく男。

 「で、殿下!こっこれは、モーズリスト殿を迎えにみえたのですか?殿下はその、海よりも広い心をお持ちのようで素晴らしいっ!このマイル・ストジル、感服いたしましたっ!」

 気味の悪い引きつった笑みで称賛の言葉を次々並べたてる男に、ジェノは感心してしまう。
 思ってもいないセリフをよくこんなに吐けるなぁ。本音がすぐ出る僕とはえらい違いだ・・・少しくらいはこういうスキルがあった方がこの世界は生きやすいんだろうけど―― 

 僕には無理だろうし欲しいとも思わないなぁ・・・ま、いっか。

 「聞こえなかったか?――謝れ、と言ったんだ」

 途切れない男の言葉を遮る静かな声音。
 声を荒げているわけでもないのに底冷えする声に「ひぇっ」と奇妙な声を上げて男は黙った。しんと静まり返ったホールに謝罪の言葉が何度もこだまする。

 「私に謝ってどうする?貴殿が謝罪すべき人物は別だろう。そんなことも貴理解出来ないとは幼児以下だな・・・支配人の職は辞任した方が貴殿のためになるのではないか?」

 おろおろする大人に侮蔑の目を向ける子供。
 こっわ!普段と違いすぎるだろっ、寒気がするわ・・・今春だけどここだけ『ブリザード』が吹雪いてるみたいだ!

 声も顔も雰囲気も、10歳とはとても思えない落ち着きように若干恐怖を覚えたジェノは、壊れた人形の様に謝ってくる男をすんなり許してあげた。
 だが、

 「そういえば・・・すぐに飽きる、などと言っていたな」
 スッと肩に手を置かれ引き寄せられる。
 ん? なんだ?

 「彼に飽きる日は永久に来ない。私とジェノ君の友情は永遠だ!このカルシェンツの親友を愚弄した罪、万死に値するっ!二度と私達に近づくことは許さん・・・今後ゼールディグシュの敷地を跨ぐこともな」

 よく通る声で言い放ち、満足そうな顔をこちらに向けてくる美少年。
 「そ、そんなっ!」と膝をガクガク震わせ青ざめる男と、驚きに目を見開くクルドールさんの横を、肩を抱かれながら呆然と通り抜けた。

 ゼールディグシュの敷地ってめっちゃ広いから無理じゃね?
 てか「万死に値する」って本当に言った人初めて見た!メロスに報告しよ。
 あと「永久」とか「永遠」とかって嘘くさいよね。『永遠の愛だ!』とか言っといてあっさり離婚するんだぜ、超うける。

 ・・・・・・。
 うん、わかってるんだ。本当につっこむべきなのはそこじゃないって。

 「いつ誰と、誰が、親友になったんだっ!?」

 「いやぁー、外堀から埋めるのもありかなー? と・・・・・・てへっ!」

 可愛らしく舌を出す王子様。


 ――ドゴッ!!!

 本日、二度目頭突きが放たれました。
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