この記憶に、名前を。

もちうさぎ

文字の大きさ
1 / 11

ほんとうにごめん。

しおりを挟む
なんだか、凄い長い夢を見ていたようだ。
僕は今、よく分からない状態とともに、僕と話している。



彼(僕?)いわく、僕の人格の一部が彼で僕の人格にまた戻るため、だという。
一度捨てた人格を、なぜ入れなければいけないんだ。そんな過去はひきづりたくない。

「だから、分かりますか?僕も頑張ってここに戻ってきたんですから。」

「・・・なんで、戻ってきたんですか。。。」

「やり直したいからですよ。僕をもう一度。」

「今の僕はそんな事思わないです。。。お願いですから帰って下さい・・・。」

「嫌です、僕はあなたが良いと言ってくれるまで待ちます。」




「帰って下さいって言ってるじゃないですか!!!!!!!」




僕はその場を離れた。



「どうしたの?元気ないじゃん。」

「志桜・・・。ほっといてくれ。」

「ふーん。じゃあ、先に部活行ってるね。久しぶりだし、海翔も来なよ。」

「分かった。」

なかなか行く気にもなれない。僕は『写真部』に所属しているんだが、部員は2人。色々あって顧問の先生も付いていない為、部活は決められた時にしかない。
でも、こんなこと言われたら行く気にもなれない。まぁ、残り少ないかもしれない時間を無駄に使いたくはなかった。

そして、加藤先生がいない部室に、今日も足を運んだ。



「おっ、きたきた。」
相変わらず、加藤先生の謎は解けていない。吉村曜との関係があるのかも、分からない。でも、たったひとつの事実を言うなら、加藤先生はまだいる。
そういうことに決めたんだ。

「なにかあったのー。言ってみてよ。」
そう言って志桜は僕の方に寄ってくる。
この話を志桜は信じてくれるだろうか。志桜に言う意味は何のか。志桜に話したら、なにか分かるのか。

『言う』って事だけでも、言葉が詰まった。

「言ってごらん。」
志桜は、はにかんだ優しい顔でこちらを見る。

「実は・・・。この部活には顧問の先生がいたんだ。」

「え・・・。」
混乱している志桜に、僕はまだ続ける。

「その、顧問の先生と一回だけ写真を撮ったことがあってね。これがその写真。」
そういって僕は写真を取り出し、志桜に見せる。

「少し、消えてるじゃん。」
僕と同じ事に気づく。

「この、消えてるのが『吉村曜』の事と関係あるのかもしれない。」

「ああ、前言ってた子の事か。それなら、私も少し調べたんだよ。」

「そうなの?どんなことが分かった?」

「これ!っていうものはなくて。部活は入ってなくてみんな名前を覚えてないだとか・・・。」

「それなら、僕も聞かれたよ。『私の事・・・覚えてますか?』だったかな。」

「そうなんだ、私は何も言われてないけど。」

「でも、関係ないことないはずなんだ。」

「ずっと、待っていた気がするんだ。君を。」

「ふぇ・・?あ、あたし・・?」



「好きだよ、志桜。」
::
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ある辺境伯の後悔

だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。 父親似だが目元が妻によく似た長女と 目元は自分譲りだが母親似の長男。 愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。 愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

処理中です...