親友の距離感って僕には面倒臭い。

殿と殿

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 輝く金髪を風に靡かせる美少年の言葉を聞きながら、ジェノは欠伸を噛みしめる。周りの景色は左側が竹林、右側が田んぼや畑で広めの砂利道には先程から一人も通らない。

 この子誰だろう。
 見るからに高級そうな服に身を包み、堂々とした立ち姿・・・この歳でこの風格はなかなかだせるものではない。瞬時に自分が軽く会話できる家柄の子供ではないと察する。だが――

 「私の目に留まるとは、お前はなんて幸運なんだ。まあ、頑張って役に立つといい!・・・いい働きをすれば、ちゃんと私の中でお前の評価を上げてやる」

 何を言ってるんだこの金ピカボーイは。
 ジェノは面倒臭そうな表情を隠しもせず、目の前の少年に冷めた視線を送った。
 少し顎を上げて話す姿は誰がどう見ても偉そうである。
 まあ、実際偉いんだろうけど・・・親が。

 「レミアーヌとの縁談を蹴るとは、よく互いの家の立場を理解しているな。釣合のとれる家系同士でなければいずれ互いに不利益を被ることは目に見えている。その点、自分の立場をよく理解し、身を引いたその判断は称賛に値する!あのレミアーヌの情けない顔も拝めたしな!」

 いちいち胡散臭い動きをしながら語る少年を眺め、あぁレミアーヌちゃんの知り合いなんだな、とぼんやり考える。
 欠伸を噛み締め一応聞く体制をとるものの、厄介な雰囲気に無意識に足は後退していった。

 「確かにお前はみれる顔をしているな。家柄は・・・まあ目を瞑るとして、傍に置いても許せる範囲だ!よかったな ジェノ・モーズリスト!」

 よかったのか?なにがどうよかったのか、さっぱりわからん。
 無言のジェノに対し止まる事なく喋り続ける少年のよく回る舌に感心しつつ、失礼な子供だなと腕を組む。
 基本高貴な家柄の人って、自分より身分の低い者の話を聞かない人が多いよね。一人でしゃべるなら人形とか動物とかと話してればいいのに、本当にいい迷惑だ。

 上に取り入ろうとする人物にはこういうタイプの方がいいのかもしれないが、ジェノもモーズリスト家の者も全くそういう事には興味がない。

 母親はお金や地位に対し強い執着をみせたが、息子のジェノは幼い頃見た母の狂った様な姿がトラウマとなり、そういったもの全般に強い拒否反応が出るようになってしまった。聞いてもないのに自分がいかに凄いか、周りとは違うかと語っている少年の姿に少女は鼻白む。
 黙って話を聞いていたけど、こいつに付き合ってここにいる理由はない。

