GLACIER(グレイシア)

弓チョコ

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第7話 オルヴァリオの剣

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 3人はなんだかんだと会話をしながら、武器屋にやってきた。個人経営の、大きくはない木造の建物だ。

「それでオルヴァリオだっけ。あんたは剣ね」
「ああ。門下じゃ割りと成績良かったぜ」
「あっそ。その割りに師匠から剣のひと振りも貰ってないのね」
「そんな仕来たりがあるのか?」
「呆れた。弟子が旅立つってのに、丸腰じゃ道場の看板に泥を塗りに行かせるようなものじゃない」
「いや、街を出ることは誰にも言って無いぞ。道場にも寄ってないし」
「…………だからなのね。呆れた」

 並べられている剣や槍を見て回る。都市にあるような大型店ではなく個人でやっている小さな店だが、一応一通りは揃いそうだなとリディは思う。

「取り敢えず時間の掛からなさそうなあんたからね。腕の長さは?」
「腕?」

 訊かれたオルヴァリオはぽかんとした。

「無駄に身長高いわよねあんたら。80は流石に無さそうだけど。75? 6?」
「えっ。そんなの測ったこと無いぜ」
「…………店員さーん。メジャー貸して」

 もう、呆れ慣れてしまったとばかりに、リディは店員を呼ぶ。なるほど剣を選ぶ際には己の腕の長さが重要なのかとオルヴァリオは頷く。

「ほんと、どこの田舎出身なのよ。武器の知識も何も無いじゃない」
「いやまあ、呆れたなら放っといて貰っても良いぜ。なんか迷惑な気がしてきた」
「ここまで来たら最後まで付き合うわよ。ほら腕出して」

 言われるがままに腕を突き出すオルヴァリオ。その間にクリューは店内を一周してきたらしい。

「違いが分からん上に値段がバラバラだな。これは専門家に見て貰わねば失敗するぞオルヴァ」
「……確かに武器兵器については学んで来なかったな。長く戦争をしていないからか」
「平時だからこそ必要な教養じゃない。ていうかあんた達はこれからうんと必要なことよ。……やっぱ腕も長いわね。ムカつくことに」

 測定が終わり、リディはオルヴァリオの腕をポンと軽く叩く。

「長いとどうなんだ?」
「そりゃリーチが長いから戦闘じゃ有利になるわよ。まあ刃の重さも増えるからより筋力も必要だけど」

 それを元に、リディが店内を見回して彼に合う剣を探し始める。
 その様子を見て、オルヴァリオはクリューへ耳打ちした。

「……なんでここまでしてくれるんだ? あの女」
「考えても仕方ない。後で強請られるにしても武器はあった方が良いじゃないか」
「うーん……なんか格好悪くないか」
「一時の恥だろ」

 不自然なほど親切なリディに違和感を抱くが、口振りを見ると武器に関しての知識は豊富であるようだ。ならば素直に厚意に甘えても良いではないか。クリューはそう考えた。

「まあ、この辺りね。一般的な両刃剣だけど。鞘もしっかりしてるし、手入れも簡単そう。ほら持ってみて」
「お、おう」

 しばらくしてリディが持ってきた剣を受け取る。片手で扱う剣だ。抜いてみると、刃がやや厚いのが特徴的だった。

「どう?」
「……どう、なんだろうか」

 真剣を持ったのは、実はこれが初めてである。オルヴァリオはその重さに驚いてしまう。

「もう少し軽いのもあるけど」
「どっちが良いんだ?」
「耐久性と威力を取るか、取り回しを取るかね。軽くて弱い剣は安いからすぐ買い換えることになるけど、下手な新米剣士には向いてる。でもあんた達の目的地がバルセスなら、そんなに頻繁に街へ降りられないし、高いけど耐久性のある剣が良いかもね」
「じゃあこれにするか」
「えっ」

 オルヴァリオが頷いた。剣については詳しくないが、剣術には自信のある彼だ。少々扱いにくい剣だろうと問題無いと考える。

「そんなに簡単に決めて良いの? 大事な武器よ」
「なんだよ。お前のオススメだろ」
「いや、そうだけど……。決して安くない買い物よ?」
「武器コレクターの審美眼を信じるぜ。マスター。この剣だ」

 決めたとあらば、すぐさまカウンターへと向かうオルヴァリオ。その様子を見て今度はリディがクリューへ耳打ちをしに来た。

「……大丈夫なの? あいつ」
「ああ言う男だ。覚悟が決まっている」
「うーん……まあ良いか。次はあんたね」
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