この記憶に、名前を。

もちうさぎ

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少女は今日も動かない。

気持ちのすれ違いからきっと。

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「ゎたし、ぁなたのことがすきですよ」
吉村はそういって僕の事を抱きしめた。

『深く深く、誰かを愛すため。』

この言葉が今になってよぎってきた。
吉村は僕に愛されるために生きているのか。生きようとしているのは僕がいるからなんだ。
なんだか・・・とても、僕という存在に大きな場所があった事に気づいた。僕はこんなにちっぽけな存在だったはずなのに。。。

僕は、人から目立つことが嫌いだ。あの時、加藤先生にも言われた。

『そんな事してちゃ、写真家になんかなれないぞ?』

僕は写真家になることが夢であり希望の一つだ。これが・・・希望にあった。

「あ、あの・・・」
そういったら吉村は僕から離れた。
その顔は悲しいのか分からない。だが、嬉しい顔にはまったくもって見えなかった。なんだろう。覚悟を決めているような顔をしていて僕に申し訳ないと感じてしまっている、そんな風に見えた。

僕は何をしてあげたら良かったんだろう。

「気にしないでください。分かってます、ほんとはこんなの、間違いなんです。」
分かったのか、君は。分かってしまったのか。
この言葉は何を伝えようとしていたのかがすごく分かった。

・・・分かったのが、つらかった。

彼女は僕を愛することで、違う意味の感情を育てていた。空っぽのままの『あたし』は僕を愛した。でも、空っぽのままの『あたし』は

その感情を捨ててしまった。・・・・・・・・・・

人格の一部を捨ててしまった『あたし』は僕を愛すことを分からないのだ。だから、彼女はこういった。

『深く深く、誰かを愛すため。』

愛さえないこんな世界。僕らが出来るのはそれだけだった。・・・それだけで終わるのなら。
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