 「おい」

 「呼ばれた時だけ私の傍にーっ!・・・なんだ?」

 「帰っていいか?ドジョウに餌やる時間なんだ」

 は?と口を開け、眉間に皺を寄せた少年に臆さず発言する。

 「なんかよくわかんねーし、他に言いたいこと無ければ帰るわ。ドジョウが待ってるんでね」

 「・・・どじょう?」

 「おう、ドジョウ」

 「どじょう・・・」

 「なんだドジョウ知らないのか?そこら辺の沼とかにいるだろ、見たことないのか?もしかして」

 まじかよ!と眉を顰めたジェノに、同じく眉を顰めた少年が自分のおでこに手を当てる。

 「いや、ドジョウは見たことあるし知っている。だがー・・・なぜ今、ドジョウが出てきたのかがわからんのだ」

 「だからドジョウに餌やりたいから帰っていいかって話だろ?」

 「だから何故ドジョウに餌をやりに帰るのだ?今私といるこの時に!」

 「餌やりたいから帰るんだよ!!なぜもへったくれもあるか!」

 「へっ、へったくれ!?それはっ・・・な、何だ?どういう」

 「あ?へったくれが何か?何って・・・そーいやなんだろな?へったくれって」

 「「・・・・・・・・・」」

 二人の間に沈黙が流れ、ジェノは自分の頬をポリポリと掻く。へったくれの意味を考えてみたがよくわからない。
 後でメロスに聞いてみよう。

 「まーいいじゃん何でも。へったくれはへったくれだ!細かいことは気にすんな!」

 少年の肩をバシバシ叩きながらニカッと笑ったジェノを見て、少年は驚きに目を見開く。
 これでもかと開いた瞳は宝石みたいに美しく、ジェノは一瞬だけ見蕩れてしまった。

 「あぁー、んじゃそうゆーことで僕は帰るから。ばいばい」

 呆気にとられていた少年は三秒程反応が遅れたが、すぐに駆け寄り「待て!」とジェノの腕を掴む。

 「だから何?」

 「何って・・・私の話はまだ終わってない!勝手な行動はー」

 「そうなの?じゃあ聞いてもいいけど、腕放して。歩きながらでも話せるでしょ」

 「え、ああ・・・すまない。その、えっと・・・」

  ジェノに怒ったように言われ、途端ににおろおろしだす少年。そこに始めの堂々とした姿はない。
 なんか叱られた犬みたいだなこいつ。

 「さっきの話、内容なんだったの?長くてよくわかんなかったからもっと簡潔に言ってよ」

 「え・・・ああ、だから私の傍で付き従う権利を特別に許してやる、と」

 「なんで?」

 「それは、私がお前を気に入ったからでー」

 「いや、だから何で僕が付き従わないといけないの?君の従者でもないのに」

 「それは・・・私の傍にいられるのは嬉しいだろう?名誉なことだし」

 「いや全然」

 え?と、心底驚き不思議そうな顔をした少年を見て、「やっぱり」と確信する。この子の考え方や価値観は、自分とは全く違うのだ。
 ジェノとは全く違う性質を持った人間。

 ・・・面倒臭いなぁ。

 「あのさ、君がどれほど立派な家のご子息かは知らないけど、僕は権力とか心底どうでもいいんだよね。家柄とか関係なく一緒にいて楽しいと思える人と仲良くするし、友達になるよ。君が求める人材は、望んでる人の中から選ぶといいんじゃない?貴族の多くは君と同じ価値観もってるだろうし」

 足を止め真面目な顔して話すと、少年も真剣な顔で黙って聞いていた。思ったより話の通じる奴なのかもしれないが、なるべく関わり合いになりたくない。


 「・・・ともだち?」

 「ん?ああ友達じゃなく従者とか下僕の話だっけ?僕だったら・・・同年代の子がずっと傍にいる状態になったら友達になると思うけど。まあ、よっぽど性格が合わないとかない限りね」

 それきり少年は黙りこくってしまった。ぐるぐると何か必死に考えているみたいだが、いい加減帰ってもいいだろうか?
 呼び止められたせいでせっかく買ったメロンアイスがカップの中で溶けてしまっている。

 僕としたことがなんたる失態!まぁ溶けたアイスも普通に好きだったりするからいいけどさ。
 俯いている少年に断りを入れた後、歩きだしても付いてこないのを確認し安堵の溜息をついた。
 これでやっと家路に着けるな。

 「――送って行こう!乗れ」

 「いいっ、知らないやつの馬車に乗るなって親に言われてるから!」


 ふいに後ろから強めに掛けられた声にはっきりと言い返す。最後に見た少年の顔は唖然としたものだった。
 呆けててもすごく可愛く見えるって美少年は得でいいよね。僕は目が鋭すぎてあんま可愛いとは言われない顔立ちだし。

 いや、メロスにはよく頬ずりされながらうざいくらい言われるんだけどね。あれは親の欲目だからノーカウントだな。
 あまり頼りにならない父親を思い出し、自然と少女に笑みが浮かぶ。早く家に帰ってメロスに今日あったことを報告しよう、そしていっぱいお話するのだ!なんだかんだ文句を言いつつも、ジェノは実際のところ父親が大好きだった。



 屋敷に帰ってすぐ父親を捕まえた娘は、海が綺麗な島に来月連れて行ってと不貞腐れながらねだった。前から反対されて飼えないでいた『キツネザル』と屋敷の雨漏りの修理も約束してもらい、少し機嫌を直して夕飯にありつく。

 「ほんとごめんなー」
 そう言ってへらへら笑っているメロスは色々な意味で心配だ。
 もう少し僕がしっかりした方がいいんじゃないだろうか・・・でも面倒臭いし、まっいっか。なるようになるだろ!


