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42 打ち明け話をしましょう。
しおりを挟む部屋に入る前に、琥珀に遮音の魔法をかけてもらう。
モグラ叩き遊び3回で買収した。なんだかんだで気に入ってるらしい。愛いヤツめ!
ドアを閉めるなり、ハルカさんに勢いよく頭を下げる。
「ごめんなさい。私が貴女を召喚した魔方陣に魔力を込めたの。私が召喚したの。ごめんなさい」
ハルカさんが驚いた顔で私を見る。
「精霊や召喚獣が呼び出されると思ってたの。まさか日本人が来るとは思わなかったの。
謝って済むことじゃないけど、帰るまで守らせて下さい。
本当にごめんなさい」
「わかったわ。頭を上げて」
「ハルカさん、向こうは西暦何年ですか?」
「20XX年よ」
私が死んでから、3年しかたってない。こちらと時の流れが違うのかしら?
「え、西暦って、エリカさん??」
「ええ私、前世日本人だったの」
「もしかして、エリカさんアンバー王立学園魔法科?」
「そうですが?」
「いや~、ここってマジカルふぁんふぁんファンタジーの世界? エリカさんってマジファン1の主人公だよね? じゃあここって、マジファン2なの?」
おおお、知らない間に『 2 』が出てました……
道理で、口説かれないと思ったよ……
「私、生前マジファン1までしか出てなくて、2はどんな話なんですか?」
「ごめん。私もやろうとしてたところで召喚されたからよく知らないんだけど、危機に陥った世界を救う為に主人公が召喚されて、イケメンと交流しながら世界を救うみたいな話だったと思う」
「「状況があってる!」」
二人で声が重なる。
ハルカさんがクスリと笑った。
「しょうがない、世界救いますか!」
おう、ハルカさん男らしい。
「じゃないと、帰れないみたいだし」
「私、ハルカさんが帰るまで全力で守ります。世界救って日本に帰りましょうね」
話が終わったところで、ノックがする。
「ハルカ様、お着替えをお持ちしました。湯浴みとお食事の準備があります。良かったらお申し付け下さい」
侍女の方が着替えを持ってきてくれた。
「良かったわ。暑かったのよ。こっちは夏なのね?」
「夏です。実家でかき氷作って、転生チートしてました」
と言ったら、ハルカさんが笑ってくれた。
「ハルカって呼んで」「じゃ、エリカで」
同郷のハルカさんに逢えてすごくすごく嬉しい。
**
ハルカが人心地ついた後で一緒に調査隊のマルチーノさんの所に行って、一行に加えてくれるようお願いした。
カインも行くという。
全属性持ちでハイヒールも使える。エクストラヒールも発動したことがある(一度だけだけどさ)、
ハルカを守りたいのだと猛烈アピールした。
結局、ハルカが私とカインが一緒じゃなきゃ行かないと言ってくれたので、マルチーノさんが折れた。
私とカインは、王宮の使用人部屋に泊めてもらった。
一晩、いっぱい考えた。
向こうの世界のハルカに会って、私は死んでしまってもう二度と日本に帰れない、大好きだった人達ともう会えないということを、改めて実感した。
私はここで生まれ変わった。向こうで、私は生き返ることはない。
死者は、生者の暮らしに関わってはいけない。
向こうの家族を思って、少し泣いた。
翌朝、カインと琥珀に「前世おばちゃんだったこと」はハルカに黙っていて欲しいとお願いした。
カインが「なんで?」と聞く。
だって、おばちゃんなのに乙女ゲームの主人公に転生してます! なんて、恥ずかしいんだもん。
まじ引かれそうだし。
内面おばちゃんだと、壁作られるかもしれないし。
いろいろ言わない方が良い事ってあるんだよ。
「だって、おばさんって言ったら引かれそうだし。私にもミエがあるし……」
「まあ、よく分からんミエだが黙っといてやろう」
偉そうにカインが答えた。
最近、カインがムカツク。
琥珀は、( エリカがそうしたいなら )と、だけ言った。
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