 ――ジェノ本人は全く気付いていなかった。

 「メロスとジェノはそっくりな性格だ」と使用人や近しい間柄の者達が口を揃えて言っている事を。

 その夜布団に入りそういえば結局あいつ誰だったんだ?と思考を巡らせたが、「まぁいっか」といつものように軽く流して深い眠りへと落ちていった。

 その答えは次の日、意外な形で知る事となる――



 大陸の西側に位置するヴェジニア国は、近隣の諸国と比べはるかに大きく秀でた国である。ほどよく残った豊かな緑に様々な鮮魚が捕れる海。作物が育ちやすい気候が年間を通して長く続くのも、民の暮らしを楽にしている要因だ。

 だが一番民を助けたのはヴェジニア国の王の采配、あり方である。

 なにも特別なことをしたわけではない。他の国の様に民を虐げなかった・・・それだけである。しかしそれだけのことで国というのは大きく違ってくるものだ。

 百年程前に戦争が終わりを迎え『さあ これから国を建てなおす!』という状況になった際、すべての苦難を民に押し付け働かせ自分たちだけ裕福な暮らしを続けた王家や貴族。

 しっかり王家が責任を持ち、無理をさせない程度に民からの協力を得て体制を立て直した国。

 この二つの国は始めの方こそ前者が有利に事を運んでいったが、徐々に・・・しかし確実にその差はひっくり返り、今や比べるまでもないほどにひらいてしまっている。

 餓え、貧困、反乱。

 得た作物や利益を根こそぎ持っていき、何もしてくれない王政に民は弱り果て生きていくこともままならなくなった。
 戦争は終わったはずなのに争いの絶えない周辺諸国は、徐々に国としての力を減退させていき、ヴェジニア国だけが発展する形となったのだ。発展はしたものの元々ゆったりとした国民性を持つのこの国は、強引にことは進めず着実に大国を盤石なものにしていった。

 そんなヴェジニア国の貴族『モーズリスト家』は没落貴族であるが、他の国の貴族からしたらとても裕福な暮らしをしているためどこが没落なんだと言われてしまう。
 どこって・・・屋敷がボロいから?前に来たお髭が立派なお客様には、「素晴らしいアンティークだ!」と言われたがジェノにはよくわからない。


 前当主、バンズ・モーズリストは貿易関連の仕事を生業としていたが、彼が亡くなった現在は貿易には一切手を出していない。
 そして現当主であるメロス・モーズリストの仕事といえば―― 不明である。

 メロスが何で生計を立てているのか、実際のところ娘のジェノは何も知らずに育ってきた。「いってくるー」と不定期に三日ほど家を空け、ふら~っと帰ってくる父親。一週間程家を空ける事もあるが、その場合は事前に言ってあるか手紙が届くので心配ない。

 が、どこから出したのかが全くわからない手紙・・・以前血のようなものが付いていたこともある。

 一体どんな仕事をしているんだ!?
 どんなに問いただしても、のらりくらりとへらへらした笑みでかわされ、もうジェノは半分諦めた。しかし一度だけ、「知恵を貸す仕事」と言われたことがある。
 知恵を貸す・・・なんだろう、探偵とかかな?

 職業にかかわらずメロスという男は謎多き人物だと噂が絶えない。
 もはや分かってる事柄の方が少ないのではないかと、使用人が話していた事がある。
 歳はジェノと出会った当初が22歳。5年たった今は27歳だ。

 モーズリスト家を飛び出し、行方不明となったのが若干15歳の時だったという。
 理由を聞いたところ「世界を見てみたかった。己のちっぽけさを知ることは今後の成長に繋がるぞ」と楽しそうに語ってくれた。一人でよく生きていけたなと感心してしまう。

 少し長めのウェーブした赤毛の髪に、歳よりも若く見られる整った顔立ちのメロス・モーズリスト。
 そんな彼は使用人の話だと常に何かを企んでいる様な笑顔を貼り付け、無駄に周囲を警戒させているという。
 うーん、僕にはただへらへらしている様にしか見えないんだけどなぁ。何にも考えないで生きてるんだよ絶対!

 生粋の自由人。
 メロスをよく知る人物は皆、口を揃えてこう言った。



「ジェノ坊ちゃんも学校に通ったらよろしいのに」

 強い日差しが突然瞼に降り注ぎ、二度寝を繰り返していたジェノは顔を顰めた。部屋に入ってカーテンを勢いよく開けたマリーテアはジェノの布団を剥ぎながら小言を言う。

 「同い年の子達はもうとっくに起きて一時間目の授業を受けている最中ですよ。さっさと起きてください、ジェノ坊ちゃん」

 「・・・ぅん~・・・団体行動苦手」

 のろのろと起きながら呟くと、はあ~とこれみよがしな溜息が聞こえた。

 「ほんとそっくり」

 ・・・誰と?
 徐々に覚醒したジェノは服を着替え自室を出る。屋敷に来て三年目のメイド、マリーテア・ぺリスは部屋のセッティングから食事の配膳までテキパキとこなし、寝癖の付きにくいジェノの細い髪を更にサラサラヘアーへと仕上げていった。

 モーズリスト家に務める使用人は全部で8人。
 普通の貴族の使用人の数と比べ驚くほど少ないのだが、一人一人の個人の能力が高いため不便に思ったことはなかった。
 ジェノは此処よりも他の貴族の屋敷の方が報酬もいいだろうし、綺麗な部屋で暮らせるのだからすぐ辞めてしまうのではと心配なのだが、何故か皆楽しそうに働いている。

 しかも「無償でいいから雇ってほしい!」と極稀に屋敷を訪れて来る奇特な者もいるのだ。
 意味不明なボランティア精神だな。別の場所でゴミ拾いなどして世の中の役に立った方がいいと思いますよ。
 その者達はどうやらメロスの関係者らしいのだが、詳しい事は何度聞いても教えてもらえなかった。・・・一体何者なんだメロス。

 「旦那様も面倒がって一切パーティーの類には出席しませんから、貴族の間ではモーズリスト家は潰えた、なんて噂もあるんですよ。まあ、殆どうちの話題など滅多に上がらないでしょうが」

 何でもない事のように話しお茶を入れるマリーテアを見て、デザートを口に運んでいたジェノは笑いが込み上げてくる。
 普通その家の跡取りを前にしてこんな事を平然と話すメイドはいないだろう。

 うちの使用人って変わってる人多いよなぁ、あー面白い。
 これを面白いで済ませるジェノも物凄く変わっているのだが、本人だけがその事に気が付いていない。

 「先程何度呼んでも旦那様が起きないので氷水をかけてみたんですが、微動だにしませんでした。もうっ、後でシーツ洗わなきゃいけなくなりましたわ!今度は熱湯をかけますから覚悟しておいて下さいって、旦那様に伝えといてもらえます?」

 今なんか凄い恐ろしいことを聞いた気がするぞ、大丈夫か。
 メロスとマリーテアは家出中に知り合った仲だと聞いたことがある。
 『主と使用人』というより友人に近い関係なのだろうが、メイドの言葉とは思えない過激宣言だ。

 まぁ仲良さ気でよかった。今度から僕はスパッと起きることにしよう、うん!


 さて、今日は何をしようかな。
 朝食を食べ終え席を立ったところで『キンコーン』と、チャイムの音が屋敷に響き渡った。
 マリーテアは洗濯しに行っちゃったし、仕方がない僕が出るか。
 お髭が立派なお客様に「美しいアンティークだ!」と言わしめたドアノブに手を掛け、重い扉をゆっくりと開けていく。

 ガチャ、キィー

 「お前を特別に、私の友達にしてやってもいいぞモーズリスト!嬉しいだろう、喜べ!!」

 バタンッ! ガチャ。

 ・・・うん。
 僕は何もみなかったし、聞こえなかった。

 さぁーて今日は屋敷でごろごろするかなー、やっぱり三度寝は休日のロマンだよね。よし、現実から逃れて楽しい夢の世界へ戻るとするかぁ!
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